ラベル ミウラ 三浦雄一郎 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ミウラ 三浦雄一郎 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022年5月14日土曜日

2022.05.14 三浦雄一郎 『歩けば歩くほど人は若返る』

書名 歩けば歩くほど人は若返る
著者 三浦雄一郎
発行所 小学館
発行年月日 2012.11.14
価格(税別) 1,500円

● ここのところ,三浦雄一郎さんの本をいくつか読んでいる。内容はどれも似たようなものなので,1冊読んで,あとは書いてあることを実行すれば良さそうなものだが,実行はしないで,似たような本をまた読んだ。
 ひとつには,読んだだけで実行した後の自分になった気がするからだな。

● もちろん,実行していないんだから,ひどいメタボのままだし,このままだとメタボは進行するだけなのだけどね。
 アンクルウェイトを購入するところから始めないとね。着手が最も難しい。着手すれば半分は終わったようなものとわかっちゃいるんだけどねぇ。

● 以下に転載。
 そうか,とうとうやるのか。人類はその時代に解決不可能と思われることでも乗り越えてきた。この心を失ったらおしまいだ。(p13)
 大好きなアルコールを抜いて,美味しい食事も制限して,自分をストイックに追い詰めて,苦しいトレーニングに明け暮れて・・・・・・そのうえ死んでしまったら,こんなにつまらないことはない。僕の性分にも合わない。(p39)
 次は4つ目の信号まで速く歩こうという風に,見えるものを目標にすると,つい無理をすることがある。登山でも無理は禁物なので,時間を計った方がいいのだ。(p42)
 僕は新しいものは何でも試したくなる性質だ。ゴルフクラブなども,新しいドライバーが出るたびにほしくなり,ついつい買ってしまう。(中略)山の安全とゴルフの腕前は,お金で買える限りは買った方がいいのだ。その方が長続きするし,体にも優しい。(p57)
 僕は電車に乗るのも好きだ。電車の中では,何にもつかまらずにただ立っているだけでもバランスをとる練習になる。(p59)
 片足2kgの重り入りの登山靴を履き,片足にアンクルウエイト6kgをつけ,重さ30kgのリュックを担いで,東京でも,札幌でも,1時間以上歩けるようになればエベレストに登れると思っていたが,3年経つと,その状態になっていた。(p60)
 腹筋背筋は苦手なのでほとんどやらなかったし,筋トレらしきものもしなかった。強要されるのが嫌いなので,トレーナーもつけなかった。ただ,足首にアンクルウエイトを巻き,重りが入ったバッグを担いで楽しみながら歩いただけだ。(p62)
 負荷が自分の体重だけだと,一定のラインで効果の伸びが止まってしまうのだ。それ以上の効果を望むなら,自重以上の負荷をかけることが必要になってくる。(中略)しかも,負荷を与えて歩けば歩くほど血の巡りもよくなるので,血管が柔らかくなり,動脈硬化や脳梗塞などのリスクもへる。(p68)
 ヘビー・ウォーキングを行う際に気をつけているのが,ゆっくり歩くことと,呼吸法だ。(中略)速く歩いて息を切らすと,ストーブにすすがたまるのと同じで,体内で不完全燃焼を起こしてしまう。(p75)
 呼吸を整えるコツは,歩調に合わせて息を吸うのではなく,まず下腹の筋肉に力を入れて絞り出すように口から強く吐き出すことだ。(p78)
 登山事故の約8割は下りで起こっている。(中略)上りの負荷が体重プラス荷物なのに対して,下りは,たとえば30cmの段差をそのまま踏み込めば,負荷は重さの5倍くらいかかる。(p85)
 下りでは,上りに使う遅筋線維ではなく,瞬発力に優れた速筋線維を使う。この速筋線維は,100m競争などのような短時間に強い力を発揮する筋肉だ。(中略)年を取ると一番に弱るのが,この速筋線維でもある。僕も年とともに,下りが苦手になった。(p86)
 筋肉が回復する段階で大量の成長ホルモンが分泌される。このホルモンは,血管の強化や,肌の張りもよくすることなどにも関係し,世界中から若返りホルモンとして注目されている。つまり,速筋線維を使えば使うほど若返りの効果も高いのだ。(p88)
 食事をしないで上ると体の中に残っている糖分がどんどん消費されて糖が足りなくなる。だから脂肪も燃えなくなる(p112)
 世界で長寿の人が多く住んでいる村や町は,標高1500~2000mの場所に多い。酸素が少ないということと不老とは密接な関係があるに違いない(p120)
 決して弾みをつけてストレッチを行なってはいけない。(p128)
 舌だし運動は,父が自分で編み出した運動だ。やり方は口を大きく開いて,舌を前に出すだけ。アインシュタインの,舌を出したあの有名な写真にそっくりだ。(中略)まず肛門を締め,腹をへこませながら,大きく息を吐く要領で舌を伸ばすのだ。苦しくなったらやめればいいが,かなり腹筋を使う。(中略)普段使わない舌の筋肉を使うことによるインナーマッスル強化の効果に加え,顎,口周り,喉などの大きな筋肉も使うという,二重三重のトレーニング効果がある。(p167)
 口を閉じて片方の鼻をふさぎ,一方の鼻だけで息を大きく吸って吐くというものだ。これだけのことだが,鼻の吸引力を強化するとともに,鼻の通りもよくなるし,呼吸する筋肉も鍛えられる。(p169)
 実は高尾山に上るのはこのときが初めて。熊野古道にも似た味わいのある道なのには,正直驚いた。(p175)
 立ったり座ったり,家事や買い物,通勤など日常生活の活動をニート活動と呼ぶ。この運動は,一日の消費カロリーの約40%を占める。つまり,自宅でもアンクルウエイトをつけるだけで活動量を増やせるのだ。(p182)
 父・敬三は,99歳までヨーロッパの山に上り,スキーをやっていました。ですから,年齢を超越して可能性を試したいという気持ちは,私も同じです。それには日々の積み重ねが大切ですから,日常では,最高片足2kgの靴に片足5kgのアンクルウエイトをつけて,背中のリュックに30kg背負っています。(p207)
 足首から下にはなんと(人体の)4分の1以上の骨があるわけです。裸足で歩くことによって,これらの骨や関節も制約されることなく自由に動くので変形もせず,鍛えられて強くなるのです。(p209)
 エベレスト滑降で転んだり,南極で雪崩に巻き込まれたり,クレバスに落ちたり,いつ死んでもおかしくない危機に遭遇したことは幾度もある。でも,命が惜しければエベレストなんかいかなければいい。しかし,死を前提とした覚悟を決めると,反対にどうすれば生きて帰ってこられるのかを必死に追求する。(p214)

2022年4月22日金曜日

2022.04.22 三浦雄一郎 『歩き続ける力』

書名 歩き続ける力
著者 三浦雄一郎
発行所 双葉社
発行年月日 2019.04.14
価格(税別) 1,000円

● 高齢者への絶賛応援歌。現在の日本は高齢者ばかりになっているのだから,高齢者をヨイショするものは売れる。本書にもそういう側面はある(と思う)。
 が,著者は盛りもせず妙な謙遜もせずに,自身の体験を語っているのでもある。

● どの分野でも一流の足跡を残す人には,いくつかの特長があるように思う。まず感情家だということ。喜怒哀楽の振り幅が大きい。涙もろく,感激屋である。斜に構えた冷静クン(ぼくはこのタイプ)はお呼びじゃない。
 次に,楽天家であること。慎重であることが知的だという思い込みに毒されていない。したがって,基本的には陽性の人だ。著者もそういうタイプの人なのだろう。

● 以下に転載。
 私の父・三浦敬三は,99歳のときにフランスのモンブランでスキー滑走を楽しみ,101歳まで生きた。首の骨を折ったことで命を縮めてしまったが,それがなければ110歳まで生きたのではないかと思う。(p15)
 今は75歳で後期高齢者扱いだが,75歳なら100歳まで25年もある。時間はたっぷりだ。仮に100歳まで生きられるのなら,100年間ギリギリいっぱい楽しく暮らしたい。(中略)そのための行動の源となるのが,“歩く” ことだ。(p15)
 人間は何歳になっても前に進んでいくべきだと私は考える。86歳でのアコンカグア登頂は叶わなかったが,次の目標に向かってまだまだ前進していくつもりである。「人生に,“もう遅い” はない」(中略)何歳だろうと,今からできること,これから始められることは何かある。(p17)
 70歳を過ぎて,世界の高峰に何度も挑んでいる私を,ストイックで自分に厳しい生活をおくっている,立派な人物だと買いかぶっている人がいるのだ。(中略)しかし,それはとんでもない誤解だ。三浦雄一郎は,どちらかというとズボラでナマケモノである。面倒なことは嫌いだし,我慢するのも,節制も苦手だ。(中略)トレーニングにしても,今日は寒いから,雨が降っているからと,サボってしまうことがよくある。(p24)
 血圧,血糖値,尿酸値,コレステロール値などの数値を下げることだけを目標にして,節制して運動するだけでは,なかなか続かないものだ。(中略)食事制限や継続した運動を続けていくには,何かその先の目標を設定するのがいい。そうすることで張り合いが生まれる。(p32)
 歩けること,言い方を変えれば自分の意思で自由に移動できることは,高齢者にとって,充実した老後を過ごすための強力な武器となる。(p50)
 早寝はともかく,早起きは高齢者にとっていいことばかりではない。(中略)65歳でトレーニングを再開してからは,早朝の運動を避けるようになった。(中略)運動は,太陽が昇り,自分の体温が温まり,起床時に一気に上がった血圧が安定した午後からでいいのだ。(p56)
 私が特に重視しているのが,科学的なものを取り入れる姿勢だ。(中略)そのひとつに,サプリメントがある。(p64)
 先生は,男性ホルモン「テストステロン」を注射することを提案した。(中略)私は提案を受け入れた。(p72)
 誰も自分が何歳まで生きられるかがわからない。だから私は,死ぬことよりも,生きることを考えたいと思っている。“就活” の類は一切していない。(p78)
 私は80歳でエベレストに挑む以前,骨盤を骨折して入院したことがあった。その時は,ベッドの上で身動きが取れず,身体をグルリと回転させることができなかったのだ。そんな状況では,「寝返りを打つ」というなんでもないことが,目の前の目標になった。それができたときは,なんとも言えぬ達成感に包まれた。(p81)
 まずはアンクルウェイトを入手したい。これは,ちょっとしたスポーツ店ならどこでも売っている。通販で買うこともできる。片足に1kgずつから始めよう。それからリュックサックだ。(中略)そこに5kgぐらいの重りを入れるのだ。(中略)1日1時間ぐらいが理想だが,まずは10分でも15分でも歩いてみることから初めてみよう。(p85)
 ヘビーウォーキングには,ちょっとしたご褒美がある。スキーをやっている人なら,たっぷり滑って,スキーブーツを脱いだときのなんともいえない足の開放感をご存知だろう。頑張って歩いてアンクルウェイトを外したときは,それに近い,まるで空を飛べるのではないかと勘違いするほと,足が軽くす~っとする。これがなかなか気持ちがいい。(p86)
 ヘビーウォーキングは平地限定のトレーニングだと考えて欲しい。山でやるのは危険だ。(p96)
 そもそも毎日やらなくたっていいと私は思う。オーバーワークになっていつまでも疲れが取れないなら,頻度を落とせばいい。無理をして,くたびれ果てて,「もううんざりだ」と止めてしまうくらいなら,時々サボるぐらいのほうがいい。(p97)
 三日坊主でもいいではないか。やらないよりはマシだ。ゼロと3では大違い。三日坊主も10回やれば,合計で1ヶ月やったことになる。(中略)まずは,始めることだ。(p108)
 アンチエイジングの権威である白澤先生によると,胃袋が満たされていない状態の人間を含む生き物は,種の保存のために生殖能力を維持し,若さを保とうとするのだそうだ。つまり,満足感,満腹感がない方が若さを維持できるということだ。だから,高齢者は腹八分目ではなく,七分目でいいという。その発言は「なるほど」と思えることばかりだ。だが,私はどうしても,先生の言うことを守ることができない。(p111)
 食に関して,私がもっとも重要だと思うのは,空腹になることだ。(p113)
 メタボで余命宣告を受けたのも,人生においてはかなりの失敗だし,雪崩に巻き込まれたこともあれば,心臓手術後のオーバーワークで再手術を受けたこともあった。これまで,生きながらえていることができた最大の理由は,「運が良かった」,これに尽きる。たまたまである。(中略)ただ,命を失うtこがなかった理由を一つ絞り出すとすれば,大きな目標のために事前になんども予行演習を重ね,小さな失敗を繰り返すことで,本番で失敗して命を失わないようにしている--ということだろう。(p124)
 ずっと調子が悪かったのに,なぜここまで復活したのか? 好きなこと,面白いと思えることをやったから。それ以外に考えられなかった。(p148)
 私も死を恐れるのではなく,次は何に生まれ変わるかを楽しみにしている。蟻になるかもしれないし,牛になるかもしれない。蟻には蟻の喜びや幸せがあるだろう。ともかく,そのぐらい常に前向きな気持ちでいたい。(p176)

2022.04.22 三浦雄一郎・三浦豪太 『「年寄り半日仕事」のすすめ』

書名 「年寄り半日仕事」のすすめ
著者 三浦雄一郎
   三浦豪太
発行所 廣済堂出版
発行年月日 2014.01.15
価格(税別) 1,400円

● 副題は「目標を持てば80歳でも夢は叶う!」。
 著者は怪物であって,普通人がロールモデルに選んでしまっていいのかどうか,大いに疑問ではある。若い頃から冒険家で鳴らして,80歳でエベレストに登ってしまうような人なのだから。

● しかし,怪物の話を聞いて,しばし爽快感を味わうのは決して悪いことではないだろう。著者と同じようにはできなくても,自分にも取り入れられるものがあるかもしれないと考える自由はある。

● 以下に転載。
 年を取れば,若いころのように体が動かなくなるのは当然のことです。若い者に負けてたまるかと無理をしたところで,それは所詮,年寄りの冷水でしかありません。年寄りは年寄りなりに,自分のペースで進めばいいのです。たとえ他人の倍の日数を費やしたとしても(中略)積み重なれば大きな成長です。(p16)
 これまで毎日続けてきたトレーニングも,する必要がなくなればやるわけもなく,気がつけば立派なメタボ体型になっていました。(p27)
 人は目標を失うと,衰える一方です。あれだけのトレーニングを積んでつくった肉体が,たった数年で生活習慣病の塊と化してしまうのですから。(p28)
 トレーニングを始めたばかりのころは,標高531mの札幌の藻岩山にも登れないような始末でした。かつては世界7大陸の最高峰を制覇した男が,小学生が遠足で登るような山でダウンするとは情けない・・・・・・。その日,私は誰にも気づかれないように帽子を深々と被って下山したのを覚えています。(p30)
 80歳でエベレストに登れたのだから,90歳でもまだ可能性が残されている。目標の達成は自分への自信につながり,さらなる挑戦への意欲を沸き立たせてくれました。生きがいは,人に想像以上のパワーを与えます。(p31)
 目標は具体的なほど,日々の取り組み方が変わってきます。(p32)
 作戦を立てるときは,まず自分の限界を知り,自分のペースを考えること。自分のペースで取りくむことの何が素晴らしいかといえば,楽しみながら目標達成を目指せることです。(p33)
 どんな状況下でも積極的におもしろがることも目標の達成を大いに後押ししてくれます。(中略)76歳のときにスキーで大腿骨を骨折し,絶望の淵に沈んだときも,最初は咳をするだけで大腿骨に針が1000本刺さったようなすさまじい痛みを覚え,このまま歩けなくなるかもしれないと病院のベッドの上で不安な日々を過ごしていましたが,日を追うごとに少しずつ痛みが治まり,気づいたらこんな天国のような場所はないとうれしくなっている自分がいました。エベレストでは寝ることすら大変なのに,ここでは毎日温かい毛布にくるまれて,エアコンもきいている。しかもナースコールを押せば,お姉さんたちが飛んできて至れり尽くせり,まるで王侯貴族のような手厚い介護をしてくれる,と。(p34)
 私はトレーニングジムには通っていません。どうも強制されるのが嫌いなのです。好きなときに,何かのついでに,気ままにトレーニングできる方がいい。(p37)
 高齢になってくると適度に運動をしていても体力は衰えていきます。(中略)実年齢よりも若く生きるためには,“守りの健康法” だけではちょっと物足りません。(p38)
 高血圧,高血糖の診断が下ってからというもの,私が毎朝食べ続けているのが,丼に納豆と生卵,すりおろした山芋を入れ,その上にたっぷりとバルサミコ酢をかけたスタミナ丼です。(p43)
 一般に登山家という生き物は,「あの山を1日で登った」とか「倍のスピードで登った」などと自慢したがるもので,「速さ」に価値を置くきらいがあります。(p54)
 ここで強調したいのは,「骨の貯金」も「筋肉の貯金」も,鍛えることで増やすことができ,いつから始めても手遅れではないということです。「貯金」と一緒で,早いに越したことはないけれど,遅くから始めても,ある程度のレベルまで貯めることは十分に可能なのです。(p79)
 大怪我をしたとき,僕ら家族は全員「これでエベレストは無理だろう」と思いました。(中略)ところが,父には,あきらめる気配がまったく見えませんでした。病院にダンベルを持ち込み,動かせる上半身だけでも鍛えようと懸命に腕を動かしているのです。できない理由より,できる理由を捜す。そして,できるようにするには,どうしたらいいかを考える。それが父の基本姿勢でしたが,最大の危機に直面しても,その信念が揺らぐことは微塵もありませんでした。(p80)
 骨盤がぱっくり割れたため腹筋はなくなり,大腿骨の付け根をやられたので,足を持ち上げる運動も難しい。(中略)そこで父が取り入れた新たなトレーニング方法,それが自転車でした。(中略)父がテーマとしていたのは,スピードではなく,長い時間乗ることでした。(p80)
 自転車のサドルは先端が鼻のように尖っています。そのためノーズサドルと呼ばれるのですが,これが前立腺を圧迫するのです。(中略)僕は,早速ノーズレスサドルを仕入れて父の自転車に取り付けました。(p82)

2013年8月29日木曜日

2013.08.28 三浦雄一郎 『高く遠い夢ふたたび』

書名 高く遠い夢ふたたび
著者 三浦雄一郎
発行所 双葉社
発行年月日 2013.07.24
価格(税別) 1,500円

● 三浦さんはノートとペンを持って登頂し,毎日記録をつけていた。この環境では紙とペンに限りますね。電気がないんだからね。あったって,同じことだ。少しでも荷物は減らしたいだろうし。
 その記録が元になっているのだと思う。淡々とさりげなく日々を記録していたようで,本書を読む限りでは,さほどのことをやったのだとは思えない。そのあたりがダンディズムなのかなぁ。

● 80歳でのエベレスト登頂。しかも,骨盤骨折と不整脈の手術を受けての。
 いうまでもなく快挙に違いないんだけど,それを聞いてぼくら野次馬が興奮するほど,当事者は舞いあがっていない。冷静だ。あたりまえだけど。

● 読んでて感じたのは,登山家よりシェルパの方が大変なんじゃないかってことなんですけど。能力もシェルパの方が優れているのでは? 登山家はシェルパの足手まといになっているんじゃない?
 三浦隊が達成した栄誉の大半は,シェルパたちに与えられて然るべきではないのかと思った。

● ルートをはじめ,万般を決定するのは登山家で,シェルパはそれにしたがうだけ。実際の登攀よりも,そうした諸々の決定や手配の方が重要だってことなんだろうか。
 初歩的な疑問で申しわけないんだけど。

2013年7月30日火曜日

2013.07.28 三浦雄一郎・三浦豪太 『冒険の遺伝子は天頂へ』

書名 冒険の遺伝子は天頂へ
著者 三浦雄一郎
    三浦豪太
発行所 祥伝社
発行年月日 2013.05.05
価格(税別) 1,300円

● 80歳でのエベレスト登頂を成功させた三浦雄一郎さんが,日本を発つ前に書いたもの(書いたのは息子の豪太さんだろうけど)。
 売れているでしょうね,この本。

● 怪物ですよねぇ。エベレストに登ることじたい,並の人間じゃできないのに,80歳でやってのけるんですからねぇ。こういう怪物を基準にしちゃいけないんだろうねぇ。

● いくつか転載。
 今まで遺伝子は生まれ持ったものであり,生涯変わらないと言われていた。しかし,遺伝子は変化するというのが現在の定説である。つまり,その人の生き方次第で遺伝子を変えることができるのだ。(p57)
 不整脈が発覚した翌年に行なったシシャパンマ登山中のこと。いつもより呼吸が荒く,登るペースの遅い父を見て,様子がおかしいことに気付いた僕は「大丈夫か? そろそろ引き返そう」と声をかけた。 すると父からこんな答えが返ってきた。「大丈夫だ,豪太。絶好調な不整脈だ」(p75)
 76歳で父がスキー場で転倒し大腿骨と骨盤を骨折した時,さぞ落ち込んでいるだろうと入院している父のもとへ見舞いに行った。扉を開けると若い看護師さんに囲まれ,デレデレと笑う父の姿があった。僕の心配は取り越し苦労だったわけだ。 「豪太,ここは最高だ。雪山みたいに寒くないし,かわいい看護師さんが体を拭いてくれる。ここはススキノみたいだ」(p81)