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2021年11月15日月曜日

2021.11,15 カベルナリア吉田 『おとなの「ひとり休日」行動計画』

書名 おとなの「ひとり休日」行動計画
著者 カベルナリア吉田
発行所 WAVE出版
発行年月日 2018.11.15
価格(税別) 1,500円

● この著者のものはこれまでに4冊読んでいる。『日本の島で驚いた』『沖縄自転車!』『絶海の孤島』『旅する駅前,それも東京で!?』の4冊だ。
 それぞれに面白かった記憶がある。ので,本書も楽しみにして読み始めたのだが,何だこれは,と思った。“まえがき” からしてすでにつまらない。この本は読んでもつまらないから読むな,と語っている。

● それでも読み始めてみた。読み進めていくのにかなりの忍耐を強いられた。後半というか終わり3分の1は斜め読みにした。
 何なんだ,これは。やっつけ仕事にしてもやっつけの度が過ぎていないか。口に糊するためとはいっても,いいのか,こういうものを自分の著書として出しても。

● 以下に転載。
 戦前の東武鉄道は,山手線の外側を東武線の大きな輪で囲む構想があったそうだ。(中略)プツンと途切れる終着駅や盲腸駅は,そうした「果たされなかった先人の想い」を秘めていることが多いのだ。(p38)
 これはいい。こういうティプス的な豆知識を知るのも読書の楽しみのひとつだ。
 おとなの「ひとり休日」に廃線跡を歩くなら,(中略)敷設から廃線までその背景にあった社会事情にも思いを馳せたい。(中略)廃線が決まった背景に,大企業の都合や国策など「時代の事情」を背負っていた路線も多い。代表的な例が,北海道に数多く通っていた炭鉱鉄道。国のエネルギー政策転換により炭鉱閉山が相次ぐと,路線も次々に廃止された。その廃線跡を歩くと,国策に人生を左右された,炭鉱夫たちの顔さえも浮かんでくる。(p46)
 君は政治的にはリベラルなのかね。それは別にいいのだが,これは微積分まで知っている読者に掛け算九九しか知らない著者が,上から講義をしている図にならないか。こういう安直な情緒をどうして持ち込んでしまうのか。
 類まれなる才覚で築き上げた財と邸宅が,結局はお役所の管轄下に入ってしまったことも腑に落ちない。(p80)
 腑に落ちなかろうが何だろうが,もし国や都が税金で維持管理することにしていなければ,今頃は完全に朽ちてしまっていたろうよ。相続人がアホだったか運がなかったんだから,仕方があるまい。
 平和は当たり前に,そこにあるものではない。(中略)平和は努力なしには,いつまでも続かない。わずか半日だが戦跡めぐりを終えて,心の底からそう思った。(p123)
 小学生の作文か。こういう文章を読むために金を払わされるのか。いい加減にせんか。

2015年8月31日月曜日

2015.08.30 カベルナリア吉田 『旅する駅前,それも東京で!?』

書名 旅する駅前,それも東京で!?
著者 カベルナリア吉田
発行所 彩流社
発行年月日 2010.12.08
価格(税別) 1,800円

● こういう形もあったか。やって見せられるとなるほどと思う。
 著者の作品を読むのはこれが4冊目。で,今回が一番面白かったような。

● この「旅」を始めた動機について,次のように語ってる。
 僕は今まで,沖縄や島めぐりの旅を重ねて紀行文を書いてきた。その文中で何度か無意識に「東京にはない旅情を感じた」「東京ではありえない素朴な風景」といった表現をしていた。 「そう言えるほど,東京のことをしっているの?」 ある人にそう言われ,ハッとした。(p1)
 で,終えたあとの感想は次のとおり。
 「旅になりえるのか?」と思いつつ始まった駅前散策は,予想以上の底力を発揮して,「東京でも旅はできる」ことを僕にまざまざと教えてくれたのである。 とはいうものの,普段の沖縄旅や島めぐりに比べると,東京旅は出会いの敷居が若干高かったのも事実だ。(中略)今回は各駅前旅とも1日の出来事としてまとめているが,実は旅が流れ出さず,2日,3日と散策を重ねた場所もあった。(p364)
● いくつか転載。
 車は都会の空気を乗せて,猛スピードで通過するだけだから,街道沿いに「その土地ならでは」の風情は生まれにくい。(p53)
 「便利になること」「近代化」は,いつも同時につまらんものである。(p64)
 そのとおりなんだけど,それだけなら人は近代化を拒否するはずだ。「便利になること」の威力は何にも勝る。
 行き過ぎだと修正がかかる動きがでるが,それが主導権を握ったことは,歴史上皆無なのではないか。問題は,むしろ「便利になること」が理解できずに,現状維持を選んでしまうことが多いことだ。これなら,日本に限ってみても,歴史上にけっこうな数,散見されるのではあるまいか。
 ベトナム帰りの若い兵士が殺伐とした雰囲気を振りまき,そのスリルを味わいに若者が集まったことも,皮肉なことにこの街を活性化させた。基地自体が緊迫感を失った今,そんな猥雑な雰囲気が薄のも当然なのだろう。(p73)
 最近は僕も安さにつられ,近所の量販店で服を買うことが多い。土日ともなれば大混雑で,レジには長蛇の列。店主と話す時間など当然ない。だからこんな風に,服を買ったついでに話し込むこと自体が新鮮だ。しかも都内で。(p76)
 続ける秘訣はアレだね。人の話を聞きすぎちゃいけない。自分が『これがいい』と思ったら自信を持って進めることだね(p142)
 ここが行楽地であったことを,お母さんはすでに忘れていた。でも客が来れば自然と柔らかくもてなすのは,多くの「旅人」を迎えた街で育ったからだろうか。(p179)
 JR上野駅。宇都宮線経由・高崎線の籠原行き普通列車は,小旅行の雰囲気にあふれていた。グリーン車も連結する15両の大編成,車内は4人掛けのボックスシート。そして,栃木,群馬まで行く長距離路線が,日常の風景に旅情を呼ぶのだろうか。(p251)
 そうか。栃木,群馬まで行くのは長距離路線なのか。この列車にはぼくも数えきれないほど乗っているわけだけど,上野から乗るのは夕方から夜になるので,昼間のこの列車はあまり知らない。
 言われてみれば,小旅行の雰囲気にあふれているのかもなぁ。
 ここ(小菅)はひょっとして日本で一番,有名人を見られる場所かもしれない。芸能人と政治家は,塀の向こうに近い職業だとつくづく感じてしまう。(p294)
 余計なことは語らず,それでいて穏やかに話す街の人たち。思いがけない事情で自分の意思とは裏腹に,この街に来る人もいるだろう。そんな人たちにきっと,この街は優しい。(p302)

2015年7月21日火曜日

2015.07.18 カベルナリア吉田 『日本の島で驚いた』

書名 日本の島で驚いた
著者 カベルナリア吉田
発行所 交通新聞社
発行年月日 2010.07.31
価格(税別) 1,500円

● 『絶海の孤島』と同様に,日本の孤島(有人島)を訪ねる。本書はややジャーナリスティックに傾いている。その島の歴史についても解説する。
 が,この解説というのは以外に難しいものだと思う。場合によってはないほうがいいと感じさせることがある。

● 孤島ものというのは,紀行文のひとつのジャンルとして存在しているようだけれども,著者はそのパイオニアなんだろうか。
 とにかく,ぼくは初めて読むジャンルなので,へぇぇと思うだけなんだけど。

● 宿で晩飯を食べてから飲みに出かけるっていうパターンが,しばしば出てくるんだけど,晩飯を喰ってからでも飲めるのか。
 ぼくにはできない。体力の違いかもしれないけれども。
 てか,喰ってから飲むなんて,酒に失礼ではないか。

2015年7月15日水曜日

2015.07.12 カベルナリア吉田 『絶海の孤島』

書名 絶海の孤島
著者 カベルナリア吉田
発行所 イカロス出版
発行年月日 2012.04.30
価格(税別) 1,600円

● 青ヶ島(東京都),飛島(酒田市),舳倉島(輪島市),鵜来島(宿毛市),見島(萩市),悪石島(鹿児島県),硫黄島(鹿児島県),南大東島,北大東島(沖縄県),父島・母島(東京都)の10章。

● 病気や出産,高校進学。何にしても,島では完結できないから,本島や本土に出向くことになる。その移動費・宿泊費たるや,相当な額になる。金額だけの問題ではない。天気が悪ければ,船は欠航する。
 そういったことをあえて忍んでまで,なにゆえ「孤島」に住むことを選ぶのか。日本国憲法は居住の自由を基本的人権として保障しているんだぞ,と思うわけだけど,そういう荒っぽい理由で割り切れれば世話はないわけだ。

● 本書はそうした孤島を巡って,その印象を記していく。
 写真も著者が撮っている。この写真が本書のウリの大きな部分。旅行好きはカメラ上手が多い。旅に出れば撮りたくなるスポットが続出するわけだから,自ずとカメラを覚えるという仕組みがあるんだろうけど,カメラ好きな人が旅行好きになるってのもありそうだ。

● こうして孤島巡りも本になってしまった。この分野のニッチもどんどんなくなっているなぁ。あとから続く人は,何を書いたらいいのか少し以上に悩むことになるんじゃないか。

2015年7月6日月曜日

2015.07.05 カベルナリア吉田 『沖縄自転車!』

書名 沖縄自転車!
著者 カベルナリア吉田
発行所 東京書籍
発行年月日 2006.07.15
価格(税別) 1,600円

● 沖縄を自転車で走る。本島だけじゃなく離島も。
 走行距離は1日に30㎞程度。かつて,高橋尚子は2時間20分で42㎞を駆け抜けた。自転車で1日に30㎞しか走らないのでは,止まっているようなものではないか。

● が,当然,意図的にそうしている。東京から那覇までも,飛行機ではなくてフェリーを使っている。ゆっくり時間をかけて,をアピールポイントにするという戦略。
 が,当時はLCCはなかったけれども,今はフェリーの2等船室より飛行機のほうが安かったりするのではないか。それでもフェリーを使うかね。お金を払ってのんびりを買う?

● 内容の過半は現地の人たちとの交流。石田ゆうすけ型だ。写真も自身が撮っている。紙の本だけれども,そのままネットにあげるにも適していそうだ。

● ともかく,沖縄自転車紀行として本書がある以上は,次に同じことをやって文章に書く人は,よほど上手く工夫しないと二番煎じになってしまうだろう。