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2023年10月5日木曜日

2023.10.05 若宮正子 『88歳,しあわせデジタル生活』

書名 88歳,しあわせデジタル生活
著者 若宮正子
発行所 中央公論新社
発行年月日 2023.07.10
価格(税別) 1,350円

● 副題は「もっと仲良くなるヒント,教えます」。
 内容はさすがに著者の既刊本と重複している。本書で新たに説かれている部分はほぼない。しかし,出せば一定の購入層がいるということだろう。
 老人本は堅いということですかねぇ。老人には本を読む人が多いのかもしれないね。

● 以下にいくつか転載。
 失うものばかりと思っていた老いの日々に,新しい可能性,学ぶことの楽しさ,生き生きとした毎日を連れてきてくれます。そう,シニアとデジタルは,とっても相性が良いのです。(p5)
 彼らと自分の考えはもしかしたら合わないかもしれないけれど,相手を「理解しようとする」ことは,これからの社会ではとても大切な姿勢ですから,インターネットがその助けになってくれると思うのです。(p39)
 「先生の教えるとおりにしない生徒ほど上達が早い」というのもデジタルの面白いところ。(p123)
 スマートフォンには,利用するすべての人ができるだけ便利に扱えるように,視覚・聴覚にハンディキャップのある人や高齢者に向けての機能が備わってします。(p137)
 人生100年時代には,いつまでも学び続ける気持ちが人生を豊かにしてくれます。(中略)その時々に必要な学びを積み重ねていくことが大切でしょう。私が特におすすめしたいのが,理科系の学び。(中略)理系老人「リケロウ」を増やしていくことが,マーチャンのこれからの大事な使命だと考えているのです。(p178)

2020年8月25日火曜日

2020.08.25 若宮正子 『老いてこそデジタルを。』

書名 老いてこそデジタルを。
著者 若宮正子
発行所 1万年堂出版
発行年月日 2019.12.04
価格(税別) 1,100円

● 読者対象も内容も,タイトルから連想されるとおり。

● たぶん70歳以下の人は,会社でパソコンを使っていたろうし,インターネットにも抵抗はないのではないか。スマホも普通に使っている人が多いのではないかと思う。
 年齢層に関係なく,デジタルがあたりまえの世の中がすぐそこまで来ている。

● が,ネットもパソコンもスマホも,個人間の能力格差を怖ろしいまでに拡大する器械だな。凡百の者はこんなことをTweetすることに使っているけどね。
 しかし,能力格差というものには鈍感すぎるくらいでちょうどいいのだとも思う。下の方でも,別に死ぬわけじゃないからさ。

● 以下にいくつか転載。
 私たちが子どもの頃は「人に働いてもらうのにお金がかかる」という意識があまりありませんでした。「食べさせてやれば十分」という考えです。(中略)でも,今は違います。(中略)高齢者が「人手不足時代」という現状を理解することです。そのために,われわれシニアが,今,若い人たちのためにしてあげられることの一つが,「ITリテラシーを高めること」だと思うのです。粗大ごみの回収依頼も,図書館の本の予約も,ネットでやれば,それだけ「人手不足対策」に貢献できます。(p38)
 これからは,汎用性の高い,多くの人たちに使ってもらえるソフトやアプリではなく,現場を知っている人が,「自分の身近な人の役に立つ」「自分にとって使いやすいアプリ」を,自分で開発する時代になるでしょう。(p169)
 どんな単純なプログラミングでも,たとえ「六角形」が一つ描けただけだって,自分がやってほしかったとおりにプログラムが動いたときは感動します。(中略)高齢者は,失うものが多いです。髪の毛が抜ける,歯が抜ける,友達が亡くなるなど,いつも「喪失体験」ばかり味わわされます。「何かを作ること」は,あなたに獲得体験を与えてくれます。ぜひ,やってみてください。(p170)

2020年7月18日土曜日

2020.07.18 若宮正子 『独学のススメ』

書名 独学のススメ
著者 若宮正子
発行所 中公新書ラクレ
発行年月日 2019.05.10
価格(税別) 820円

● 独“学”のススメといっても,ここでいう学はかなり広範囲。勉強とか読書とか,そういったものよりだいぶ広い。“高齢者版 何でもやってみよう”だね。
 若宮さんは,昔の言葉でいえばEQがかなり高い人で,周囲に対して壁を造らない。まずこれがあってこそ,独“学”も成りたつ。

● 以下に転載。
 言葉がわからなくても,必死でなにかを訴えれば伝わるということ,交通手段がないからといって諦めずに,他の方法をよく探せば見つかるということを覚え,そしてなんといっても,この旅では度胸が身につきました。(中略)こんなふうに,新しいところに身一つで飛び込んでも,意外となんとかなるということを知ってほしい。(p33)
 「言葉が通じなくて気まずい思いをするくらいなら,朝食抜きでもいいか」なんて,諦めないで。(p62)
 海外に何度もいっていると,日本人は英語に対する独特のメンタリティーがあると感じます。なにしろ,そばに日本人がいるだけで,とたんに英語がしゃべれなくなってしまうのだから。眼の前の相手よりも,まわりの日本人がどう思うかが気になってしまうのですね。(p63)
 大阪のひとは外国のひとから見ると,他の地域の日本人よりも,比較的声が大きく,身振り手振りがはげしく,人なつこいと感じられるようです。この性質ってすごく英語を話すのに向いていますよね。(p65)
 無理矢理自分を追い込まなければやらないようなことは,そもそもあなたがやるべきことではないのかもしれません。(p68)
 どんな選手にも一律できつい基礎トレーニングを課すというのは,なにも考えていない証拠。(p69)
 無駄な努力を尊ぶのは,やめましょう。それは結局,「竹槍精神」を引きずっているのです。竹槍では近代兵器に勝てません。精神力だけで突破できるという考えは,危険だと思います。(p70)
 そんなに激しく変化していると,「先憂」しても「後楽」がくるかわかりません。(p107)
 会話はキャッチボールだから楽しいんです。ボールを受けてばかりではつまらない。(p135)
 教えられたり,教えたり。そういう関係があることは,人生のセーフティーネットになります。だからあんまり,差し伸べられた手を突っぱねないほうがいい。(p149)
 独居でも,にぎやかに暮らす。(p151)
 じつは,高齢者が介護をするのは,介護される側にとっても嬉しいこと。(p167)
 ネイティブのひとは,正しい文法だのスペルだのって,そんなに気にしていません。つまり,英語なんてその程度でいいんですよ。(中略)「英語なんてその程度でいい」と思うひとが増えれば,日本は大きく変わります。(茂木健一郎 p182)
 20代以降になると,100歳を超えようが,脳の働きはほぼ変わらない。逆に「歳だから」「シニアはシニアらしく」と枠にはめることで,そのひとの可能性を抑圧してしまう。(茂木 p193)
 人間の脳は,「今ここ」を楽しむことによって最も活性化されます。(茂木 p194)
 先日亡くなったスティーブン・ホーキング博士も,常に宇宙のことを考えて幸福に生きていた。ケンブリッジで何回かお見かけしたけれど,いつもご機嫌で電動車椅子をぶんぶん走らせていましたよ。(茂木 p195)
 AI(人工知能)が進化すると,事務的な作業は機械がやってくれるようになります。そうなった時,人間が担うのは,コミュニケーションや創造的なこと。つまり「遊び」に近くなってくるでしょう。好奇心や冒険心といった,「子ども心」を忘れないひとが社会で求められるようになる。(茂木 p196)
 アメリカの,特にシリコンバレーのカルチャーは,性別といった属性と関係なく,そのひと自身を評価する。つまり「らしさ」の壁が,イノベーションの「敵」になることをわかっているからでしょう。(茂木 p201)
 他人のためになにかしている時の脳活動は,自分が嬉しい時と同じなんです。逆に,人間の脳にとって最大の危機は「自分が必要な人間とは思えなくなる」こと。(茂木 p202)

2020年7月10日金曜日

2020.07.10 若宮正子 『明日のために,心にたくさん木を育てましょう』

書名 明日のために,心にたくさん木を育てましょう
著者 若宮正子
発行所 ぴあ
発行年月日 2017.12.10
価格(税別) 1,100円

● 著者は「ICTやデジタル機器にそっぽを向いているシニアが多いんです」(p133)と残念がっているのだが,これからシニアになる人たちは,仕事でパソコンやインターネットを使っている。スマホも使っている。いずれ,老いも若きもネット族になる。そういう前提で,今後の社会を考えないとね。著者のような柔軟性を維持した年寄りが増えるであろうことも。
 現在の延長線上に未来があるわけがない。10年後,20年後を想定できる人なんていないだろう。だから,どんな未来になるのか,楽しみとするに足る。

● 以下に転載。
 私は自分本位主義ですから,人の目を気にせず,頭の周りの網を外して,やりたいことを自由にやってきていますし,これからもずっと,この流儀でいきたいと思っています。(p16)
 少しでも前に進めば,それは挫折ではなくて成功。やればやっただけプラスになると思います。(中略)挫折なんていうものは,そもそもないと私は思うんです。(p20)
 自分の英語が通じるか通じないかと気にする前にしゃべってみて,それで通じれば「めっけもん」って思うんです。(p27)
 私はいま82歳ですけど,まだ前に進めるんだったら,進んでみたいと思っているんです。若い人に比べたら理解度は遅いし,進歩も遅いけれど,やらないよりはやったほうがいい。(p46)
 私は日常のいろんなことに関して,「これは,こういうものである」,「これは,こうやって使うものである」みたいな意識があまりないんです。(p49)
 「アイデアが出てこなくて悩んでいる」という人は,もっと周りをよく見て,観察して,ときには巻き込まれてみるといいんじゃないかしら。(p55)
 お料理教室やクックパッドのレシピ通りに作るのも良いけれど,自己流にアレンジしてみる。それこそが「人間にしかできない」クリエイティブなことなんです。(p58)
 私,「日々の生活のなかで,これだけは譲れない!」とかっていうことがないんです。(中りゃう)こだわりもとくにないし,1日の決まったスケジュールだってない。(p108)
 アメリカでは(中略)「アンチエイジング」なんて言葉が流行っていましたが,最近では「エンジョイエイジング」のほうにシフトしているようです。沈む夕日を追っかけたって,追いこせっこない。それだったら,沈む夕日を一緒に楽しんだらいいと思うんです。(p121)
 なにをしたらいいのかわからない人にオススメなのが,古典的なものや,伝統的なもの。なぜなら,それらは古くならないから。(p127)
 いま「私,輝いていないなあ」って思っている人がいたら,私は「人生は“風待ち”みたいなものだから,そんなに焦らないで」って言いたいです。(p153)

2020年7月9日木曜日

2020.07.09 若宮正子 『60歳を過ぎると,人生はどんどんおもしろくなります。』

書名 60歳を過ぎると,人生はどんどんおもしろくなります。
著者 若宮正子
発行所 新潮社
発行年月日 2017.11.25
価格(税別) 1,200円

● ひょっとすると,日本で最も有名な85歳のレディはこの人。が,年を取ってから凄くなったり賢くなったり溌剌となったわけではない(と思う)。若い頃からそうだったのだ。
 どんな老後になるかは,老いる前に決まっているのかも。が,仕事を辞めてステージが変わると,生活ぶりも変わる。諦めない方がいい。

● 以下に転載。
 人間だれでも歳を取ります。歳のせいで起きていることは,気にしたってしょうがない。検診結果に一喜一憂するよりも,ごきげんに楽しく過ごすのが何よりではないでしょうか。「自分がごきげんかどうか」。それが,私にとっての健康のバロメーターです。(p27)
 私は普段,無理して寝ないし,無理して起きることもありません。体の声に素直に生きています。(p29)
 若いときはいつまでもくよくよ悩むこともありました。でも今は,大体自分の都合の悪いことはすぐに忘れてしまいます。うまくいったことは自分のおかげで,うまくいかなかったことは自分以外のせい。(中略)長年生きてきて,そのくらいに思っていた方が気楽だと気づいたからです。(p38)
 若い頃に日本舞踊を習っていた時期があります。あまり上達はしませんでしたから,うちの母に言わせれば「ものにならないで無駄遣いした」となるわけですが,私は習ってよかったと感じています。(中略)そのおかげで,歌舞伎座に行っても,少なくとも清元と長唄と常磐津の区別がつく。それって,人生にとって絶対にプラスなんです。長い人生で見たら,元は十分に取れている。(p40)
 われながら,すべて「グーグル翻訳」頼りというのもいい度胸とは思うのですが,直すほどの知識がないから仕方がありません。(中略)完璧を求めずにダメ元でいい,と思っていれば,私のようにどうにかなるものです。(p45)
 でもあるとき,比較ってつまらないということに気がついたんです。だって,どんな人でも,どんなものでも,上には上が存在するんですから。(p51)
 そもそも独学のきっかけは,小学校で理科を学んでこなかったことが関係しているのかもしれません。(中略)解決するためには独学しかありませんから,自然と調べるクセがついていったのでしょう。(p56)
 今まで料理をやったこともない人が,包丁の研ぎ方や野菜の切り方などから学び初めてしまうと,続けるのが難しいのではないかと思います。(p65)
 今のような情報過多の時代においてこそ,まず手を動かすことが大切だと思います。(中略)森巧尚先生もこうおっしゃっていました。「とりあえずひとつ作ってしまってから,プログラミングの勉強をするのがいい」。何も作ったことがない人が最初からプログラミングの基礎をやってもおもしろくないということです。(p67)
 世間ではダイバーシティ(多様性)が大事だと言われていますが,フェイスブックから広がる世界はまだにダイバーシティそのものだと思います。(中略)喜びや悲しみすべてを共有しようとせずに,共感できないところは理解した上で,共感できる部分でお付き合いすればよいのではないでしょうか。(p82)
 人生がずっと順調に行くことはありません。それよりも,何回か転んで起き上がり方を覚えることが必要だと思います。(p112)
 最近思うんです。世の中,上手く回るときは回っちゃうものだと。(中略)流れを待ってみてもいいと思います。そうして流れが巡ってきたときには,えい!と身を任せるのもとっても大事。そして必ず,流れは人が持ってきてくれるもの。だからこそ,人とのご縁は大事にしていきたいと思っています。(p124)
 今は超高齢化社会です。「六十の手習い」なんて昔の話。これからは「八十の手習い」も珍しくなくなります。(p129)
 私もここぞという大事な場面では,赤を着るようにしています。(p129)
 私が,人様よりもあんまり悩まない性格なのだとしたら,それは,「長いものさし」を使っているから。「時間が解決するさ」と思うと,深く考え込むことはなくなりますよ。(p152)
 テレビやネットかrなお情報だけではなく,人間とどれだけ接したかが問われると思います。所詮,人間は人間の中でしか人間力を養うことができません。(p154)
 「ヤクザな女」というのは,友人が昔使っていた言葉で,とても気に入ってしまい,それから自分も使うようになりました。(p156)
 自分なりの解釈で行動することが,自立するということだと思うのです。(p162)
 自分の頭で考える未来なんて,所詮限界があります。想定外の世界に連れて行ってくれるのが,人とのご縁や,社会とのつながりだと実感しています。だからこそ,そのつながりを生み出す「今」という瞬間を大事にしたいと思います。(中略)今ワクワクすることをもっと大事にしたい。(p170)
 たとえ笑われたって,一緒に笑ってしまいえばいいだけですから!(p172)