書名 ジス・イズ・サンフランシスコ
著者 ミロスラフ・サセック
訳者 松浦弥太郎
発行所 ブルース・インターアクションズ
発行年月日 2004.09.01
価格(税別) 1,600円
● サセックの絵を楽しむもの。どうやったらこんな絵が描けるようになるのかねぇ。サンフランシスコだから青が多くなる。空と海。
● サンフランシスコの起源もサラッと,しかし骨太に紹介。1906年の地震のことも。
ゴールデンゲート橋,中華街,ケーブルカーについては,絵で詳しく解説。動物園や水族館の案内も。刑務所や教会についても教えてくれる。
● 34ページにはこんな文章も。
これは橋ではなく,迷路のような高速道路です。 街並みの景色をそこなうので,サンフランシスコ市民には嫌われています。 しかし,車で走るのはみんな大好き。
当然,首都高を思いだすわけですね。首都高を醜いという人はたくさんいるんだけど,車は捨てられない。
● その高速道路,1989年の地震で被害を受け,現在はなくなっているそうだ。
書名 ジス・イズ・ギリシャ
著者 ミロスラフ・サセック
訳者 松浦弥太郎
発行所 ブルース・インターアクションズ
発行年月日 2007.02.01
価格(税別) 1,800円
● 仄聞するところでは,ヨーロッパ諸国はもちろのこと,アメリカでも自国史は古代ギリシャから始めるらしい。ドイツ人もフランス人もイギリス人も,ギリシア人がバルバロイとよんだ蛮族の子孫だろうと思うんだけど,自らのアイデンティティは古代ギリシャにあると思っているわけでしょうね。
● 現在のギリシャ人はトルコ系だから,古代ギリシャとは断絶している。要するに,古代ギリシャは忽然と姿を消してしまった。
その痕跡は彼らが残した遺跡と美術品に残っているのみ。
● ぼくはギリシャにも行ったことがない。ギリシャに関する知識といえば,中学,高校で習った世界史の教科書に書いてあったことに限られる。ので,この絵本は勉強になった。
サセックも現在のギリシャを紹介するよりは,古代の歴史を伝えることに情熱を傾けている。かなり熱心に古代ギリシャの歴史や神話をたどって,絵にして伝えようとしている。この絵本を読むであろう子どもたちにとっては,ちょっと負担が大きすぎるのではないかと思うほどに。
その勉強ぶりはハンパない感じ。ヨーロッパ人にとって古代ギリシャはそういうものなのかと思わされた。
● その分,只今現在のギリシャの街なみや市民の暮らしぶりについては,若干手薄になっている。ぼく一個は,歴史(遺跡)よりも現在のギリシャ(街なみや人々の様子)を彼の絵と文章で伝えて欲しかったと思っているけれど。
書名 ジス・イズ・ニューヨーク
著者 ミロスラフ・サセック
訳者 松浦弥太郎
発行所 ブルース・インターアクションズ
発行年月日 2004.08.01
価格(税別) 1,600円
● ぼくはアメリカにも行ったことがない。行きたいとは思うが,ぜひにともというほどではない。というのも,勝手な思いこみがあるからだ。アングロサクソンが住むところはメシが不味い,っていう。松浦弥太郎さんの一連のエッセイ集を読んで,修正しなければとは思っているんだけど。
● 絵本である。というからには,まずは子どもに向けて書いているのだろう。それゆえだからだろうか,サセックの視点は基本的に暖かい。いいところを見つけて,子どもたちに教えてやろうとしているように思われる。ニューヨーク市民の暮らしぶりにも目配りしている。
(ニューヨークの)ガイドブックのいくつかも見ているけれども,サセックのこの絵本の方が,ニューヨークに対するイメージがより多く喚起される。
ビルの屋上の貯水タンクのこととか,自由の女神のてっぺんにある展望台からの景観とか,狭い路地のこととか,ガイドブックには出てこない事柄がいくつもあって,それが,実際はこうであろうか,それともこんな感じだろうかと,想像を刺激してくれる。
● なんていうんでしょうね,行った気になってしまうっていいますかね,数十ページの絵本なのにね。
書名 ジス・イズ・ロンドン 改訂版
著者 ミロスラフ・サセック
訳者 松浦弥太郎
発行所 ブルース・インターアクションズ
発行年月日 2011.01.25
価格(税別) 1,800円
● サセックはチェコの絵本作家。普段は絵本を見ることはあまりないけれど,なぜこの本を手にとったかといえば,松浦さんがこの絵本を推奨していたから。
● たとえば『ぼくのいい本こういう本 2』で次のように書いている。
誰の言葉か忘れたけれど,「旅心は旅に出なければわからない」というが,この絵本はポンと手に取って見ているだけで,いつの間にやら自分がその国をフラッと訪れた旅人という無名の存在になってしまうから不思議である。(同書p27)
● 『続・日々の100』でも次のように。
『THIS IS・・・・・・』を探す旅は,僕にとって古書店をはじめるきっかけにもなった旅だった。知られていない五〇年代の絵本を紹介していくことは,古書店としての新しいスタイルだったからだ。(同書p188)
● で,まずはロンドンから。
どうやらぼくの擦りきれているらしい感性では,松浦さんのような受けとめ方はできなかった。が,ロンドンの空気の色が絵に塗りこめられているのはわかる(行ったことはないんだけど)。鈍色の空気。それでいて重苦しさはないんですね。
ロンドン市民の牛乳の買い方のような,普通のガイドブックではまずお目にかからない,サセックならではの視点から描かれた絵もある。
一度目は松浦さんが訳した日本語の文章を読みながら,二度目は絵だけを見ながら。