ラベル パム・ブラウン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル パム・ブラウン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年11月29日土曜日

2014.11.28 パム・ブラウン 『ショパン』

書名 ショパン
著者 パム・ブラウン
訳者 秋山いつき
発行所 偕成社
発行年月日 1998.04.01
価格(税別) 2,000円

● 「ショパンの曲『ポロネーズ(第十一番)ト短調』がはじめて出版されたのはまだ七歳のときだった」(p18)。
 天才はかくのごとし。モーツァルトだけじゃない。

● かといって。
 3歳や4歳でピアノを相当なレベルで弾きこなしたり,就学前に微積分の問題をスラスラ解いたりする少年が,ときどき現れる。テレビが取りあげて,話題になったりする。すげえなー,天才現るだな,と思うんだけど,こういう子が大成したという話はあまり聞かない。
 早熟ならばいいというわけでもないようだ。

● この偕成社の子ども向けの「伝記 世界の作曲家」シリーズ。ぼくにはとても手頃な読みものだ。作曲家たちの生涯や転機となったできごとがおお掴みにわかるのでありがたい。
 作品解説としても読めるのではないかと思う。

2014年11月21日金曜日

2014.11.19 パム・ブラウン 『ベートーベン』

書名 ベートーベン
著者 パム・ブラウン
訳者 橘高弓枝
発行所 偕成社
発行年月日 1998.04.01
価格(税別) 2,000円

● ベートーヴェンがモーツァルトやバッハと大きく違ったのは,彼の葬儀だ。「葬式には2万人もの人びとが集まり、死者をいたんだ。人の列が教会までのわずかな距離をすすむのに,1時間半もかかったといわれる。ウィーンはじまっていらいの大がかりな葬式となった」というのだから,モーツァルトとは対照的だ。
 時代のわずかな違いが理由かもしれない。あるいは,彼の奇行奇癖が天才のそれと認められ,愛されていたのかもしれない。

● こんな男に身近にいられたらとてももたないと思うんだけど,それでも彼は生前から協力者が切れなかった。たくまざる愛嬌があったのは間違いないんだと思う。
 実力を認められていたというだけでは説明がつかない,ベートーヴェンの不思議さだ。

● モーツァルトとの共通点は引っ越し魔だったこと。ただし,半分は家主から追いだされての引っ越しだったらしい。
 水を使えば床中水浸しにする。その水が階下にまで落ちていく。これじゃ追いだされるな。
 整理整頓がまったくできなかった。今の言葉でいえば,アスペルガー症候群を抱えていたのではないかと思えるほど。

● ふたつほど転載。
 わずか十四歳で,ルートビヒの子ども時代は確実に終わりを告げた。家族をささえるという重圧が,彼の今後の人生にずっしりとのしかかってきた。(p37)
 テレーゼはこう書いている。 「指は曲げたまま鍵盤においておくこと--この指使いを,ベートーベンからくどいくらい教わりました。ほかの教師には,指をあげてまっすぐのばしておくように,と教えられていたのですが。」 ベートーベンが生徒たちに伝授したこの技法は,ピアノ演奏に,それまでは思いもよらなかったほどの,幅広さと奥深さをあたえることになった。(p82)

2014年11月14日金曜日

2014.11.14 パム・ブラウン 『ビバルディ』

書名 ビバルディ
著者 パム・ブラウン
訳者 橘高弓枝
発行所 偕成社
発行年月日 1998.04.01
価格(税別) 2,000円

● 偕成社の「伝記 世界の作曲家」シリーズの1巻目。「バロック音楽を代表するイタリアの作曲家」が副題。そのとおりの副題だ。
 児童向けの書籍だ。そういうものは子どもが読めばいいと考える輩は(もしいれば),片っ端から豚に喰われよ。

● これを読みこなせる子どもはたいしたものだ。挿絵や写真も大人が充分に楽しめるものだ。
 代表作「四季」の解説が115ページから118に掲載されている。そういうことだったのかと初めて知った。この部分を読めただけで,本書に費やした時間は報われたというものだ。

● マイケル・タルボットの著作から引用しているところを,以下に転載。
 ビバルディの音楽から感じられるはげしい情熱の奥には,規律づくめの仕事につくことを,幼いころから運命づけられていた男の不満がこもっている。そう判断するのは奇抜すぎるだろうか? 彼の音楽の,ゆるやかなテンポの楽章の中には,表面上は満足しているようでも,実際には悩みや不安をかかえていた男の胸の内が見えかくれしていると考えるのも,とっぴすぎるだろうか?(p71)
● ただ,付き合いたいと思わせる男じゃない。成りあがりたい欲望も相当なものだったらしい。
 そりゃそうだ。後世に残る作品を生みした人間が,付き合いやすい善人だったはずがない。