2020年7月9日木曜日

2020.07.09 若宮正子 『60歳を過ぎると,人生はどんどんおもしろくなります。』

書名 60歳を過ぎると,人生はどんどんおもしろくなります。
著者 若宮正子
発行所 新潮社
発行年月日 2017.11.25
価格(税別) 1,200円

● ひょっとすると,日本で最も有名な85歳のレディはこの人。が,年を取ってから凄くなったり賢くなったり溌剌となったわけではない(と思う)。若い頃からそうだったのだ。
 どんな老後になるかは,老いる前に決まっているのかも。が,仕事を辞めてステージが変わると,生活ぶりも変わる。諦めない方がいい。

● 以下に転載。
 人間だれでも歳を取ります。歳のせいで起きていることは,気にしたってしょうがない。検診結果に一喜一憂するよりも,ごきげんに楽しく過ごすのが何よりではないでしょうか。「自分がごきげんかどうか」。それが,私にとっての健康のバロメーターです。(p27)
 私は普段,無理して寝ないし,無理して起きることもありません。体の声に素直に生きています。(p29)
 若いときはいつまでもくよくよ悩むこともありました。でも今は,大体自分の都合の悪いことはすぐに忘れてしまいます。うまくいったことは自分のおかげで,うまくいかなかったことは自分以外のせい。(中略)長年生きてきて,そのくらいに思っていた方が気楽だと気づいたからです。(p38)
 若い頃に日本舞踊を習っていた時期があります。あまり上達はしませんでしたから,うちの母に言わせれば「ものにならないで無駄遣いした」となるわけですが,私は習ってよかったと感じています。(中略)そのおかげで,歌舞伎座に行っても,少なくとも清元と長唄と常磐津の区別がつく。それって,人生にとって絶対にプラスなんです。長い人生で見たら,元は十分に取れている。(p40)
 われながら,すべて「グーグル翻訳」頼りというのもいい度胸とは思うのですが,直すほどの知識がないから仕方がありません。(中略)完璧を求めずにダメ元でいい,と思っていれば,私のようにどうにかなるものです。(p45)
 でもあるとき,比較ってつまらないということに気がついたんです。だって,どんな人でも,どんなものでも,上には上が存在するんですから。(p51)
 そもそも独学のきっかけは,小学校で理科を学んでこなかったことが関係しているのかもしれません。(中略)解決するためには独学しかありませんから,自然と調べるクセがついていったのでしょう。(p56)
 今まで料理をやったこともない人が,包丁の研ぎ方や野菜の切り方などから学び初めてしまうと,続けるのが難しいのではないかと思います。(p65)
 今のような情報過多の時代においてこそ,まず手を動かすことが大切だと思います。(中略)森巧尚先生もこうおっしゃっていました。「とりあえずひとつ作ってしまってから,プログラミングの勉強をするのがいい」。何も作ったことがない人が最初からプログラミングの基礎をやってもおもしろくないということです。(p67)
 世間ではダイバーシティ(多様性)が大事だと言われていますが,フェイスブックから広がる世界はまだにダイバーシティそのものだと思います。(中略)喜びや悲しみすべてを共有しようとせずに,共感できないところは理解した上で,共感できる部分でお付き合いすればよいのではないでしょうか。(p82)
 人生がずっと順調に行くことはありません。それよりも,何回か転んで起き上がり方を覚えることが必要だと思います。(p112)
 最近思うんです。世の中,上手く回るときは回っちゃうものだと。(中略)流れを待ってみてもいいと思います。そうして流れが巡ってきたときには,えい!と身を任せるのもとっても大事。そして必ず,流れは人が持ってきてくれるもの。だからこそ,人とのご縁は大事にしていきたいと思っています。(p124)
 今は超高齢化社会です。「六十の手習い」なんて昔の話。これからは「八十の手習い」も珍しくなくなります。(p129)
 私もここぞという大事な場面では,赤を着るようにしています。(p129)
 私が,人様よりもあんまり悩まない性格なのだとしたら,それは,「長いものさし」を使っているから。「時間が解決するさ」と思うと,深く考え込むことはなくなりますよ。(p152)
 テレビやネットかrなお情報だけではなく,人間とどれだけ接したかが問われると思います。所詮,人間は人間の中でしか人間力を養うことができません。(p154)
 「ヤクザな女」というのは,友人が昔使っていた言葉で,とても気に入ってしまい,それから自分も使うようになりました。(p156)
 自分なりの解釈で行動することが,自立するということだと思うのです。(p162)
 自分の頭で考える未来なんて,所詮限界があります。想定外の世界に連れて行ってくれるのが,人とのご縁や,社会とのつながりだと実感しています。だからこそ,そのつながりを生み出す「今」という瞬間を大事にしたいと思います。(中略)今ワクワクすることをもっと大事にしたい。(p170)
 たとえ笑われたって,一緒に笑ってしまいえばいいだけですから!(p172)

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