ラベル ニッケ 日経デザイン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ニッケ 日経デザイン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年5月6日月曜日

2019.05.06 日経デザイン編 『無印良品のデザイン2』

書名 無印良品のデザイン2
編者 日経デザイン
発行所 日経BP社
発行年月日 2016.06.14
価格(税別) 2,200円

● 無印の海外展開を解説している。上海やニューヨークの旗艦店が盛りだくさんの写真で紹介されている。無印は基本,進出国に合わせたローカライズはしない。日本発の無印が中国やアメリカで支持されているのは,何だか嬉しい。

● 以下にいくつか転載。
 私どもは,海外に出るときにマーケティングリサーチをしません。(中略)その理由は,提供している商品がハレの日の商品ではなく,日常で使うものだから。(松崎暁 p48)
 マーケティングやパブリシティーは店舗を通して行うのが基本です。(中略)そのうえでくらしの良品研究所のような仕組みを使って意見を吸い上げていきたいと思っています。(松崎暁 p51)
 まず,生活に必要なものは何かを考えました。そこで感じたのは,暮らしの中で無駄な物を排除していくと本当に必要なものは驚くほど少ないことです。そこで新しい商品を開発するときのルールを,『自己主張はしないが凛とした存在感があるか』『使い方を押し付けない汎用性があるか』『商品寿命は長いか』としました。(加賀谷優 p89)
 ご飯を一杯よそうにも,昔に比べれば随分と量が少なくなったんじゃないかと思います。時代には丁度いい分量がその都度あって,それはある時代の区切りとともに変化します。(藤原大 p110)
 無印良品は「定番を磨く」と日常に美しさが生まれると思っている。(藤原大 p110)
 MUJIがもし日本ではなく他の国で誕生していたら,どのようなアイテムが求められるだろうか? そんな仮説からも新しい商品が考えられそうです。(コンスタンチン・グルチッチ p169)
 実際の暮らしは,カタログやパンフレットの写真のように何もない空間ではなく,他のものとの対話や調和といった関係性のなかで成立しています。どんなものであれ,自分だけの世界ではなく,必ず他のものとの関係性--ある文脈の中で存在しているのです。(サム・ヘクト p177)
 アップルには厳格なデザイン言語があって,ガイドラインもあって,ブランドのルールがある。それらは当然魅力的なものです。しかしMUJIの場合は違います。基本となる哲学はあるけど,原則が決まっているわけではありません。(サム・ヘクト p179)

2019年5月4日土曜日

2019.05.04 日経デザイン編 『無印良品のデザイン』

書名 無印良品のデザイン
編者 日経デザイン
発行所 日経BP社
発行年月日 2015.05.25
価格(税別) 2,200円

● 無印良品を甘く見ていた。包装を排して,商品に商品名やブランド名を入れないだけじゃん的に思ったら大間違いだった。
 無印の世界を体感するなら,銀座にできるMUJIホテルに泊まってみるのが良さそうだ。一度泊まってエデュケイトされてみたい。

● 以下にいくつか転載。
 これらの家電は,国ごとのローカライゼーションはせず,世界同一仕様で販売する。押しつけではなく,控えめに,しかし力強く「無印良品は,家電を,それを通した豊かな生活とは何かを,このように考えています」というコミュニケーションツールでもあるのだ。(p25)
 例えば食パンのように,ずっと大きさが一定のものを扱うトースターなどは,決して小さくなることはありません。必ず食パンと同じだけの大きさが必要になるので変わることはありません。こうした家電こそ,無印良品が開発すべきものです。(深澤直人 p31)
 家電量販店で目立つようにするには,外観を派手にする必要がありますが,それを自宅のキッチンに置くと各メーカーのデザインが異なるので,ごちゃごちゃした感じがします。(深澤直人 p31)
 創造性の省略は優れた商品につながらないことを学びました。(p55)
 無印良品の最も強い力は説得力ではなく,「感化力」だということです。商品を手に取った瞬間に「ああ,こういう世界があったんだ」「これでいいんだ」と気付かせる力です。(原研哉 p64)
 無印良品の商品は今,7000アイテム以上ありますが,特定の商品を見て「すごい」と思うのではなく,膨大な商品が集積しているお店に入った瞬間に,全体として無印良品の考え方が響き渡っている--そういう感じが理想です。突出したものがあってはいけないのです。(原研哉 p66)
 ミーティングで否定的な話はあまりしないようにしています。重箱の隅をつつくようなことをやり始めると無限にある。(原研哉 p66)
 無印良品は,単に装飾を削ぎ落としてきれいにしていくとか,モダンにしていくとかではなく,究極のエンプティを作っていくことにあります。用い方やイメージを限定しないで受け入れられる余白が多い方がいいのです。(原研哉 p67)
 流行から距離を置くということがとても大事ですね,エンプティであるためには。古臭くなってもいけないし,流行になってもいけないという,一番難しいポジションです。(原研哉 p69)
 生活者の希求の水準,こうなりたいなと思う欲望のレベルを上げていくことが必要だと思っています。そこに影響力を持てれば素晴らしいと思うのです。やはり無印良品のレベルというのは,顧客のレベルなんですね。顧客の生活リテラシーやマインドが上がってくると,無印良品に対する欲求も要求も高まってくる。顧客の欲求の水準が高い,ということが何よりも大切なんです。(原研哉 p69)
 時代の流れに棹を差してやれ,という意識がありました。「消費者」ではなく「生活社」の視点でどうありたいか,どう生きたいか・・・。人はいろいろな願望を持つわけですが,それとモノの関わりはどうあるべきか・・・。そんな話をしょっちゅうしていたんです。田中一光さんや堤清二さんたちと。(小池一子 p84)
 やっぱりインハウスのデザイナーだけだと,得てしてその企業のオーダーがデザインのオーダーになっちゃうじゃないですか。(小池一子 p89)
 さまざまな国や地域に進出してコンセンサスを得るということは,逆に言えば個性的でない商品ばかりになってしまう危険もあるということ。もし無印に危険があるとしたら,そこじゃないでしょうか。(小池一子 p91)
 スタートした頃は「わけあって,安い」というキャッチフレーズがあって,割れたせんべいとか,折れたうどんとか,分かりやすい商品が多かった。(杉本貴志 p115)
 みんなある程度は分かっているんだけど,そうやっていつも議論していかなきゃ駄目なんです。(杉本貴志 p117)
 デザインも,欧米人がやると何かを作ろうとするんですね。でも,僕らが無印良品で使う古鉄とか廃材はそうじゃない。もう廃棄されている素材だから,価値はない。花を持ってくるとか,そんなことをしなくても,僕らはその廃材を自然の1つの代弁者として置いているだけ。それで十分に出せる情感というものがあって,そこを狙ったんですね。(杉本貴志 p119)
 大型店改革のキーワードは2つある。『発見とヒント』のある売り場,そして土着化だ。(p126)
 世界旗艦店と言っても,デザインの基本は今までと変わりません。顧客が日本人だとか中国人だとか,国民性の違いや好みなどもほとんど考えていないんです。あえて意識しないようにしている,と言った方がいい。(p158)
 長い間には紆余曲折があって,一時,アドバイザリーボードとの関係が形骸化した時期もあるんです。その結果として資本の論理に向かったときは,必ず業績が落ちる。(金井政明 p180)
 中小企業じゃないと,「売るためのモノなんか作るなよ」などと本気で言い続けられません。結果的に大きくなろうが,現場との距離感も含めて精神は中小企業じゃないと。(金井政明 p180)
 もともと無印良品は狭い意味でのデザインというものに対するアンチテーゼとして生まれました。モノを売るためのデザインやデザイナーの個性を発信するためのデザインに対して,1980年「本来のデザインは違うでしょう」と言ってスタートしたわけです。(金井政明 p183)
 田中さんたちの時代は,ある意味でデザインを省く,素なものにするというデザイン活動でした。「途中下車の商品開発」と言って,ごみ箱を作る15の工程のうち,最後にキャラクターを印刷する3工程を省いて商品化するというやり方です。ところが(中略)工程を省くとむしろコストが高くなるようなことも出てきたんですね。もう省くだけじゃ通用しなくなってきた。(金井政明 p183)
 著名なデザイナーの名前が前面に出ることは,無印良品にとってはリスクだったんです。とがったデザインが店頭で目に付き過ぎることにも恐怖を感じていました。洗練され過ぎた,格好いいものが売り場に増えたら嫌だな,と。(金井政明 p184)
 良品計画側のボードにピュアな思想,強い軸がないといけません。「先生,お願いします」という構造になってしまったら駄目ですね。(金井政明 p185)

2017年10月7日土曜日

2017.10.07 日経デザイン編 『文具と雑貨づくりの教科書』

書名 文具と雑貨づくりの教科書
編者 日経デザイン
発行所 日経BP社
発行年月日 2016.03.23
価格(税別) 3,300円

● 日本の文具は世界に冠たるもの。車と同じ。高級感をまとわせるのはドイツやイタリアに遅れを取っているけれども,安心して使えて,ここまで考えているのかと驚かされるのは日本製の方。
 というか,日本人が勝手にドイツ製やイタリア製に「高級」を感じたがっているだけかもしれない。バカは外国製品を使っていろ,と,かなり本気で思っている。

● 本書はその日本製品について,メーカーの責任者や担当者にインタビューをしたり,製品を解析したりして,その成果をまとめたもの。

● 以下にいくつか転載。
 多くのメーカーが高い海外販売率を実現しており,日本の文具・雑貨は一目置かれる存在です。その秘密は,潜在的な不満やニーズをいち早く見つける観察力と,その観察から導かれた豊かな発想力にあります。そして絶え間ない技術開発を続ける姿勢です。(p3)
 消しゴムだってそう。きちんと消せないとそこにとらわれてしまい,考えが止まる。いわば,思考の用心棒のような存在が文具なんだと思っています。だから,最小限の機能であっても品質が良いものでないといけません。(小川晃弘:トンボ鉛筆社長 p24)
 「これは,本当に使えるのだろうか」というものはダメです。ユーザー自身も気付いていない,「こうだったらいいな」という気付きを形にして見せ,習慣さえも変えてみせるのがプロの仕事です。(中略)行動を観察することはもちろん,人間そのものをよく知ることが,文具の開発には欠かせません。(小川 p25)
 ヒット商品というと,いかにも大勢の人から支持を受けているような感じがしますよね。でも,皆が皆買っているわけではないモノがほとんどなんです。(中略)ヒット商品というのは「10人に1人」が買ってくれるモノなんだと気付いたんです。(宮本彰:キングジム社長 p68)
 「これが欲しかった」「出たら,必ず買う」という,“待ちに待った”商品でなければ売れない。裏を返せば,「まあま欲しい」という人が10人中7人いる商品ではなく,9人が「全然欲しくない」と言っても,「必ず買う」という強烈な支持者が1人いる商品の方が可能性はずっと高い。(宮本 p70)
 文房具は身近な商品だから,「自分だったら欲しいか」という観点で皆が判断しがちです。それが間違いのもの。自分の気持ちは置いておいて「『これが欲しい』と言う人がどれくらいいるか」という計算をできないといけません。(宮本 p70)
 自分として理解できる商品だと「イケるんじゃないのか」とつい思ってしまう。でも,「イケるんじゃないのか」程度の商品なんて,今は誰も買いませんよ。(宮本 p70)
 皆さんに結構ほめていただいているのに,全然売れない商品というのは多いんですよ。「欲しい」と言われても,「買うほど欲しい」とは限らない。(宮本 p71)
 「失敗したら社名に傷が付く」などと言いますけれど,全然,傷なんて付きませんよ。失敗したら売れないわけですよね。そんな商品,すぐに忘れられて商品名すら人の記憶に残らないでしょう。だから,失敗しても誰にも何にも傷なんて付きません。(宮本 p71)
 リサイクルペーパーの用途が限られているのは,紙がオフィスの中に留まっているためと分析した。つまり,上手に「運ぶ」ことができれば,リサイクルペーパーの用途が広がると考えたのだ。(p87)
 海外製品でも,評判のいいノートはいろいろあります。そういう製品はなかなか考えられているとは思いますが,いろんなことを細かく煮詰めていない製品が多い。(名児耶秀美 p121)
 日本の文具の特徴は,商品の良さをきちんと評価できる市場と,それに応えて改善や改良を重ねていくメーカーのモノづくりの姿勢が,うまく合致している点にあると言えるでしょう。(高畑正幸 p122)
 それはメーカーのインハウスのデザイナーたちの努力を抜きにしては語れません。(高畑 p125)
 デジタル機器の普及が,かえって紙とペンの持つ本質的な特性の見直しを促し,(中略)書く行為そのものを楽しむ商品が多数登場してきました。(高畑 p125)
 Y2のデザインの発想は,今ある「モノ」や「仕組み」を何も否定しないことから始まる。(中略)企画を依頼するメーカーも,依頼されるデザイナーも大抵は「何か新しいことをしなければ」と思う。しかし,今を単純に否定すれば,無理が生じ,見当違いな商品になる。(p145)
 消費者はモノを買うとき,伝統工芸品だから買うのではない。素敵だと思うから選ぶ。(p149)
 アイデアを持っているのは我々ではない。そこで,外からのアイデアをどう吸収して商品に生かせるか,ということに集中してきた。(p197)
 自分たちには,マスキングテープしかない。ならばやれることは1つ。テープ1つで世界がこんなに変わる,こんなにいろんな楽しみ方ができる,という圧倒的な体験を顧客に絶え間なく提供し続けることだ。(p200)
 人気商品が常に抱える問題として類似品が多いことも事実だ。(中略)そうした状況で,一般消費者はどのように違いを見出すのか。ゼブラに聞いたところ,意外なことに「価格だ」と言う。(p246)

2014年10月31日金曜日

2014.10.31 日経デザイン編 『アップルのデザイン戦略』

書名 アップルのデザイン戦略
編者 日経デザイン
発行所 日経BP社
発行年月日 2014.05.19
価格(税別) 1,900円

● スティーブ・ジョブズなきあとも,appleは絶好調だ。その理由を製品のデザインから探ってみようとするもの。
 といっても,apple製品のデザインについては昔から多くが語られており,本書で何か新しい視点が提供されているわけではない(と思われる)。

● ただし,製品を分解して,ユーザーが見ることのない内部にまで,appleがどれほどこだわって美しさを追求しているかを,写真で見せ,解説している。その具体性が本書のウリですかね。
 あるいは,製品のパッケージ(箱)にいたるまでのappleのこだわりを紹介している。

● でも,ぼくのような素人には,それらがどれほどすごいことなのか,いまいちピンとこないのも正直なところ。
 細部にこだわることは,当然にして製造コストを増大させる。スペックや機能が他社と同じでも,製造原価はapple製品の方が高いんだなというのは,何となくわかったような。