ラベル ダミアン・トンプソン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ダミアン・トンプソン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016年5月17日火曜日

2016.05.17 田村 浩 『頭脳で走るロングライドの実践術』

書名 頭脳で走るロングライドの実践術
著者 田村 浩
発行所 誠文堂新光社
発行年月日 2015.04.13
価格(税別) 1,500円

● ぼくは自転車乗りとしてはまったくのヘタレだけれども,いつかはブルベに挑戦したいと思っている。実際にするかどうかはわからないけれども,思うだけは思っている。
 その際に,最も参考になるというか,役に立つノウハウを与えてくれるのが,田村さんの著作群だ。

● 何が一番ありがたいかというと,ブルベを完走するには体力なんかどうでもよくて,大事なのはクレバーさなんだよ,と言ってくれるところ。
 でもって,そのクレバーの中身を説いてくれるところだ。

● それを転載すると,次のようなことになる。
 「速さ」を追求すると,必然的にサイクリングは競技となり,勝ち負けのあるレースとなる。(中略)一方で,「距離」は誰もが追求できる目標であり,走る目的だ。競う相手がいるとすれば,それは過去の自分だけ。(p11)
 自分が気に入って,一日中でも乗っていたいと思える自転車があってはじめて,ロングライドの世界の扉が開ける。まずは自転車ありきだ。(p19)
 シティサイクルなどを例外にすれば,自転車による差(発揮できる平均時速や所要時間)は,わずか5%程度だという説がある。たかが5%と思うか,されど5%と思うか・・・・・・。(p27)
 サイクリングの場合,おもな目的は走ることそのものだから,目的地よりも走る道そのものが重要になる。(p68)
 走った距離を人に伝えると,「うわ~すごい体力あるんですね」と言われることもある。いつも面映ゆくて,本当にただのオヤジなんですよと,お詫びしたくなる。体育はずっと「2」だったし,不摂生だし喫煙者だし(中略)。体力はあるに越したことはないと思うけれど,その乏しさを補う方法を考えるのも,意外と楽しい。(p79)
 平均時速と巡航速度の間には,10㎞くらいの開きが生じるのが当たり前だ。この課題は,多少の脚力の向上や,ましてや根性では解決できない。(p107)
 時速35㎞以上を発揮すると,出力の大半は空気抵抗で消えてしまう。そのため,最高速度を上げるのは特に困難で,遅く走っている時間を短くしたほうが効率がよい。一番効果的なのは,止まっている時間を減らすことだ。(p109)
 完走するために,身体的なトレーニングが必要ないこともブルベの魅力だ。週末に一度走るくらいのレベルでも,自転車に乗り馴れてさえいれば,十分に完走が狙える。体力よりもプランニングと装備が結果を左右するのは,ロングライド全般に共通する特徴だろう。(p136)
 レインウェアは,ジャケット,パンツ,グローブ,シューズカバーそれぞれが必要。ひとつでも欠けると,効果が半減する。(p144)

2014年9月14日日曜日

2014.09.14 ダミアン・トンプソン(田中敦子訳) 『素敵な蔵書と本棚』

書名 素敵な蔵書と本棚
著者 ダミアン・トンプソン
訳者 田中敦子
発行所 ガイアブックス
発行年月日 2012.08.20
価格(税別) 2,900円

● 書斎に憧れた時期がやはりありまして。正確にいうと,書斎でひとりの時間を過ごしているオレ,っていうイメージに憧れたんですけどね。
 重厚な机と椅子。机の上には電気スタンドとノートパソコン。この場合,パソコンはAppleかIBMに限ると思ってましたよ。まだ,IBMがパソコン生産から撤退してなかった時分ですね。
 んでもって,本棚が周囲を囲んで,ピシッと掃除が行き届いている書斎。

● でもね,部屋は持ち主に従うしかないわけで,ぼくの部屋はゴミがうっすらと積もる物置みたいになったんでした。
 そのうち,その部屋にいる時間は極端に少なくなってね。ま,お決まりのコースですか。

● 本書は,本と本棚を使って,インテリアをいかにデザインするか,どうディスプレイするかっていう内容。実際に書斎で仕事をしたり読書をしようと思っている人が読んでも,あまり参考にならない。
 中には,読むためではなく,人に見せるために,本の購入も本棚のレイアウトも,一切合切をその道の専門家に任せるお金持ちもいるらしい。そういう人が読むと勉強になりそうだ。

● メインは,文章ではなく写真。ため息をつきたくなるような写真ばかり。
 ただし,日本の普通の家屋ではちょっと気後れするというか,真似しちゃいけないよなと思わせるものばかりでもある。

● 著者はイギリスの人らしい。英国人らしいウィットっていう言われ方があった(今でもあるのか)。本書にも,斜に構えたような皮肉っぽい表現が頻出する。
 ウィットというより,少々,目障りな印象の方が強い。

● その中から気の利いた表現をいくつか転載。
 知るべきことはあまりにも多く,人生は短い。(p59)
 一般に初版本の価値の6割はカバーが占める(p60)
 最後にファディマンはこう結ぶ。就寝時の読書に最適なのは「明日の存在を忘れさせてくれる」書物であると。(p103)
 本を買う余裕があるのに,本がまわりにない環境で子どもたちを育てる権利は誰にもない(ホーレス・マン p135)
 書物がわれわれの人生に深い影響を及ぼすとすれば,それはおそらく子ども時代だけであろう(グレアム・グリーン p143)
 15世紀の活版印刷術の発明をはじめ,新たなテクノロジーはいつの世も道徳的パニックによって迎えられたことを歴史は示している。(p143)