書名 世界の美しい本屋さん
著者 清水玲奈
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2015.04.17
価格(税別) 1,600円
● 「美しい本屋さん」の写真集。眺めて楽しむもの。想像力の豊かな人ならば,その書店に入っていけるかもしれない。
● 以下にいくつか転載。
イギリスで過ごした10代の頃は演劇に夢中で,本屋の経営には興味がなかったのですが,パリに戻ってきたときに「この店はまるで劇場だ」と気がつきました。個性的な人物が次々と登場しては消えていき,日々ドラマが展開します。(シェイクスピア・アンド・カンパニー店長 シルヴィア・ウィットマン p83)
プロのデザイナーであるスタッフの鑑識眼にかなった本だけを絞り込んで売るのがこの店のポリシーです。ジャンルはグラフィック,広告,ファッション,インテリア,写真の5つの分野のみ。(p107)
これはアムステルダムの「メンド」のもの。銀座の蔦屋書店を連想した。
書名 世界で最も美しい書店
著者 清水玲奈
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2013.02.27
価格(税別) 3,800円
● 同じ版元から3冊出ている『世界の夢の本屋さん』のダイジェスト版かと思ったけど,そうではない。紹介されている世界の書店は次のとおり。
アトランティス・ブックス(サントリーニ ギリシャ)
バーター・ブックス(アニック イギリス)
ディエチ・コルソ・コモ・ブックショップ(ミラノ イタリア)
ドーント・ブックス(ロンドン イギリス)
ヴィラ書店(サンパウロ ブラジル)
カフェブレリア・エル・ペンドゥロ(メキシコシティ メキシコ)
クック・アンド・ブック(ブリュッセル ベルギー)
バーツ・ブックス(オハイ アメリカ)
アリオン・エスポジツィオーニ書店(ローマ イタリア)
アメリカン・ブックセンター(アムステルダム オランダ)
レール・デヴァガール(リスボン ポルトガル)
ポプラ絵本館(北京 中国)
VVGサムシング(台北 台湾)
レロ書店(ポルト ポルトガル)
シェイクスピア・アンド・カンパニー(パリ フランス)
セレクシス・ドミニカネン(マーストリヒト オランダ)
エル・アテネオ・グランド・スプレンディッド(ブエノスアイレス アルゼンチン)
代官山蔦屋書店(東京 日本)
ザ・ラスト・ブックストア(ロサンゼルス アメリカ)
ザ・ブックワーム(北京 中国)
● といっても,こっちは日本語しか読めないわけだから,仮にこれらの書店を訪ねる機会があったとしても,手に取れるジャンルの本は画集とか絵本に限られるなぁ。
数学の本も言語の制限を受けなそうだけど,残念ながら数式も読めないからね。
● 「まえがき」が書店の機能というか特性を要約している。書店は「駅」であり,交流の「広場」であり,「メディア」である,と。
理想型としてそうあるべきだ,そうありたいということだと思う。
● 藤本荘介さんの発言から。
図書館というのは,検索可能で序列化されたリニアなシステムです。しかもカテゴリー分類にも対応する必要があるので,より高度な検索性が要求されます。でも,本に“出逢う”時というのはリニアに進んだその先に必ずしもあるわけではない。(p42)
● 原研哉さんの発言から。
本がたくさんあると心地いい。これはなぜだろう。データは非物質として持つ方が効率的なことは誰もが分かっている。しかし紙の本がなぜ心地いいのかについては本気で考えていない。所詮ノスタルジーだろうと高をくくっているからかもしれない。(p187)
本はデータではなく人の叡智を大事にしようとする敬意の集積であるから,それを扱う態度は基本的に丁寧でなくてはならない。だからディスカウントショップや画一化されたチェーン店のような,殺伐とした雰囲気は,注意深く排除されなくてはいけない。(p189)
● その他,いくつか転載。
この世界に存在するありとあらゆるテーマが,いずれかの本のページに書かれている。それが,本屋の美しさを作る。(p56)
すべての良いものは,ゆっくりと時間をかけてつくられる。急いでいるときこそ,ゆっくりやらなくてはならない。(p114)
書名 世界の夢の本屋さん3
著者 清水玲奈
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2013.11.21
価格(税別) 3,800円
● シリーズ3冊目。メキシコシティ,サントリーニ,ミラノ,ポルト,リスボン,パリ,ハンブルク,ベルリン,ヘルシンキ,コペンハーゲン,オスロ,ロサンゼルス,サンフランシスコ,ニューヨーク,オハイ,シアトル,アニック,ヘイ・オン・ワイ,ロンドンと,中北米・ヨーロッパの31の書店が紹介されている。
本屋(の写真)を通して世界旅行するといった趣のガイドブックですか。パラパラとながめていると楽しい。
● いくつか転載。
メキシコ人の平均読書数は年間一人0.5冊で,電子書籍の普及も遅れています。(カフェブレリア・エル・ペンドゥロ p13)
一度読書の楽しさを知れば,あとはいくらでも読みたくなります。だから,子どもに本の世界を教えてあげるのはとても大切ですし,私は読書が苦手という人が店に来てくれたときこそ,何とか夢中になれる本に出会ってもらおうと,全力を尽くします。(アーノルド・ブスク p109)
ぼくのムスコに教えてやってもらえないだろうか。まったく本を読まない子ども(っていうか,もうハイティーン)なのでね。
これは親にはできなそうなんだよね。他人じゃないと効き目がない。
お客さんは年齢層も階層も幅広く,1ドルの古本で真剣に悩む人も,どんな本でも値段を見ないで買う人もいます。僕が何よりも大切にしているのは,すべてのお客さんと友達になること。(ラスト・ブックストア p130)
本好きだったら,たとえ値段は1ドルであっても真剣に選ぶよね。お金のあるなしにかかわらずね。
書名 世界の夢の本屋さん2
著者 清水玲奈
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2012.07.17
価格(税別) 3,800円
● ヨーロッパに日本を含むアジアと南米を加えた続編。写真がメインだから,旅行ガイドブックのようにながめて,彼の地の光景を感じ取るようにすればいいのかもしれない。
● ホッジス・フィギス書店(ダブリン)の店員さんの話。
うちの店は歴史がありますが,それが将来の保証になるかといえば,まったくそうではありません。今日私たちがどのような仕事をするかによって,店の将来は決まります。(p49)
● シェイクスピア・アンド・カンパニー(パリ)の店長さんの話。
優れた本屋をやっていくために近道はありません。私自身もたくさん働きますし,パートタイム5人,フルタイム5人のスタッフたちには十分な給料を支払うとともに,家族のようなきずなを築き,幸せな気持ちで働いてもらえるように気を使っています。ここは放っておいても観光客がやってくるので,『星の王子様』の本とロゴ入りの記念品だけを置いて商売をやっていくことだって可能です。でもそれではつまらない。(p62)
● コープ・アンバシャトーリ書店(ボローニャ)。
レストランや食料品店の存在が,本の売り上げに直接つながっているわけではない。店では,本を買った人にイータリーでの割引券を配り,イータリーの利用者に本の割引券を配る,という実験をしたことがある。その結果,本を買う人はイータリーに積極的に立ち寄ったが,イータリーの利用者が食料品を買うついでに本を買う割合は低いことがわかったという。(p75)
● シブヤパブリッシングアンドブックセラーズ(渋谷)の店長さんの話。
今は店づくりも雑誌や本づくりも,雰囲気だけで売れる時代ではありません。お客さんのリテラシーが上がったので,良いものだけが売れる。いってみれば健全な時代です。全国どこで買っても同じ商品を,あえて自分の店で買ってもらうことの意味を感じてもらわなくてはなりません。(p115)
● 紀伊國屋書店札幌本店の店長さんの話。
一流の本屋があるおかげで市民の生活の質が上がるというより,むしろその逆。いい本を読んでくれる市民がいる土壌にこそ,優れた本屋が育ち,その関係が好循環を生みます。(p120)
札幌って,かつては一人あたりの書籍購入金額が全国最低の政令指定都市として有名だったんじゃなかったっけ? 今や大型書店がいくつもできて,その汚名を払拭しているんだろうかね。紀伊國屋札幌本店では100万冊が買ってもらえるのを待っているそうだから。
● 恵文社一乗寺店(京都)の店長さんの話。
書店経営のプロならアマゾンを出しぬけます。洋書は断然アマゾンが安くても,文化的な人であれば,安い店を求めて駆けずり回ったりはしない。食べ物屋にたとえるなら,安くて量が多い店ではなく,「雰囲気がよくて旬のものを出す店」に行きたいと,私は思います。(中略) うちの店は,京都,とくに左京区の文化的な土壌があるからこそ成立しています。そして,京都の文化を支えているのは,寺社仏閣といった観光名所だけではなく,そのような個人商店なのです。(p132)
● エリート書店(台北)。
台湾人の平均的な読書数は年間4.2冊だが,ここの会員の30万人は,エリートだけで年間12冊の本を買う。(p161)
こんなものなのか。日本も同じか。本って,読む人と読まない人がくっきりと分かれてて,読まない人の年間読書数は文字どおりのゼロだからね。そういう人が大半であることを考えると,もっと少ないかもしれない?
が,読まない人が馬鹿で読む人が賢いかというと,まったくそういうことはないと感じてますけどね。
● クルトゥーラ書店(サンパウロ)
ブラジルでは,大人が一年に読む本は平均2冊に満たない。人口1億9千万人の国全体に,本屋さんは2,300軒(日本の書店数は約1万5千軒)。しかし,経済成長で文化的なものにお金をかけたいと思う人が急速に増えているのを受けて,書店の数は増え続けている。(p171)
ブラジルでは,本は値段が高くぜいたく品とみなされている。しかし,クルトゥーラ書店の客層は「すべての人たち」。低所得層も,マイカーを買うのと同じように本を買う生活に憧れ、それを目標にする時代になりつつある。(p171)
店員さんの話。
とくに売れているのは,ブラジル文学を別にすると,自己啓発本だという印象があります。ブラジルでは今,ビジネスで成功してお金持ちになりたいと希望に燃えている人たちが多いのでしょう(p172)
● アビラ書店(ブエノスアイレス)の店長さんの話。
アルゼンチンには,「人が本を知れば,二度と孤独に戻ることはない」という言葉があります。(中略) インターネットを通して,情報交換はできても,愛する人の手を握ることはできない。どんなにテクノロジーが発達しても本屋さんが不滅なのは,つまりそういうことです。(p210)
書名 世界の夢の本屋さん
著者 清水玲奈
大原ケイ
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2011.07.02
価格(税別) 3,800円
● ロンドン,パリ,ローマ,ミラノ,アムステルダム,ブリュッセル,ニューヨークなどの本屋さんを写真をメインに,オーナーや店員のインタビューを添えて紹介している。ドイツが入っていないのはなぜだかわからない。
● 本離れは日本だけの現象ではない。新刊書の増大に書店が苦慮しているのも,日本だけではない。イギリスでもイタリアでもフランスでも,事情は同じらしい。
アマゾンを驚異に感じているのも,また同様。太平の惰眠を貪っていた書籍小売業界をたたき起こしたことが,アマゾンの功績ではないかとも思うんだけど。
● 若い頃なら,こういう本を見ると,自分も現地に行ってみたくなったろうな。が,この年になるとそんな気概?も湧いてこない。
けれど,だから年は取りたくないとは全然思わない。
● ロンドンの「ドーント・ブックス・マリルボーン」の店長さんの話。
今日,出版業界は電子書籍とアマゾンで売ることだけに力を注いでいて,これでは音楽業界の二の舞になりかねないと,私は危惧しています。書店はアマゾンのショールームとして使われる危機にさらされているのです。(p12)
● ロンドンの「ヘンリー・サザラン」の店員さんの話。
読書家には女性が多いですが,コレクターはみんな男性で,読むためではなく,いわば狩猟本能を満たすために本を集めます。古い全集なども,一度も読まれた形跡がないことが多い。(p18)
「英国でも住宅事情の悪化で,「お屋敷の書斎をいっぱいにするまで古書を買い集める」という熱心なコレクターは急速に減った。近年は,コレクターの多くが本を買い始めてからおよそ5年で,ぱったりと店に来なくなるそうだ」(p15)とのことなのだが,いいことなのじゃないか,これ。
牛乳瓶のフタや切手やコインを集めるのは良くて,本を集めるのは悪いってことはまったくないと思うんだけど,読まないのにブツとして持ってるってのは,家族にははた迷惑だろうから。大きなお屋敷だとしてもさ。
● ローマの「メル・ブックストア」の店員さんの話。
イタリアに本格的な読書人口は400万人しかいません。でも経済危機の後も,店の売り上げには影響はありませんでした。「本を読む人は,どんな状況でも本を読む」ものなのでしょう。(p88)
● 同じ書店の別の店員さんの話。
私は本が大好きですが,セレクトには自分の趣味を反映しないように気をつけています。(p89)