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2023年2月28日火曜日

2023.02.28 堀江貴文 『疑う力』

書名 疑う力
著者 堀江貴文
発行所 宝島社
発行年月日 2021.05.08
価格(税別) 1,300円

● 副題は「常識の99%はウソである」。堀江さんの本はずいぶん読んでいるので(読んでいるだけだが)何が書いてあるかは読まなくてもだいたいわかる。というか,想像がつく。
 でも読んでしまうのは,一服の清涼剤が欲しいからだ。本なんてものはそれで充分に役割を果たしたことになると思っている。読書というのは読んでいる間が楽しければ,それでいいのだ。読書にそれ以上を求めるのは強欲というものだ。

● 以下に多すぎる転載。
 そもそも常識なんていうのは,とても曖昧で,バカバカしいものだ。(中略)そんなものに振り回されていては,一生バカを見る。(p1)
 「ファクト」と呼ばれる物事だって,光を当てる方向を変えれば,まったく違った様相をみせることがある。「オモテ」があるのなら,「ウラ」も必ずある。(p3)
 人と同じことをやっていたら損するだけだ。(p3)
 タックス・ヘイブンの何が悪いのか。大多数の個人事業主は,「節税」という名の事実上の脱税行為で税金逃れをしている。(p18)
 カード会社に手数料を払ってでもキャッシュレス化したほうが,お店の業績は伸びる。本当のお金持ちは現金をジャラジャラ持ち歩いたりなんかしないからだ。(中略)もっと言えば,彼ら上客は「カード不可」の店を敬遠し足を運ばなくなる。(中略)対して,安さを求める客は使ってくれる額も少なく,クレーマーにもなりがちだ。(p23)
 匠の技が機械化されないのは,たんに採算が合わないからだ。(p29)
 日本には「移民アレルギー」を発症している人間が多すぎる。「犯罪が急増する」という電波系の妄想に脅える人までいる。彼らの言うことが真実だとすれば,移民だらけのシンガポールは今ごろ「犯罪大国」になっていてもおかしくないはずだが,そんな話は聞いたことがない。それに経済も文化も,ダイバーシティ(多様性)の融合でより面白くなる。日本社会に外国人が増えて均質性が薄まれば,凝り固まったオヤジ的発想を打ち破るイノベーティブな世の中により近づくだろう。(p34)
 近年,インバウンド(外国人観光客)が増えているのは,他国のほうが豊かになってきたという一面もあることを見落としてはいけない。(p35)
 言語によって発声や発話は違うものだし,ゴミ捨てのルールや分別なんて,日本人が細かくやりすぎているだけだ。(p35)
 時給やギャラは,仕事の希少価値に左右される。レア度が低い仕事に,高いギャラが支払われないのは当たり前だ。(p39)
 誰もがやりたがらない仕事を引き受け,ひたむきにがんばる。こんな働き方をしている限り,給料は永久に上がらない。むしろ,「食べていくために」我慢して働いている人たちのせいで,労働単価が上がらないのだ。(p41)
 マスメディアによる熱狂的なメディア・スクラム(集団的加熱取材)は,「有名税」という言い方でごまかされてきた。これはパパラッチ週刊誌がポジショントークのためにつくった言葉だ。(p51)
 いつの時代もバカは一定数,ボーフラのように湧いてくるものだ。残念ながら,バイトテロ発生率をゼロにすることは困難だろう。そもそも,最低時給に近い安い賃金で働くアルバイト店員に「モラル」まで求めるのはおこがましいことだ。(p60)
 バカは活字を辛抱強く読むことができないから,タイトルやキーワードだけを感覚的,感情的にとらえて脊髄反射する。(p65)
 誰かを殺したら,ただちに逮捕されて殺人罪に問われるが,戦争で他国の人を殺しても,国際法に触れなければ無罪だ。戦争の本質とはそういうものなのだ。(p67)
 福島で事故が起きたからといって,「原発は二度と使うべきではない」と結論づけるのはあまりに短絡的だと思う。人類の文明の進歩を信じられない,単なる諦めではないか。(p71)
 極端な政策転換は,必ずひずみをもたらす。人々の生命と安全を守るライフラインは,急進主義ではなく漸進主義で慎重に運用していくべきだ。(p74)
 オウム事件を見ていると,非モテ男の執念のようなものを感じずにはいられない。オウム真理教には,東大や京大,医学部を卒業したエリートが大勢集まった。高学歴で成績はいいのに,コミュ障と非モテのせいで恋人ができず,友達からも人気がない。そんな非モテ男たちが,オウム真理教というコミュニティではとてつもない「自己承認欲求」を得られたんじゃないかと思う。(p90)
 塀の中にいた僕は,「ひょっとすると刑務所は孤独の受け皿になっているのではないかもしれないな」と思った。(中略)孤独にもだえ苦しみながらシャバで生きる人にとって,もしかすると刑務所はシャバより行きやすい場所かもしれないのだ。(p91)
 自分の店の料理に自信があるのなら,上質な料理に見合う値段をつけてよりグレードの高い客を相手に勝負すればいい,と僕は考える。生活に余裕がない層に向け,無理して安く高級食材を提供しようとすれば,どこかに必ずしわ寄せがいく。(p99)
 商品がレアになればなるほど,その値段は幾何級数的に上がっていくものなのだ。(p100)
 都会に出てきたばかりの地方出身者は,「遊び」を覚えると学校になんてまじめに通わなくなったりもする。せっかくバカ高いカネを払って入学したというのに,何割もの学生がドロップアウトする。だから専門学校ビジネスは歩留まりが良く,メチャクチャ儲かる。「調理師免許がなければ料理人として働けない」というデマをみんなが信じてくれれば,専門学校の経営者や教員は永遠に食いっぱぐれないで済む。(p103)
 資格試験なんてものは,要するに金儲けをしたい連中の利権を守るための仕組みだと理解したほうがいい。調理師試験を受験するには6000円以上かかる。試験を運営している連中は,何も知らない若者たちからカネをぼったくっているのだ。(p104)
 ムダな資格ビジネスは,モグラ叩きのように片っ端からぶっ潰して規制緩和しなければ,イノベーションの邪魔になるのだ。(p106)
 「2:8の法則」(パレートの法則)が示すとおり,組織内でまともに仕事をする人間はせいぜい2割だ。昼間にコメダ珈琲店やスターバックスに出かけてみてほしい。喫茶店はサボリーマンだらけではないか。(中略)組織内の8割の人間はまともに働いておらず,利益を生み出すだころか会社のリソースをただ食い潰しているのだ。(p115)
 化学調味料を悪者扱いする人に限って,ワケのわからないサプリメントや漢方薬にハマっていたりする。(p135)
 スマホさえフリーハンドで与えれば,子どもたちはわからないことを自分で調べ,どんどん先に進んでいく。学校や教師,親といった邪悪な存在から,子どもたちを解放してあげなければヤバい。(中略)子どもをがんじがらめに縛っているうちに,もって生まれた才能の芽を摘んでしまう。(p144)
 いわゆる「仕事」が向いていない,という人は,無理して働かないことが,社会貢献につながる可能性もある。(p173)
 遊び人のように好きなことだけ追求している人たちが,世の中を今よりもっと面白くしてくれると思うのだ。(p173)
 スポーツは,強すぎるチームをつくってアンチから憎まれるぐらいがちょうどいい,と個人的には思う。(p193)
 音声コンテンツは「時間対情報密度」がスカスカなので,短時間で効率よく情報を吸収することが難しい。(p198)
 音楽に限らず,文学でも建築でも,ものづくりにおいては,初めから「100%完全なオリジナル」なんてものはありえない。「独自性」「差別化」「オリジナリティ」などとゴタクを並べる奴に限って,たいてい失敗する。(p203)
 インターネットの登場によって,情報を独り占めすることの価値は薄まった。(中略)僕は「いいものは自由にパクれる世の中」こそがベストだと思っている。(中略)「良いメソッドはなんでもトレースしてやろう」というすがすがしいまでのパクリ根性をもつことは大事だと思う。その欲望こそが経済を回すのだ。(p203)
 紙の本をバカにするのは,本という「パッケージ」がそもそももつ力を知らない愚か者だ。(中略)世間一般的に「インテリ」とされている人々は,書店に足を運ぶ頻度が比較的高い。(中略)いわゆる「知的レベルが高い人」たちが集まる場所に,優先的に広告を出しているようなもので,ターゲッティング広告さながら,とても効率よく宣伝効果を得られる。(p209)
 今の宇宙産業を取り巻く状況は,IT革命の夜明け前とよく似ている。(中略)きたるべき「第五次産業革命」は近い将来,宇宙開発によって実現するのだ。(p218)
 「ホリエモンが言っているんだから,きっと正しいんだろう」
 そんな思考の「コピペ」をされたところで,僕はちっとも嬉しくない。(中略)「常識を疑う」代わりに「堀江の言うことを信じる」のでは,まったく意味がない。(p221)
 「それっておかしくね?」と,気づける人にしか,大きなチャンスはやってこない。(p222)

2022年5月4日水曜日

2022.05,04 橋下 徹・堀江貴文 『生き方革命』

書名 生き方革命
著者 橋下 徹
   堀江貴文
発行所 徳間書店
発行年月日 2021.03.31
価格(税別) 1,500円

● 副題は「未知なる新時代の攻略法」。
 対談ではない。テーマを著者2人に出して,それについて語ってもらって,それを適当につないだものだと思う。
 あるいは,すでに出ている書籍からライター氏が文章を作って,2人の承認を得て本にしているのかもしれない。つまり,本書を作るにあたっては,ひょっとすると新たな口述は取っていないのかもしれない。

● 橋下さんの著書を読むのは今回が初めて。彼のキーワードは “流動性”。
 労働市場もマスコミも役所も様々な問題を抱えているが,その問題は(人の)流動性を高める工夫をすれば解決すると考えているように読める。

● 橋下さん,今回のウクライナ動乱をめぐる発言で,一気に過去の人になってしまった感がある。
 いつぞや,自民党の高市早苗政調会長と討論しているのをネットで見たことがあるのだが,手もなく捻られていた感じだった。どうしちゃったのかね。

● 以下に多すぎる転載。
 好きなように人生をというゲームをプレイするには,生まれながらの才能が必要だと思っている人もいるだろう。しかし,その才能とは何だ? 知能テストでいいスコアを出すことだろうか? 上手に絵を描けることだろうか? 作曲できることだろうか? 100メートルを9秒台で走れることだろうか? 自分の好きなようにフィールドを作れるのだから,どんな才能が優れているのかなんて自分で決めればいい。自分の好きなゲームを作って,好きなようにプレイすればいい。(堀江 p4)
 日本企業の株価は,回復してきているとはいえ,1989年の最高値3万8915円を一度も上回っていない。一方,アメリカはと言えば,約40年間で株価は30倍以上にもなっている。(中略)それでは,いったい日本はなぜここまで沈滞してしまっているのだろうか? おの原因は「流動性の低さ」に尽きる。(橋下 p19)
 経済とはヒト,モノ,カネが動いて熱を発するという現象だ。(中略)ヒト,モノ,カネが活発に動けば,そこに必ず熱が生まれる。(中略)ヒトが動かないと,何も物事は進まない。(中略)実際にヒトが動かなければ経済は熱を発しない。(橋下 p24)
 テクノロジーを活用して,できるだけ人間が必要ない状況を作り出すことが結果的に人間を自由にするのだが,そうした流れに抵抗するのも人間だ。(堀江 p48)
 情報リテラシーが低い人というのは,往々にして他人に頼ることができない。他人に頼れないというのは,強さではない。どうでもいいプライドが邪魔をしているだけ。「人に頼る力」に欠けているのだ。(堀江 p51)
 自己責任の自助でがんばれ,それが無理なら共助,最後に公助を頼れと言われても,いまは共助は果てしなく薄くなっている。(橋下 p55)
 ほかに助けを求められない人を助けるための公助とは,役所の窓口に来た人だけに与えられるのではなく,国民全員に対して無理やりに押しつけるくらいのセーフティネットでなければならない。(橋下 p56)
 お金のストレスがなくなれば,家庭内暴力や犯罪も減ってくるんじゃないかという気もする。自己責任で何とかしろというだけではなく,きちんと社会的な支援の仕組みを整えたほうが,社会全体の付加価値を増すことにもなるのではないだろうか。(橋下 p58)
 投入した労働の効果を最大化しようとすれば,企業の資本規模は大きいほうがいい。その点で言うと,日本は各企業の資本規模がとても小さい。(中略)資本規模が小さいと合理化のための設備導入を行うことが難しい。(橋下 p63)
 韓国の場合,最低賃金アップのあと,一時的に失業率は高まったが,すぐに落ち着きを取り戻した。しかも2019年には韓国の労働生産性が日本を上回っている。(橋下 p65)
 個人が付加価値を上げるための一番の方法はしっかり「休む」ことだと僕は考えている。(中略)身体だけでなく,良い知恵を出すためにも休息は欠かせない。(中略)十分な休息があってこそ社会も豊かになる。低賃金で疲れ果てていては,休みの日に消費をしようという気にもなれない。(橋下 p66)
 メールにしても,FacebookやLINEといったツールにしても,最大の利点は記録が残る点にある。記録があれば,言った言わないの水掛け論は起こらない。(中略)テキストとしてきちんと記録を残すことで,何をすべきかが明確になって業務が円滑に回るし,ミスが起こったときの再発防止策も講じやすくなる。(堀江 p72)
 メールやSNSなどは,非同期型コミュニケーションである。これに対して,口頭や電話,ビデオ会議は同期型コミュニケーションだ。(中略)非同期型コミュニケーションならば,相手の都合を考える必要がない。(中略)非同期型コミュニケーションを中心にし,やり取りはきちんとテキストとして残るようにする。口頭や電話での最低限に抑える。こうすることで時間効率は格段に向上する。(堀江 p73)
 テレワークの本質とは,Zoomのようなオンライン会議ツールを使うことではない。記録を残すこと,コミュニケーションを非同期型にすることが本質だ。(堀江 p74)
 幹部や職員の対面至上主義にはびっくりした。幹部や職員とメールで連絡を取っていると,必ず「この案件についてはぜひ直接会って説明させていただきたい」と言い出す。(中略)こういう人たちは,対面で実際に会って自分の熱意をくみ取ってほしいと思っているようだ。(橋下 p77)
 人は現状を維持するための理屈ならいくらでも思いつけるものである。(橋下 p93)
 日本型組織のトップのマインドがなかなか変わらないのは,結局のところ組織の多様性のなさ,そしてその背景となる流動性の低さによると思う。(橋下 p94)
 2019年から2020年にかけて,国会では「マイボトルを委員会室に持ち込めるかどうか」が議論されていた。冗談でなく,こんなことで貴重な国会の日程が空費されたいたのだ。(中略)国会議員たちは「日本の生産性は低い。生産性革命だ!」と主張する。しかし,マイボトルの持ち込みを認めるかどうかを延々と議論しているような人たちが言う,生産性革命とは何だろう。(橋下 p99)
 いまの企業には何をやっているのかよくわからない業務をしている人たちがいっぱいいる。コロナ禍でテレワークに移行できた人は,そのことを実感したはずだ。(堀江 p102)
 テキストで記録が残るチャットでは,プロジェクトに貢献していない人がまるわかりで,そういう人は次第に会議やチャットのスレッドには呼ばれなくなっていく。(堀江 p104)
 大阪市役所は,庁内電子メールシステムの整備が遅れたという。というのも市役所内に「逓信部」という組織が存在していたからだ。(橋下 p107)
 現在,大企業であるかどうかを問わず,会社員になることのメリットはほぼない。(中略)日本の大企業といっても,世界的に見れば,吹けば飛ぶような存在だ。(堀江 p113)
 だいたい,いまの日本ではそう簡単に生きるか死ぬかに追い詰められるようなケースはほとんどない。大したことのないリスクを恐れて,安定を求めるのは愚か者のやることだ。(堀江 p116)
 お金に関する国民のリテラシーが高くなれば,政治の政策論争もより生産的なものになるのではないだろうか。(橋下 p126)
 経済成長が停滞し,少子高齢化が進んでいる現代において,家を買うことにはデメリットしかない。(中略)何より,ひとつの場所に定住するとチャンスがつかみにくくなる。(堀江 p128)
 荷物はスーツケース数個に収まるくらいだが,最近ではそれもなくせないか,いろいろ試行錯誤している。(堀江 p134)
 明らかに未来は,所有ではなく,レンタルの方向に向かっている。いますぐにでも,自分の所有しているモノを,レンタルに替えられないか検討していくべきだ。所有するよりも,時間や空間に応じて自由に貸し借りできるほうがモノの利用効率は高まり,経済活動も活発になる。消費者を洗脳して,いらないモノを無理やり買わせるような産業は,いずれ立ちゆかなくなる。(堀江 p136)
 いかなる生命保険も,人の命を使ったギャンブルだということは理解しておいたほうがいい。(堀江 p139)
 僕は金儲けのための株式取引は行わない。そんなつまらない金の使い方はしない。(堀江 p141)
 「こうすれば絶対に儲かる」なんて断言する人間やメディアは,詐欺師だと思っておいたほうがいい。未来が確実に予測できるなどという人間を信じると酷い目に遭う。(堀江 p143)
 お金というのは,必要なときに必要なだけあればよいもので,貯め込んでいても誰の得にもならない。(堀江 p146)
 今の日本は,お金が余っている。ちょっとどころではなく,余って余って仕方がない状態になっている。(中略)こういう状態だと,有望と思われる投資先が見つかったとたん,そこにお金が集中することになる。(堀江 p147)
 若いときは何とかなっていても,運動習慣がないまま歳を取ると,一気にガタが来る。僕はホテルにスポーツジムがあれば必ず使うようにしているが,利用しているのはほとんど外国人で,日本人はあまり見かけない。(堀江 p155)
 いまはお金がなくても楽しめる娯楽にあふれている。昔ながらに図書館に通って本をいくらでも読むことはできるし,スマホがあればいくらでもコンテンツにアクセスできる。(中略)生活保護を受けていても,一生かかっても見きれない,遊びきれないコンテンツを利用できるのが現代なのだ。(堀江 p158)
 僕は刑務所に2年間服役していたが,その生活ですらそれほど酷いものではなかった。毎度三食,きちんと調理された温かい食事が出てくるし,大量に作っているからご飯の炊き上がりもいい。(堀江 p159)
 僕は地方創生の謳い文句をそのまま受け取ることができない。(中略)実態は「現状維持」だからだ。つまりいまの地方の状態を,とりあえずそのまま維持することを一番の目的としている。(中略)現状維持では力を失う。(橋下 p163)
 身体が健やかであるためには,新陳代謝が活発でなければいけない。古い皮膚がいつまでも残っていては,新しい皮膚に変わっていかない。イノベーションは,新しいものの登場と,古いものの退場が必ずワンセットだ。(橋下 p168)
 都会の暮らしは思っている以上にコスパがいい。確かに家賃に関しては,地方よりも高くなるが,それ以外の生活コストに関しては大きく変わるわけではない。何より,都会には時間を最大限に有効活用する手段がいくつもある。(堀江 p173)
 大事なことは,自分なりに情報を集めてみて,ピンと引っかかるものがあったらすぐに動くことだ。「東京に住むためには,最低限手取り☓☓円が必要」なんてくだらない記事を真に受ける必要はない。(堀江 p179)
 都会でないと楽しめない娯楽を求めているのならともかく,どこででもできる娯楽で十分なのに地方を敬遠するのはもったいない話だ。(堀江 p181)
 僕はそもそも「住む」という概念が不要だと考えている。これだけテクノロジーが発達した時代に,なぜみんな「住む」ことにこだわるのだろう。好きなときに,好きなところへ行けばいいではないか。そんな自由は,誰でも持っている。(中略)移動できるかどうかは,たんに本人のマインド次第だ。本人が移動したいと思えばできるし,できないと思い込んでいるならできない。(堀江 p183)
 個人は国や地方の問題など気にしてもしょうがない。自分の住みたい場所に行って,自分のやりたいことをやるのは,いますぐできることなのだ。(堀江 p188)
 いまの時代は,少し前には存在しなかった職業が次々と登場するし,求められる才能も多様化している。親の経験に基づいて,子どもという他人の才能を測ることなど,どだい無理な話なのだ。(橋下 p196)
 希少性と付加価値の高い能力を才能だとすれば,人と同じことをさせて才能が育まれるはずがない。子供の才能を伸ばしたいと訴える親や教師は,まったく逆効果のことばかりしているのだ。(中略)親は余計なことをすべきではない。「子どもの没頭を邪魔しない」(何がおもしろいのかこっちには理解しがたいことに没頭するものだ)ことだけを肝に銘じてほしい。(堀江 p203)
 子どもはすぐに飽きてしまうが,それはそういうものだと思って諦めるしかない。いつかはわからないが,真に没頭するものを見つけるだろう。あくまで「子どもがやりたい」ことにお金を出すのだ。「親がやらせたい」ことではない。ここを違えてはいけない。(堀江 p204)
 興味さえ持てば,人は自習であらゆることを学んでいけるものだ。(中略)難解な数学や科学のちぢ機が必要になる研究職は? そのような特殊な職業でなくても義務教育の素養は必要なのではないか?(中略)そんなのは余計な心配だ。まず,研究開発をやりたいという人は基本的に頭が良い。こういう人たちは自分で本を読むなりして,いくらでも学んでいける。(堀江 p205)
 「将来性」があるかどうかで資格を取ろうとするのは浅はかだ。10年後どうなるかなど,誰にもわからない。(中略)スキルがとか,資格がとか,そこから考えようとするからおかしなことになってしまうのだ。好きなことがあったら,スキルなど自然に身についていくものである。(堀江 p211)
 頭でっかちな動機を最初に設定したところで,それは推進力にはなりえない。最初にあるべきは,理屈ではない興味や関心だ。(堀江 p212)
 どんな分野でも1万時間やり続ければ,確かに人より圧倒的に秀でることはできるだろう。だが,飽きもせず1万時間も費やすことができるのは,それにハマっているからだ。(堀江 p213)
 まったく逆だ。つらい努力や我慢を自分に強いているから上達しないのだ。(堀江 p214)
 僕はそのとき自分がやりたいと思ったこと以外は,何もかもそぎ落とす。(中略)楽しいことは人によって違うのだから,家族サービスに夢中ならその時間を満喫すべきだ。家族サービスをいやいややっているのなら,さっさとやめれいい。(中略)自分の時間を,自分のやりたいことだけにつぎ込み,それ以外のことは一切しない。そうやって集中すれば,どんなことでもあっという間に上達する。(堀江 p214)
 研究者が最先端研究を行うために,海外の研究室に行くというのであればまだわかる。高校や大学学部レベルで,はたして留学することに意味があるのだろうか。(中略)スタンフォード大学やハーバード大学,マサチューセッツ工科大学といった世界的に有名な大学がいま現在,MOOCs(ムークス)に参入している。(中略)原則として受講料は無料,受講資格も問わない。つまりインターネット環境さえあれば,いつでも,どこにいても,誰であっても,名門大学の講義を受けられる。(中略)専門的な学術論文が読みたければ,データベースサービスで好きなだけピックアップできる。この種のサービスはいまだに有料のものも多いが,留学費用に比べれば大したことはない。(堀江 p216)
 同級生だとか同窓生だとか,同じ釜の飯を食ったとか,そういうことは人間関係を作るうえで特段に大事ではない。(堀江 p218)
 現地で暮らさなければ,外国語を習得できないというのも幻想だ。何年も海外留学したところで,日本人同士つるんだせいでいつまでも外国語が上達しないなんて人はいくらでもいる。いまならネット上の外国語学習コンテンツをひたすらやり込めば,読み書きでも会話でも実体験に近いかたちで吸収できる。(堀江 p218)
 違う土地に行って暮らしてみたいのなら,大学がどうのと言わず,さっさと出かければよいだけのことだ。(堀江 p219)
 新しいテクノロジーが登場するたび,大人は常に大騒ぎしてきた。子どもどうしの長電話に目くじらを立て,深夜のラジオ番組に夢中になる子どもを叱った。テレビ番組は教育に良くないと言い,パソコンで遊ぶのはくだらないと決めつけた。そして,インターネット,スマホが次の悪者になった。(堀江 p221)
 マンガを読みまくっていようが,ゲームをしまくっていようが,東大に入る人間は入るし,僕自身もそうだった。いまスマホを手放さない子どもにしても,同じことだ。(堀江 p223)
 スマホを使えば,驚くほど多様なことができる。(中略)何が子どもにとって良い使い方で,何が悪い使い方なのかなど,親も含めて誰にもわからない。(堀江 p223)
 多くの人は,情報を入手して活用するということを誤解している。あまり知られていないとっておきの情報がどこかに存在していると思ってはいないだろうか。そういう人間は,一攫千金を狙える投資手法だとかすぐに痩せられるサプリメントだとかの情報にすぐ踊らされて,有り金を巻き上げられてしまう。情報とはそういうものではない。もちろん,企業秘密や国家機密は存在するが,そうした情報も価値がわかる人間が扱わなければ意味がない。(堀江 p225)
 情報を活かせるようになるために必要なのは,莫大な量の情報を浴びることだ。情報のソースや質は問わない。(中略)たくさんの情報を取り入れているうちに,脳の回路が組み変わり,これまではできなかった高度な判断をすばやく行えるようになっていく。(中略)情報事態に意味があるというより,高度な判断を行う脳を作るために情報が必要なのである。(堀江 p226)
 興味を惹かれたニュースに関しては必ずアウトプットをするということ。Twitterで引用リプライをするだけでもいい。アウトプットをするとその情報は記憶に残りやすくなるし,同じ関心を持っている人とつながりやすくなる。(堀江 p228)
 ジャンルの食わず嫌いをしないということ。(中略)ネットにおけるエコーチェンバーの問題もそうだ。自分にとって心地のよい,傾向の似た人々の話ばかり聞いていると,特定の意見ばかりが増幅され,ほかの意見が耳に入らなくなっていく。(堀江 p228)
 取り入れた情報はあっという間に陳腐化していく。次々に新しい技術が生まれ,常識も塗り変わっていく。たゆまず,日々情報のシャワーを浴び続けよう。(堀江 p229)
 何よりも貴重な自分の時間を使うからには,最大限の効率で情報を得るようにしよう。手段として最悪なのは,テレビである。(中略)You Tube は時間や場所の制約についていえばテレビよりマシではあるが,情報収集の手段としてはおすすめできない。(中略)動画や音声は時間当たりに得られる情報量が少なすぎるのだ。(堀江 p230)
 拘置所にいたころは,とにかくずっと読書をしていたものだ。(中略)1日20冊くらい読むのはそれほど難しいことではない。速読などの特別な技法を身につけていなくても,知識が増えてくれば本を読むスピードも自然と上がってくる。ただし,それでも1冊の本を読むには時間がかかる。書籍の要約サイトや要約アプリを使えば,大まかな内容を圧倒的に短い時間で取り入れることができる。要約を読んで気になった本だけをきちんと読むようにしたほうがはるかに効率的だ。(堀江 p232)
 情報密度が高く,僕もよく読むのがマンガだ。ビジュアルとテキスト,ストーリーが一体化されたマンガは,1ページ当たりの情報量が実は極めて多い。(堀江 p233)
 いまなら同じ内容を勉強するのも,はるかに短時間で済んだだろう。スマホアプリやネットの教材を使えば,中学・高校の授業内容など,6時間もかけて学ぶ必要はない。というより,いまならわざわざ大学に行くという非効率なことをしていなかったと思うが。(堀江 p233)
 現在の社会は,数十年前と比べてすら激変している。それなのに義務教育をはじめ,100年以上前に作られた枠組みに従って生きようとしてもうまくいくはずがない。(堀江 p237)
 みんな一律の教育を受けて,おとなしく言うことを聞いているだけでは幸せになれなくなってしまった。(中略)知見が共有されることで,あらゆる分野の変化がスピードアップしている。いま求められているのは,起こっている変化を感じ取り,短期集中で変化についていける人間だ。(中略)おもしろいと思った手法やテクノロジーはすぐ試し,短期集中で身につけ,活用できるようにする。これが変化についていくということだ。のんびり学校に通って,みんなと同じことを勉強している暇などない。(堀江 p241)
 学校こそが,良くない集団行動を拡める感染源になってしまう面もあるのではないか。(堀江 p250)
 テレワークを含むテレビ会議やネットコミュニケーションが一般化していくのであれば,日本において日本人であることのアドバンテージはどんどん低下していく。(橋下 p260)
 人が激しい競争のなかで挑戦するためにはセーフティネットが絶対に必要だ。サーカスの芸人が空中ブランコで大技を繰り出せるのも,安全のためのネットや命綱があるからだ。セーフティネットがなかったら,恐怖心の欠如した一部の人間しかチャレンジなどしないだろう。(橋下 p263)
 そうしてわかったのは,授業はオンラインで十分だということ。いや,この言い方は正確ではない。オンラインの方がずっと効果的な授業ができるということだ。(中略)頭の良い生徒について言えば,そもそもオンライン授業すら必要ない。(堀江 p271)
 先の音を恐れて不安な人ほど,どうでもいい情報にすぐ騙される。(中略)未来が不安でしょうがない人は,たんに情報が不足しているのである。(堀江 p286)
 情報をたっぷりと浴びて,さまざまな選択肢がすぐに思いつける脳内ネットワークを築く。わからないことはわからないと腹をくくる。考えるためのベースとなる情報がない事柄については,考えない,気にしない。(堀江 p289)
 僕がこう主張すると,「そんな技術はすぐには実用化しない」「仕事にはまだまだ人間が必要」という反論がすぐに寄せられる。そう考えている人は,テクノロジーの進歩を甘く見ている。テクノロジーは,比例的に進歩していくのではなく,指数関数的に,いやもっと複雑かつ休息に進歩していくものなのだ。(堀江 p302)
 単純にスマホの情報処理能力だけを比べても,2007年に登場した初代iPhoneと最新モデルでは,数百倍,一千倍もの開きがある。(堀江 p303)
 僕や堀江さんは大規模な炎上でも耐えることができるけれど,そんなことができるのは日本でもせいぜい数十人くらいではないだろうか。(中略)なぜ僕が冷静でいられるかと言えば,誹謗中傷してくる人を哀れんでいるからだろう。(橋下 p309)
 自分のやりたいこと,やるべきことに真剣に取り組んでいるのであれば,他人にかまっている余裕などないはずだ。(中略)自分の人生を生きていない「かわいそうな人たち」のために,あなたの人生を消耗させる必要などまったくない。(橋下 p310)
 なぜマスメディアがこのような批判一辺倒な意見に終始し,一部の学者やインテリの声ばかりを取り上げるのかといえば,マスメディア自身に流動性が欠けているからだと思う。(橋下 p314)
 やりたいことがない,というのは本当だろうか。世間にあるぢごとや趣味をざっと見て,そこから選ばないといけないと思っているのではないだろうか。(堀江 p321)
 行動力だとかやる気などというものは必要ない。何かの「好き」を持っていて,膨大な情報を浴びていると,必ず琴線にふれる情報に気づく。わずかでもピクンと脳波が反応することがあれば,その情報を深掘りしてみる。(堀江 p323)
 古い枠組みを保ったまま方程式を解こうとするのは非常に難しい。仮に解けたとしても,恐ろしく面倒くさい解が出てきたりする。働かないといけない,お金がないといけないと,みんな思い込んでいるから,失業率を気にしたり,最低賃金を上げるとか下げるとか,そんな話になってしまう。だが,いま起こっているのは,どういう些細なレベルの変化ではなく,もっと根本的なものだ。数世紀にわたって成り立っていた枠組み自体が揺れ動き,流動化している。そのことに気づけるかどうか。(堀江 p331)
 既存の常識が気に食わないからといって,その反対だけが正解だと考えるのはナンセンスだ。既存の枠組みがひっくり返るというのは,たんに既存の枠組みが否定されるということではない。テクノロジーの進歩によって,ありとあらゆる可能性,選択肢を選べるようになったということだ。(堀江 p333)
 「こうであらねばならない」という思い込みが,人を幸せから遠ざける。その思い込みを解くのは自分にしかできない。(堀江 p334)

2022年4月14日木曜日

2022.04.14 堀江貴文 『時間革命』

書名 時間革命
著者 堀江貴文
発行所 朝日新聞出版
発行年月日 2019.09.30
価格(税別) 1,300円

● 副題は「1秒もムダに生きるな」。この本で一貫して説かれているのは,他人の時間を生きるなということだ。何よりも大切なのは時間だ。アルバイトはどんなに時給がよくても,他人の時間を生きることになるので割に合わない。
 ベーシックインカムを導入して,働きたくない人は働かなくてもすむようにするのがいい。働きたくない人を無理やり働かせても,かえって働きたくて働いている人の足を引っぱるだけだ。

● というようなわけで,もし声がかかればまた働いてもいいかなと思っていたんだけども,そんなことにならなくてよかったと思う方に傾いている。この年齢になってさらに他人の時間を生きてしまうところだった。
 幸い,食べていけるだけの年金はもらえているので,小さく生きればもう働く必要はない。誰にも縛られないで好きなことをやっているのがいいか。やりたくないことをやらないですむのは最高か。
 つまり,現状は今までの人生の中で最も望んでいた状態が実現しているということかもしれないな。

● 以下に多すぎる転載。
 いまの時代,お金がなくてもそれほど困ることはない。(中略)しかし,時間はそういうわけにはいかない。一度ムダになった時間,流れ去ってしまった時間は,もう戻ってこないからだ。(中略)時間がなくなるのは,お金がなくなるのとはわけが違うのである。(p3)
 ぼくたちの時間は,ぼくたちの人生そのものだ。時間の質を高めれば,人生の質も高くなる。(p4)
 仕事や会社,上司,家族など,「他人の時間」に振り回されている場合ではない。すべては「自分の時間」と起点にすべきなのだ。(p7)
 刑務所というのは,「他人時間の極致」のような場所だ。「時間を取り上げることが刑罰になる」という発想の背後には,すぐれた人間的洞察があると思う。(p20)
 「他人時間を生きる」というのは,監獄に入っている状態によく似ている。とはいえ不思議でならないのは,世の中の大半の人が,自分からその “監獄” に入ったくせに,そこから出てこようとしないことだ。扉に鍵などかかっていない。(p22)
 つらい状況はそれほど長く続かなかった。服役中にもぼくは,文章を手紙でやり取りしてメルマガ更新も休むことなく続け,少しずつ「自分時間」を増やす行動を起こしていったからだ。自分の興味がおもむくままに,1000冊以上の本を読破し,それまでの人生とは比べものにならないくらい多くの映画も観た。結局,時間を自分のために使えるかどうかは,あなたしだいだ。刑務所にいたぼくが言うのだから間違いない。(p22)
 暇を感じているとき,あなたは時間資産をドブに捨て続けているのに等しい。また,退屈な時間には,頭のなかに「ロクでもない考え」が湧いてくる。それがストレスを生み出したり,人をバカな行動へと駆り立てたりする。(p25)
 たくさんのオモチャが並べられた部屋に子どもを投げ込むと,彼らは次から次へと目まぐるしく遊びを変えながら,どれだけでも遊んでいようとする。しかし彼らは「忙しい」などとは感じない。ぼくもこういう子どもと大して変わらない。(p27)
 「多忙」な人というのは,ものすごく忙しいにもかかわらず,心のどこかでは「退屈」しきっている。膨大な仕事を次から次へと処理しながらも,どこかでそれを冷めきった目で見ていて,本当はそれに飽き飽きしている。(p28)
 余計なことを考える暇がないくらいに,自分の心が踊る予定だけで,時間をしっかりと埋め尽くし,無我夢中で動き回るのだ。(p28)
 なぜ多くの人は,「他人の期待を満たす生き方」をやめられないのか? 以前はこの理由がぼくにはずっとつかめなかった。しかし最近,ようやくわかってきたことがある。端的に言えば,人から嫌われるのが怖いのである。(中略)あなたを罵倒したり,見下したりして気分がよくなるなら,勝手にそうさせておけばいい。他人から嫌われようと,どう思われようと,それはあなたの人生には関係のないことなのだ。(p30)
 すべては「自分時間をどう増やすか」である。「相手が自分をどう思うか」なんてことを思い煩って,自分の人生をおざなりにするなど,本当にもったいない。(中略)なぜなら,人のことを恨んだり妬んだりするのも,やはり「他人のために時間を使っている」という点では変わりないからだ。過ぎたことや他人のことを考えて,負の感情を再燃させる--ぼくに言わせれば,こんな無益なことはないのだ。(p31)
 人生における最大のムダ,それは「悩み」の時間である。(中略)本当は「こうしたい」という自分なりの答えがあるのに,ロクでもない「プライド」や「自意識」が足を引っ張っている状態なのだ。(p37)
 自意識が描き出す「世間」は,心のなかの幻である。あなたが勝手に気に病んで,勝手につくり出しただけの妄想。そんなものは全部取っ払ってしまえばいい。(p39)
 ほとんどの人は,自分の本音すら見えなくなっている(p40)
 物事なんて複雑に考えるほうがラクなのだ。世の中はいくらでも複雑に考えられる。(中略)シンプルに考えるほうが,一定の「勇気」や「エネルギー」が必要になる。(p42)
 企業の経営者を見ていても,シンプルに考える能力がある人とない人がいる。(中略)ビジネスの最前線では,いつもスピードが命である。シンプルに本質をおさえた思考ができない人は,いつも「時間の勝負」で敗北することになる。(p43)
 世の中はトレードオフが原則だ。例外はない。これらの希望をすべて叶えることなどまずできないし,そんな虫のいい話があるとすれば,眉唾だと思ったほうがいい。「シンプルに考えて,自分時間に満たされた人生を生きる」とは,全部を思いどおりにして,「あれも,これも」をバランスよく手に入れるということではない。むしろ,本当に大切にしたいこと “以外” はすべて手放し,自分の根本的な欲求に向き合うことなのだ。(p44)
 すきま時間をうまく使うコツは,あらかじめ「そこでやる作業」を明確に決めてしまうことだ。(p48)
 すきま時間のいいところは「締め切り」があることだ。その後ろにはすぐに「別の予定」が控えているからこそ,「時間内に終わらせねば・・・・・・」というプレッシャーを生むことができる。(p48)
 ぼくが発行するメルマガでも,それぞれのコンテンツは「すきま時間にサクッと読める」ということを何よりも大切にしている。人々には「すきま時間を埋めたい」という思いがある。現代において「爆発的に売れるもの」には,多かれ少なかれ,すきま時間が絡んでいるのである。これは裏を返せば,ありとあらゆるビジネスが,あなたのすきま時間をお金に変えようとして,手ぐすねを引いているということ。(p49)
 現代のビジネスは,とくにモバイルデバイスを通じて「顧客の時間」をいかに獲得するかを競い合っている。よって,ちょっと油断していると,スマホに大量の時間を奪われることになる。そういう側面は間違いなくある。しかし他方で,すきま時間の有効活用を考える場合,やはりスマホを避けて通るわけにはいかない。スマホは,ちょっとした短い時間から,無限の価値を生み出すことにかけては,ほかのどんなツールにも負けない。(p52)
 ぼくはいま,すべての仕事をスマホでこなしている。以前ならいちいちPCを立ち上げてブラウザで見ていたようなニュースも,スマホのアプリがあれば十分だ。メールもほとんど使うことがなく,たいていのコミュニケーションはLINEで済ませている。フリック入力がタイピングの速度を上回ってからは,原稿だってスマホで書くようになった。すべてがスマホで完結するようになると,ムダなすきま時間がなくなる。(p52)
 スマホが使える時代に「空間」に縛られた働き方をしている人は,必ず「時間」をムダにしている。スマホを使えば簡単に手に入るすきま時間をみすみすドブに捨てているのだ。(中略)本当にすきま時間を有効活用したいなら,「いかにパソコンに触らないで済ませるか」「いかにデスクに近づかずに仕事を終わらせるか」「いかにスマホだけで作業を完結させるか」を真剣に考えたほうがいい。(p53)
 「現代人はスマホに依存している」などという批判もあるが,まったくバカげた話である。あなたが残りの一生のうち,すきま時間を有効活用できれば,どれくらい「寿命」が延びるか,考えてみてほしい。(p55)
 人生において何を優先するかについては「1つずつ,どっぷり集中」を心がけたほうがいい。逆にどうでもいいことについては,できるだけマルチタスキングでさっさと片づけるべきだ。一個一個を丁寧にやる意味がない。(p58)
 人に任せることをしないかぎり,実感として時間が増えることはまずない。「全部を自分でやろうとしない」というのは,時間術の核心である。(中略)ぼく以外でもできることは専門知識や適性がある人に任せて,ぼくは自分が得意なことに集中する。そもそも会社に赤の他人同士が寄り集まる意味は,そこにしかない。(p62)
 より多くの時間を手に入れられるのは,いつも「できません。代わりにやってください」と言える人だ。「はい,自分でかんばってみます」しか言えないプライドの高い人間は,どんどん時間貧乏になっていく。世の中はそうなっているのだ。(p65)
 くだらない悩みにとらわれたり,物事の優先順位を絞り込めなかったり,なんでも自分でやろうとしてしまう人には,1つの共通点がある。それは,物事を「全か無か」「ありかなしか」「勝つか負けるか」のように,両極端でしか見られないということだ。(中略)しかし,世の中のたいていのことはグラデーションになっている。(p67)
 世界は「AかBか」のように割りきれるものではない。それなのに「ゼロイチ」の発想に縛られている人は,「一度Aを選んだら,Aを継続しなければならない」と考えている。だからこそ,Aを選ぶことを重大に捉えてしまい,結果として動けなくなる。(中略)「継続は力なり」などという言葉を真に受けてはいけない。「続けられるかどうか」なんて考えずに,まずはじめればいい。ダメならほかに乗り換えるだけだ。(p69)
 短期目標こそが,人生をたのしむための秘訣だ。いつだって短期集中型でいい。(p70)
 既存の仕組みや制度を「あたりまえのもの」と受け止めた瞬間に,あなたの自分時間はものすごいスピードで手元からこぼれ落ちていくようになる。(中略)むしろ,一度学んでしまった常識をどれだけ “忘れる” ことができるかが大事なのだ。(p79)
 常識なんて,その時代や文化しだいでいくらでも変わる。よくよく振り返れば,「変わること」こそが自然の摂理なのだ。それなのに,変化の一部だけを切り取って,「不変の真理」であるかのように扱ってしまう--どうやら人間にはそういう勘違いのクセがあるらしい。(p80)
 行動力などという得体の知れないものが,フットワークの良し悪しを決めているわけではない。その人がどれだけの情報を持っているか,何をどれくらい知っているかによって,人間の行動量は規定されているのだ。だから,「動き続けられる人」になりたければ,情報量を増やしさえすればいい。(中略)「現代は情報過多の時代。情報が多すぎて逆に動けなくなる」などというのも,都市伝説の類だと思ったほうがいい。そういうことを言っている人にかぎって,大した情報を持っていない。(p85)
 ふつうの人と比べると,ぼくが浴びている情報シャワーの量は,桁が1つか2つ分くらいは違うと思う。これを続けていれば,この世には「変わらないもの」など存在せず,すべてが「無常」だと思わざるを得なくなる。(p86)
 NewsPicksのようなキュレーションメディアならば,いつも有益なニュースを取り上げてくれる人をフォローすることで,より効率的に情報を取ることができる。(p89)
 こうやって情報をかき集める習慣を身につけると,自分のなかにも一定のリズムが刻まれてくる。すると,自分のアウトプットにもリズムが生まれてきて,仕事をこなすのがグッとラクになる。(p90)
 1つの仕事をまとめてやろうとするのもNGだ。大きな仕事ほど,できるかぎり細切れにして,すきま時間を使いながら少しずつ進めていくべきである。(p92)
 現代では,食べるために働いている人など,ほとんどいないのだ。では何のために働いているか? 単純に言えば,「暇つぶし」である。本当はみんなわかっているはずだ。現代社会では,ほとんどの人は,もはや「趣味的な仕事」しかしていない。「次の仕事」をつくるために仕事をしているようなものであり,やらなくても誰も困らないようなものが大半を占めている。(p94)
 ぼくはこれからもずっと,「たのしい仕事」しかするつもりがない。なぜなら,すべての仕事は本来,「やらなくてもいいもの」だから。ごくあたりまえの話ではないだろうか。(p101)
 必要なのは,結果の差そのものを無くして,「悪しき平等」をつくることではない。現代の問題の本質はむしろ,「イヤな仕事をして,負けている人」がいることなのだ。誰もが「たのしい仕事」をするようになれば,たとえ結果がいまひとつであっても,そこには確固たる満足感が残るはずだ。(p102)
 だいたいみんな,幸せというものを,何か高尚なものだと思いすぎなのだ。(中略)グーッと我慢を重ねて,あるときポンッといきなり幸せに「なる」のではない。ぼくたちはいつでも幸せで「ある」ことができる。(p104)
 人間は幸福を最大化しようと躍起になるほど,じつは不幸になるようにできているのだ。では,「より多く」幸せになるために,何が必要なのだろうか? それは「食欲・性欲・睡眠欲を満たすこと」--これに尽きる。地球上に生きている人間は,1日サイクルで欲望がリセットされるようにできている。(中略)ぼくたちには,毎日つねに幸福を感じられるように,「食欲・性欲・睡眠欲」という最高のツールが用意されているわけである。幸せというのは本来,こういう手近なものだ。(p105)
 年齢なんて,脳が感じた幻想にすぎない。本人が「自分はもう年寄りだ」と思えば,その人は実際に老いていくだろうし,年齢に無自覚なまま,たのしいことに夢中になっていれば,老いなんてものを感じないですむ。(p109)
 いっさいが無常で,現れては消える「泡」のようなものであるにしても,「何をしてもムダ」とか「すべてを諦めたほうがいい」と思っているわけではない。忘れてはならないのは,ぼくたちは本質的に,そういう1個1個のくだらない「泡」に,幸せを感じられてしまう存在だということだ。所詮は「泡」なのだから,割れないように大事にしすぎても仕方がないし,たとえ消えてしまっても打ちひしがれる必要もない。ただ,次から次へと現れる「泡」をたのしめばいい。(p111)
 「この世には常なるものなど存在しない」と心から信じているからこそ,目の前の「たのしいこと」に集中できる。(p112)
 ぼくは「個人の努力」を信じていない。ぼくの頭のなかにあるのは,一本の大きな「川」だ。そこにプカプカと浮かびながら,流されているのがぼくたち人間である。(中略)だからぼくは,ムダな努力はしない。流されるがままだ。(中略)そうやってリラックスしていると,ときどき川のどこからか「果物」がこちらに流れてくる。手を伸ばしてかじってみると,とてつもなくうまい。(p121)
 この「川下り=人生」をたのしむうえで,大事なことは2つある。まず,自分から「果物」を探し求めたりはしないこと。(中略)そしてもう1つは,少しでもうまそうだと思ったら,選り好みせずに手を伸ばしてみることだ。(p122)
 人間に最も必要な能力をあえて1つあげるとすれば,それは「ハマる力」ではないかと思う。「これに何の意味があるのか」とか,そんなことはどうでもいい。目の前に現れたものに,徹底的にのめり込む--これが重要なのだ。(中略)どうせ人間の好き嫌いの感情なんて,慣れとか習慣の産物にすぎないのだ。だから,ハマりきってしまえば,たいていのものは「好き」になれる。(p128)
 とくにみっともないのは,ストレスを感じているのに,不平を垂れ流しながら,現状に甘んじている人だ。(中略)あなたは川に浮かびながら,誰かが食い荒らした「残飯」を手にして,「こんなマズい食べ物はない! なんだこれは!」と文句を言っている。だったら,そんなものは捨ててしまえばいいのに,それでもその「残飯」を後生大事に持っているのだ。(p132)
 長く感じる時間は,あなたにとってストレスの原因になると思ったほうがいいだろう。体感時間の長いものを人生から排除し,あっという間にすぎてしまうことばかりで,あなたのスケジュールを埋めよう。(p133)
 不快な人間がいたら,その人とは関係を絶ったほうがいい。(中略)わざわざ軌道修正してやる義理はないから,あとはスッパリ “切る” のがいちばんだ。(p134)
 「動こうにも不安で動けません」という人は少なくない。あたりまえだ。ある程度の見通しなんてものは,動くことでしか得られない。(中略)動かないでいる人には,それを得るための機会がやってこない。(p136)
 バーディーのチャンスにパーを狙ってしまうような人は,絶対にバーディーを取れない。バーディーを取るためには,手前で止まるような弱気のパットを打っていてはいけない。思いきりよくいかないとダメだ。当然,そうやって打ったボールが,カップを越えてしまうことはある。しかし,その「失敗」には大きな価値がある。その失敗によって,次にカップに戻るまでのラインが可視化されるからだ。リスクを取らない人間は,この軌道修正のチャンスを手に入れることができない。(p142)
 いちばんダメなのは,中途半端に経験から学んでいるやつだ。「小利口」はいちばん救いようがない。(中略)浅知恵が働く人間ほど,経験から学んでしまう。だから,本当に懸命であろうとするなら,そんな経験を忘れるべきだ。何度でもカップオーバーすればいい。(p143)
 お金というのは単なるツールにすぎない。それなのに,お金そのものに価値があるかのように思い込んでいるから,貴重な時間をお金に換えてしまう。(p146)
 世界的に見ても,日本人はお金に目がない。(中略)その裏では,揃いも揃って1億人が,二束三文で「時間」を売り払っている。だから社会全体に時間がない,忙しい--これが日本の現実だ。(p147)
 お金は価値交換のための単なるツールだ。(中略)お金とは,「信用」というあやふやな存在を,わかりやすく可視化するための道具にすぎない。大切なのは信用だ。会社で1カ月,杓子定規に仕事して得られる信用など,たかが知れているから,それによって得られる月給もたいした金額にはならない。(p148)
 頭のなかに架空の他人をつくりあげて,「ひょっとすると,あの人はこう思っているのではないか・・・・・・」とか「きっとこいつは,陰であんなことをしているに違いない!」などと,くだらない妄想を膨らませてしまう--よくあるパターンだ。この状態が続くと,心はどんどん消耗し,さらに貧しくなっていく。みんな他人のことを気にしすぎだ。この原因は「暇すぎる」ということに尽きると思う。(p152)
 他人のプライベートを詮索して喜ぶなんて,こんなにみっともないことはない。もっとたのしいことが世の中にはたくさんある。心のエネルギーを他人事に振り向けて浪費するのは,本当にバカげている。しかも,他人のことばかりに首を突っ込むクセは,巡り巡って自分の首を絞めることになる。(中略)他人の目が気になって,身動きが取れなくなっていく。(p153)
 「いま処理できることは,いま処理する」--これを基本にすれば,あなたの信用も上がっていく。(p157)
 日本人は他人のつくったルールに乗っかるのは得意だが,合理的に考えて自分なりのルールをつくるのは苦手だ。(中略)自分でルールを考えてみることは,たのしむうえでも重要だ。自分の頭でルールや仕組みを考えたものに対して,人間はのめり込みやすいからだ。(中略)逆に,他人がつくったゲームのうえで動いているかぎり,心底からハマるのはけっこう難しいのではないかと思う。(p157)
 「自分時間」を生きたいのならば,極力,ウソをつかないほうがいい。ウソをつくということは,相手の信じる現実にこちらが迎合する行為だから,ウソをつけばつくほど,その人は「他人時間」を生きなければならなくなる。(p184)
 少なくとも「自分に対するウソ」だけはつかないほうがいい。ストレスを溜め込みながら,本心に逆らって生きることに慣れていはいけない。(p186)
 ストレスの99%は「過去」か「未来」に由来したものである。(中略)「現在」のなかには,大したストレスは存在していないのである。(中略)では,過去や未来について考えないようにするには,どうすればいいのか? これも答えは簡単だ。極限まで予定を詰め込んで,忙しくするのである。あなたの意識が過去・未来のほうに彷徨い出てしまうのは,あなたの現在がスカスカで中身がないからだ。脳が「暇」をしているから,記憶や不安で意識を満たそうとしてしまうのである。暇はやはり悪だ。(p188)
 誰にでも「自分の時間」を生きる権利はあるが,「他人の時間」を奪う権利はない。そのラインを踏み越えてくる人間とは,徹底的に戦うか,完全に無視するかのどちらかしかない。(p193)
 「宇宙旅行なんて無理だ」なんて言う人はいまだにいるが,長いスパンで見れば,ぼくらの頭で発想できることは,たいていが実現すると思っておいたほうがいい。(p198)
 正直なところ,慈善の心とか思いやりといった言葉や価値観は,ぼくには理解できないし,好きにもなれない。(p210)
 意味があるのは,「短期的な目標」だけである。それを立てた1秒後には行動を起こさざるをえなくなるような目標でなければ,そもそも意味がない。(p213)
 いまだに「計画→実行→評価→改善」からなるPDCAの本がベストセラーになったりしているところを見ると,「将来の計画からはじめる」というのが,人々の思考のクセになり,行動を妨げてしまっているように思う。(p215)
 現実の世界,とくにビジネスの世界では,将棋の棋士のように何手も先を読んで行動するのはナンセンスだ。経営計画とか経営戦略なんてものも,コンサル屋たちが稼ぐためにつくった「絵に描いた餅」だと思ったほうがいい。(p216)
 何を学ぶべきかなんて,そのときになってみないとわからない。何かに “備える” ための勉強なんて,苦痛でしかないはずだ。(p217)
 ぼくは「どこに次なるビジネスチャンスがあるか」とか「どんな戦略で市場を支配していくか」というようなことは考えない。未来のことはわからないからだ。現時点で,「やりたい!」「ほしい!」と思えるか。それだけが基準だ。(p225)
 経営戦略の世界では,資本投下の「選択と集中」が語られたりするが,少なくとも個人に関しては,これを当てはめないほうがいい。(中略)おもしろいと思ったものには,全部首を突っ込んでいくべきだ。(p225)
 どうしてもノリのよさを身につけられない人,なかなかバカになって動けない人は,究極的には「自信」が足りていない。自信がないから,将来を心配するというムダをやめられない。そうやって時間をムダにしてしまうのだ。(中略)自信を持つのに「天賦のもの」はいらないのである。(中略)本当の自信とは,「自分の心に寄せる強固な信用」である。(中略)ぼくに自信があるように見えるとすれば,それはぼくが「自分の心だけはコントロールできる」と確信しているからだ。(中略)「過去」や「未来」に心を奪われず,いつでも目の前の「現在」に夢中になっていられるという手応え。それが「本物の自信」をつくる。(p229)
 ぼくはこれまでたくさんの経営者を見てきたが,経営者の多くは,仕事の能力的にはかなり低いというのが実情だ。会社の社長なんて,大したレベルの人間はいない。新入社員みたいな実務能力の人,ほとんどヤンキーみたいな人もゴロゴロしている。それでも彼らはやけに自信を持っていて,実際,ものすごい結果を出していたりする。(p230)

2022年3月19日土曜日

2022.03.19 堀江貴文 『捨て本』

書名 捨て本
著者 堀江貴文
発行所 徳間書店
発行年月日 2019.07.31
価格(税別) 1,380円

● 堀江さんの著書はもうだいぶ読んでいる。だいたい,これはどこかで読んだなと思うことになる。これだけ書いていればそうなるしかないだろう。
 今回も同様だ。というか,これと同じ本を読んだことがあるような気がした。『ゼロ』だろうか。

● にもかかわらず読んでいるのは,本が説いているようなやり方をやっていないからだ。だから何度でも読める。
 英会話学校の初級コースに通い初めて,途中で挫折して,また初級コースに入り直すというのを,性懲りもなく何度も繰り返しているようなものだ。

● 今月6日に宇都宮(栃木県総合文化センター)で堀江さんの講演会があった。「地方で稼げ!これからのビジネス 堀江貴文(ホリエモン)特別講演会 in 栃木」というタイトル。主催者がどこだったのかは知らない。
 限定3席でVVIP席というのがあったらしい。「ホリエモンとツーショット写真が撮れる権利付,最前列1列目でホリエモンの熱量を余すことなく聞けるシート,ホリエモン&パソコン太郎サイン入り絵本付,講演前に使用できるお部屋を楽屋側にご用意いたします」というもので,チケットは150,000円。もちろん,売れた。
 一般席は3,000円。ネット配信もしており,そちらも同じく3,000円。
 しかし,堀江さんは著書で何度か,講演会に行くなど時間のムダと書いている。自身の講演会を聞きに来る人に対しても,本を読んでもらった方が早いと言っている。
 まして,今はネットでの動画もある。わざわざこういうものに出向くのは暇人に決まっている。

● ぼくも暇人の最右翼にいるのだが,堀江さんがそう書いているのを読んでいたので,講演会に行くような愚行は犯さなかった。
 年齢的な理由もあるけどね。今さら何したって手遅れじゃね? っていう。だったら,本を読むのももう止めたらどうかってことになりそうだが,読み物としても面白いのでね。なぜ読むのをやめないのかという理由は,そこのところにある。

● 以下に多すぎる転載。
 ほとんどのモノは,「大切」という幻想のパッケージにくるまれた不要品だ。(中略)逆に,持ち主の決断や行動を縛りつけていることもある。(p6)
 モノがなくなり,身軽になるほど,行動のスピードは上がり,アクセスする情報や世界のステージは高まっていった。大切なモノを捨てたことで,もっと大切なものが,自分のなかで明確になっていったような感覚だ。(p7)
 いま僕には家がない。いわゆるノマドな生活をしている。東京にいるときは,あるホテルが定宿だ。私物は,スーツケースに4つほどで収まっており,そのホテルに保管している。(中略)移動のときはスマホを持つくらいで,基本的には手ぶらだ。(中略)ノートパソコンも使わなくなった。(中略)この程度の持ち物で,大概の人よりも多くの仕事をこなし,楽しく,刺激いっぱいの人生を過ごせている。(p8)
 お金やモノがなくても,昭和や平成の最初の頃の「お金持ち」と同じような暮らしが享受できる社会になりつつある。(p12)
 諸行無常は「捨てること」に通じる。すべてのものは移り変わる。だから,いつまでも同じモノを持ち続けることはできない。持ち続けようとこだわると,矛盾と軋轢を生むのだ。(p14)
 「所有」という概念はだんだんと溶けていき,やがては遺物になっていく。(中略)価値(値段)の高いモノを「どれだけ持つか」よりも,「どんな価値観を持つべきなのか」が,真剣に問われる時代になっていく。(p15)
 これから世界は,加速度的にグロスからネットの社会に変わっていくでしょう(中略)それは,バカ高いブランドものより,自分にとって本当に必要なものが優先されることを意味します。自分が求める「質」を大切にしていれば,たとえ低いとされる年収であっても豊かな生活が送れるようになります。(p16)
 どんなに貴重なモノでも,値段がついていれば,お金で買える。所有は「それを買えるチャンスと経済力があった」という事実を可視化しているだけ。持っていること自体には,何の意味もない。(中略)「金で満たされるものに時間と出費を投じるのは,無意味である」(p35)
 好きなことをやり続けていると,特につくろうと努力しなくても,勝手に友だちはできるのだ。(中略)孤独に悩んでいる人は,きっと性格の問題ではなく,やりたいこと不足なのだと思う。(p46)
 僕は1日に数本の仕事と数本の移動,数本の飲み会を詰めこんでいるのが普通だ。東京にいるのは月の3分の1程度で,仕事も遊びも垣根なく,日本全国,海外への移動も日常となっている。毎日がそんなスケジュールで,のんびり寝て過ごす・・・・・・なんていう日はゼロだ。(p47)
 苦しいときというのは,往々にしてプライドを捨てない」状態を,自ら選んでしまっている場合が多いのだ。(中略)プライドを大事にして,いいことは,これっぽっちもない。(中略)僕は数多くの人の成功と失敗,そして復活を間近で見てきたが,プライドでトラブルを解決した人は,皆無と言える。むしろ解決策はあったのに,捨てられないプライドのせいで,転落から復活できなかった人の方が,数えきれないほどだ。プライドは所有欲と同じぐらい,人生で最初に捨ててもいいモノだ。(p53)
 辛いときに,人はゼロイチ思考になってしまうことが多い。(中略)でも,変化は,グラデーションで起きていくものだと思う。(中略)気づきは,突然天啓が降りるのではなく,グラデーションのトーンで僕たちに訪れる。本当のことがわかったり,逆に本当の自分を周りにわかってもらうのには,時間がかかる。(p57)
 本音を隠す必要は,一切ない。気配りなんか,ばっさり捨てて,言いたいことを言っていい。(中略)本音を言える側の方が,圧倒的に強い。(p59)
 気配りを捨てろと言ったが,本当に捨てるべきは「恐れ」だ。人間関係が気まずくなる恐れ。自分の立場が悪くなる恐れ。(中略)恐れを捨てるには,本音で生きるしかないのだ。(p62)
 人間関係において,「お互いの価値観が異なっていることがわかる」のは,思考の質を高めるうえで,非常に大事なのだ。同意の真綿にくるまれて,気持ちいい時間を過ごしたいだけなら,金を払ってキャバクラやホストクラブに行けばいい。会社では,せっかくお金をもらって,いろいろな技術を持った人たちと仕事ができる,刺激的な環境を与えられている。意見のぶつかり合い程度のストレスから逃げて,どうするのだと言いたい。(p65)
 閉鎖された環境で仕事をしていると,勘違いしやすくなってしまうが,「価値観や意見が同じである」ことは,実は異常なのだ。「価値観や意見がバラバラである」ことが普通。それは社会全体の正しい姿でもある。人間関係は,デジタルの数値で区切られたりしていない。色彩が混ざり合った,グラデーションで構成されている。(中略)グラデーションで重なり合っている関係の方が,つながりは広く,柔軟で強いものになるだろう。全部同じ色の関係など,薄気味悪い。(p66)
 一緒にいて楽しくない人たちに好かれようと努力すると,自分を見失ってしまう。人生において,自分を捨ててはいけない。絶対に,いけない。「はじき出してやろう」としてくる人など,遠慮なく捨ててほしいと思う。(p68)
 自己否定は辛い。辛いけれど,ある一定の否定は己に課していくこと。そうすることで,本当の自信が,強いアイデンティティが,育つのだ。まず,「他人のせいにする」クセを,捨ててしまおう。他人のせいにして,あなたの思う未来が開かれるならいいが,そんなことは絶対にない。(p74)
 借金は悪いことではない。前向きな借金は,すすんでしてもいい(中略)やりたいことを先延ばしにする時間の浪費の方が,もったいない。(中略)人生は短く,新しく思いついたビジネスの旬もあっという間だ。(p77)
 どんな親でも,子どもが旅立つときは,寂しさをこらえているものだろう。その寂しさを引き受けるのは,親の役目だと思う。逆に言うと子どもの成長において,「見送る側」の寂しさを耐えるぐらいしか,親にできることはないのだ。(p84)
 寂しさを避けるために,捨てる決断をやめて,現状維持を選ぶ人もいるだろうそれは絶対に,間違っている。ノスタルジーな感情に流されてはダメだ。(中略)まとわりついたものを切り捨て,堂々と「見送られる側」の人生を行こう。(p86)
 入学式直後のクラスコンパのときから,「東大にも面白いやつはいない」という事実が,わかってしまった。同期の新入生を見渡すと,真面目な勉強家タイプばかり。自分で何かをやり始めようとか,勉強以外に楽しいものを見つけようとか,能動的に動きだす感じのやつが,まったくいない。(中略)彼らはほとんど,大学でこつこつ学んで卒業して,名の通った一流企業に就職する将来を望んでいるらしかった。バカらしくて,付き合っていられない。(中略)頑張って日本で一番レベルの高い大学に入学したのに,就職で他の大学を出た学生と一緒のスタートラインに並ぼうなんて・・・・・・バカでしかないでしょ?(p98)
 18歳の僕は,自信がなかったというのもあるが,「女子い冷たくされて傷つく」ことから,自分を守りたかっただけなのだ。(p101)
 僕には人生の指針などないのだけれど,大事にしている考え方は,いくつかある。ひとつは「水が低きに流れるように,自然に身を任せる」ことだ。(中略)例えば,水に飲まれ,滝から落ちそうになってしまったら。そうならないよう努力はすべきだけれど,滝が間近に迫ったときは,どうしようもないのだ。(p111)
 未来は,不確定性に満ちている。逆に言うと,まったく確実ではないから,未来は未来なのだと言える。予測しようと思っても,土台から無理なのだ。(p113)
 流れのなかで,僕が何か自分なりに意識していたとしたら,「執着」をしないことだ。得たモノを何のためらいもなく,捨てていった。だから順調に,転がり続けられたのだと思う。(p115)
 ウェブの世界はスマートだった。全世界の情報がひとつの画面に集まる。(中略)知の集積にアクセスできるだけではない。コミュニケーション,ショッピング,金融などあらゆるシステムと深くつながり,リアルの社会の景色を変えていくのだと思った。(p115)
 日本社会においては東大は卒業してもしなくても,特に差はない。東大に入ったことが,大きな信用とブランドになる。(p119)
 せっかく4年生まで通ってもったいない・・・・・・卒業ぐらいしておけばいいのに,と言われる。その「もったいない」という感覚が,僕には全然,理解できない。面白そうなことを始められるチャンスを先送りにして,行きたくもない大学に通い,学びたくもない勉強を修めなくちゃいけない時間の方が,僕には何十倍も,もったいなく感じられる。(p119)
 会社が大きくなっていくにつれて,創業メンバーとの溝が,開いていった。(中略)いろんなことがあって結局,創業メンバーはみんな会社を去った。創業直後に入社した社員の大量離脱という憂き目にも遭った。(p122)
 社員を一枚岩にして,会社に求心力を持たせ,疑似家族風の組織を構築する--僕から言わせれば,最悪な経営術だ。(p124)
 口でいちいち言わないでもわかる勘のいい人とだけ,一緒に働いていたい。(p126)
 話が合っていた友だちなのに,だんだん合わなくなって気まずい・・・・・・という状況は,誰しも経験すると思う。その場合,僕は,迷わず捨てる。(p131)
 「捨てる」痛みは,ゼロにはできない。しかし,痛みを感じないくらい忙しく,やりたいことに熱中していればいい。痛みがあるというのは,ヒマな証拠なのだ。(p135)
 モノを捨てて,体験を重ねる。体験に,お金を惜しみなく投じる。ビジネスで成功への道を駆け上がりだし,何でも買えるようになってきた頃から,そのように変わっていったというわけではないだろう。僕はもともと,モノより体験重視の性分だったのだ。(p141)
 元ライブドアの社員で,僕のことを悪く言っている人の話は,あまり聞いたことがない。(中略)僕はナチュラルに「勝手について来たければどうぞ」「つまんなくなったら,いつでもいなくなっていい」というスタンスで,接していただけだ。(中略)部下や同僚から恨みを買いまくっている人は,自分のやり方を省みるといい。きっと部下や同僚に対して,情緒とか期待とか功名心とか,いろんなものを捨てるのが,下手だったのだ。(p150)
 頑張ってうまくいく人は,誰が上司だろうと,必ず頑張るのだ。僕なんかいなくてもきっとS君は,活躍していただろう。(p154)
 モテるかモテないかは,自信と経験値が左右する。というより自信と経験しかないと言ってもいい。(中略)容姿とか経済力は,正直そんなに関係ないと,多くの恋愛を経て学んだ。(p156)
 どれだけ成功しようと,年齢にいくつになっても,アウェイにチャレンジできなくなると,人は老いて退化していくと思う。(中略)多くの人は,安定した,傷つかない場所に居続けようと願うものだが,そんな場所は,どこにもない。(p159)
 ライフスタイルは必ず変わるのに,借金してまで自由度の極めて低い不動産を所有しようという理由は,何なのだろう?(中略)ほとんどの場合「家を買うのが立派な大人」だという刷りこみに,屈したのだと思う。そんな刷りこみは,捨てていこう!(p175)
 流れていった跡を「こうしたらよかった」と振り返っても,仕方ない。それまでの経路は無にできない。流れを遡ることも,無理なのだ。先のことも,終わったことも,考えないようにする。これしか正解はないのだ。(p191)
 有罪確定は受け入れる。裁判の結果,そのように判断が確定されたのなら仕方ない。しかし執行猶予を得るために,まったく見に覚えのない悪行や,大きな詐欺行為を意図的に行った・・・・・・という自覚を「ねつ造」つるのだけは,したくなかった。僕が僕自身に嘘をつき,肌感覚で「嫌だ!」ということを許してしまったら,激しく後悔するとわかっていた。当面の自由な時間を捨てることになったとしても,僕は僕であることを,捨てたくなかったのだ。(p194)
 気持ちの整理と,状況の受け入れが下手な人は,おおむね心を病んだり,いらないストレスを抱えるようだ。僕はそんな苦しみを,わざわざ味わいたくない。無駄なエネルギーをネガティブな方向に奪われないよう,「しゃーない」んだからと,修行のつもりで刑務所暮らしを過ごしていた。(p206)
 (収監中は)読書量が増えた。自由時間は暇でしょうがないから本を読むしかないという事情もあったけれど,会社経営で飛び回っていた頃から久しく忘れていた,本を読む楽しみを取り戻していた。航空工学の勉強も始めた。刑務所では指導してくれる先生がいなくても進められる勉強に取り組もうと決めたのだ。(p208)
 毎週発行のメールマガジンの執筆も,普段のルーティンをキープしていく,いい目標になった。メールマガジンのために毎週,“官” の決める映画を観た。(中略)刑務所でしかやれないことを,すすんでやっていこう。そういう方向に気持ちを切り替えると,やりたいことは意外と増えた。経営者時代と変わらず,新しい情報や発見で,思考を埋めつくすことができた。(p208)
 もうおしまいだ・・・・・・なんていう状況は,存在しない。あるのは,もうおしまいと決めつける,自分の諦めだ。どんな場面だろうと,対処する方法は残っている。(p210)
 怒ったぶん状況が変わるならいいけど,そんなことは決してない。切り替えて,最適解を考えるようにしよう。大事なのは「はい次!」の精神だ。過ぎる時間は待ってくれない。怒るエネルギーを浪費する時間より,次の対処策の実行に時間を使ってほしい。(p212)
 ライブドア事件では,僕は元の部下だった人たちに裏切られた。あまりにも理不尽な手のひら返しの裏切りで,普通なら人間不信に陥ってもおかしくなかっただろう。けれど,彼らに対しては,怒りの感情は持っていない。本当だ。逆に,裏切りに遭った以降の,組織間の無数のトラブルによって,会社組織はもういらないと考えられるようになった。(中略)これは僕にとっての「はい次!」なのだ。(p214)
 白い部分と黒い部分が混在して,グラデーションになっている。それが人間だ。(中略)僕を裏切った人たちは,きっと黒い部分が僕に対して,現れ出たのだろう。一度は僕と苦楽を共にしたのだから,彼らが白い部分を持ち合わせていることも知っている。(p216)
 人間付き合いの基本は,是々非々であるべきだ。信用できる,できないと縦割りで付き合いを振り分けするのは,おかしい。「こいつだけは俺を裏切らない」とか「この人は100%善人だ」と決めつけて,信用を預けきるのは,根本的に間違っている。100%の信用が保証された人なんて,肉親でも存在するわけがないのだ。いると信じているとしたら,人間観がおこがましいと言わざるを得ない。人は,どれほど複雑で多面的か,という想像力が欠けている。(p218)
 僕は他人の嘘は,いくら経験を積んだところで,見抜けないと考えている。(中略)できることは,許す。それだけだ。(p218)
 罰ゲームは,必ず終わる。それは揺るぎない事実だ。終わるときを信じて,自分で楽しみを創出しよう。幸せのしきい値の固定を捨てよう。厳しい環境でも幸せを見いだす。それが人の知恵の発揮のしどころではないか。落ちこみに沈んでいるだけの選択は,知恵と想像力の放棄だ。(p228)
 こうした楽しみを独占するのは,嫌なのだ。飲みの席でみんなに伝えたり,本やSNSで発表したり,多くの人たちと共有したい。見せびらかして,「いいね!」と言ってもらえることは,やっぱり気持ちがいい。そして共有することで,また知らない楽しみや,面白いアイデアが集まってくるようになる。楽しみは,共有すれば,さらに楽しみが膨らむ好循環が生まれるのだ。(p231)
 昔からそうだったが,車でも,自家用機でも,自分のモノを知り合いに貸すことには抵抗はなかった。みんな乗りたいんなら自由にどうぞと思う。さすがにスマホとか共有できない道具は無理だが,共有することでみんなが楽しんでくれるなら,すすんで差し出そう。(p231)
 持つことへの執着は,昭和から平成の旧時代のスタイルでしかなく,逆に共有の恩恵を得られないリスクを背負うことになるだろう。(p234)
 所有の目的とは,何だろう? 本来は,持っているモノを使うことで得られる利便性や娯楽性が,目的ではないだろうか? 美術品や装飾品のように,「持つこと」自体に目的がある場合も考えられるが,それも誰かに見せたいとか,心が満たされるとか,所有する行為の先の反応に,目的が置かれている。モノそのものには,目的はまったく付随しない。(p235)
 お金はいらない。大事なのは,体験を取りに行く行動力だ。(中略)本当に求められるのは,何をしたか? 誰と出会ったか? どんな面白い意見を語れるか? という個人の経験値だ。シェアの市場に置き換えられない,行動力に裏打ちされた経験値が高値で取引される社会になっていくだろう。何かを持っていても意味がない。「何をしていたか?」が経済評価に置き換えられていく。(p236)
 モノを売るためには,営業しなければならない。これはビジネスの不変のシンプルなルールだ。(中略)待ちの姿勢というか,店先に良品を並べているだけではダメで「いいモノを売りこむ営業力」が,何よりも大切だ。(p252)
 思い出の品を捨てられないという人は結局,ヒマなのだ。いまという時間に集中して,熱中できるものに取り組んでいたら,過去を思い出すことなんか,ないはずだ。(p258)
 ぼんやりしているだけで過ぎ去り,死へのゴールが,着実に近づいていく。無為に時間を過ごすことは,最も愚かしい「ポイ捨て」作業だ。(中略)時間とはすなわち,命である。(p262)
 迷ったら時間の早い方を選ぶ。これが鉄則だ。(p263)
 時間をかければ成果が高まるという考え方は,そもそも時代に合っていない。(中略)何をしたいのかが定まれば,すぐ行動だ。動きだしが早ければ,きっと回り道よりも効果の高い,近道が見つかる。(p264)
 寿司屋の修行はまず,閉鎖的すぎる。師匠は,弟子になった者にだけ味の秘密を伝え,ときには「盗むもの」だと,教えることもしない。肝心の秘密とは,包丁の角度を変えるとか,味つけに何かの調味料を決まった量だけ足すとか,はっきりいって “コツ” レベルの知識。そんなもの,数秒で教えてやればいいのに! と思う。(p266)
 何年も時間をかけないと得られないスキルなんて,世の中にほとんど存在しない。要は,苦労した上の世代が,「時間をかけないと上達しない」というポジショントークで,既得権を守るための勝手な “修行” なのだ。(p267)
 借金トラブルは,僕はほとんど経験したことがない。貸したお金や投資金も,出した時点で,「あげたもの」と割り切ってしまう。なんなら忘れてしまうのだ。(p278)
 堀江さんのような密度の高い仕事がしたい! 堀江さんのようになりたい! と言ってくれる人は多いが,たぶん無理だと思う。(中略)思考の時間を奪うプライドなんか平気で捨てられるし,持ち運ぶ時間を取られるような,モノにとらわれない。(中略)僕と同じぐらい,時間の貴重性を意識して生きている人は,あまり見たことがない。(p280)
 邪魔なものが片づけられないまま,散らかっている。それもまた多様性の視点では豊かな状態だ。何かのエネルギーを生み出す出発点となるかもしれない。ただそれは広い観点の話。個人で見るなら,不要物は「捨てる」の一択に尽きる。(p289)
 人生においてはゲノムより,ミームの方が大事だ。(中略)ゲノムはランダムの要素が多い。だから継承には適さない。概念を記録したデータ,すなわちミームを残していくことに,力を注いでいたい。選び取るべきは “実在よりも概念” だ。(p290)
 モノが捨てられないのは,欲しいモノが明確ではないからだ。大して欲しくもないモノに囲まれていることで,欲しいモノをわかっていない自分の不充足感から逃げている。モノをたくさん持ち,偽物の安心を得ている。(p291)
 ランニングのように半ばやりたくない運動もあるが,継続させるコツは「それを習慣化させ,いちいち考えない」こと。最初に行動の目的を考えることは大事だが,その後は作業を自動化させるのだ。(p296)
 僕は,人間関係は,意外とかさばらないと考えている。(中略)一昔前とちがって格段にケアは楽になった。これは紛れもなくSNSの恩恵で,Twitter,Facebook,LINEなどのツールで,その時々の距離感に応じた「付き合い分け」が可能になったからだ。(p300)

2021年7月24日土曜日

2021.07.24 堀江貴文 『あり金は全部使え』

書名 あり金は全部使え
著者 堀江貴文
発行所 マガジンハウス
発行年月日 2019.06.20
価格(税別) 1,300円

● たくさん付箋を貼って読了した。で,その後に,一度読んでいたことを知った。しかも,昨年の9月だ。まだ1年もたっていないのだ。
 忘却力だけは人並みはずれてあるということかねぇ。

● 前回の読書もこのブログに記録している。付箋を貼ったところを抜書きしてもいる。
 で,今回はそれよりもずっと多く付箋を貼っているんだよね。ということはつまり,まるで進歩していないということだよね。前回の読書は百パーセント無駄だったってことですよ。

● 付箋をたくさん貼るというのは決していい状況ではないしね。ギリギリ20枚以内にしたいところだ。今回は80枚近かったのではないか。
 そんなに付箋を貼ってるようでは本に負けすぎだし,ちゃんと読んでるのかどうかも疑わしいよなぁ。全部に赤線を引いてるようなものだからさ。

2021年6月11日金曜日

2021.06.11 堀江貴文・西野亮廣 『バカとつき合うな』

書名 バカとつき合うな
著者 堀江貴文
   西野亮廣
発行所 徳間書店
発行年月日 2018.10.31
価格(税別) 1,300円

● 読後,爽快な気分になれる。ほとんどの人は,その爽快さを味わって,本書を読む前の状態に戻る。それはそういうもの。
 そうではなくて,何かがインスパイアされて,さっきまでの自分と変わるということが,読書という体験で起こり得るのだろうか。

● 以下に多すぎる転載。
 あなたは自由であるべきだ。なのにもし,あなたがいま自由でないとしたら,その理由は簡単です。バカと付き合っているからです。(堀江 p2)
 あなたがいま何歳であろうとも,バカがいない年代などなかったでしょう。歴史的にも,空間的にもそうなのだと思います。つまり,バカは遍在する。(中略)そんなバカの存在が,人類文化の足を引っ張りつづけてきたんだと思います。(堀江 p2)
 時代はつねに変化しているのだから,これまでに,変わり目でなかった時代などありません。(中略)少なくとも近代以降,テクノロジーの進歩がまったくなかった時代はありません。だからこそ,考えるべきは,ぼくたちを支えるテクノロジーが,文字通り日進月歩しているにもかかわらず,なぜ人間のあり方はそう変わらないかという問題です。(堀江 p5)
 成功している人って,運がいい人ではなく,運任せにせずに勝つための情報を集めにいった人なんです。(堀江 p20)
 環境に従うしかないと思っている人の多くは,いまの環境以外にいる自分を想像できていない。想像力が足りないんじゃないかなと思います。(中略)想像できないというのは,単に情報をもっていないことにすぎない。情報がないから,想像力もないんです。(堀江 p20)
 ぼくは人と違うことをやって得をしたことしかないので,いまの自分にとっては孤独もクソもないです。(西野 p26)
 小学校の勉強ができないバカとは違って,中学校で待っていたのは・・・・・・勉強ができるバカでした。(中略)そこ(東京大学)で待ってたのは・・・・・・とびっきり勉強ができるバカでした。(堀江 p29)
 いわゆる受験までの学校教育は,従順であることが成績につながります。(中略)学歴エリートの得意科目は,数学や英語ではない。彼らの本質的な得意科目は,従うことと我慢です。(中略)そこにしか秀でたものがない人材は,AIに最初に取って代わられていく人材です。(堀江 p30)
 視聴率はとった。若手ではほとんど一番と言っていいくらいよかったんじゃないかと思います。でもどこまで行っても,テレビの世界では,先輩方を追い抜けなかった。どうしてかと言えば簡単で,結局ぼくは,先輩方の敷いてくださったレールの上を走っていたんです。(中略)レールの上を走っているかぎり,そこで成績を出したら,それはレールを作った人の成果になるんです。(中略)一番を獲りたいのなら,自分がレールを作るべきだった。(西野 p35)
 耐えて我慢すること自体がいいことだと誤解しはじめる人がいます。(中略)「良薬口に苦し」っていうことわざのせいもあるでしょう。論理がスライドして,「口に苦いものは良薬なんだ」と誤解しはじめる。そもそもこの時点で論理を理解できていないから,バカ。(堀江 p41)
 いまの時代に必要なのは,我慢できないほど,「これをやりたい!」と欲望する力です。我慢とは真逆の力。(堀江 p45)
 ぼくの物事の進め方は,群れるよりもひとりの道,孤独な道を選べ,そのほうが得だということ。それに尽きます。(西野 p49)
 彼らは皆,ぼくにとって重要なある一点で共通しています。それは,無根拠な勘でブレーキを踏まないこと。だから,彼らといっしょになにかをやるときも,サロンでなにかをやるときも,とにかく早いんです。(中略)(無根拠な勘でブレーキを踏む人の)なにが問題かというと,経験が溜まっていかないんです。(中略)経験の積み重ねだけが,勘の鋭さを磨きます。(中略)経験値の低い人の勘ほど意味のないものはないんです。(西野 p50)
 座学というスタイルの中に,「行動するな」というメッセージが含まれてしまっているんです。(中略)そんな環境の中にいるうちに,「やりたいことを我慢する」ではなく,「やりたいことがない」に変わっていく。「欲望する能力」を失っていく。(堀江 p55)
 本当に必要な知識が何かなんて,実際に行動しないと見えてこないものです。(堀江 p56)
 けど彼らは「怒って」いました。感情で反応していました。なぜ感情的にならざるを得なかったか。ようは,怒っていた人たちは,その常識がどんなロジックで成り立っているか,本当はわかっていなかったんじゃないかと思います。(西野 p65)
 ぼくから見れば,テクノロジーに抵抗を示す人たちは,機械になりたい人たち。それが経営者なら,人間を機械扱いしたい人たち。(堀江 p71)
 「付き合え」って言ってくるやつに,優秀なやつはいません。だって,優秀な人のまわりには,言わなくても人が集まってくるものなので。(西野 p75)
 上の世代の人は「他流試合に挑んできたものこそ一流だ」みたいなことを言うんですけど,(中略)それはその人たちのポジショントークです。その人たちだけに圧倒的に有利な屁理屈です。(中略)こちらにメリットのない理屈に付き合ってアウェイ戦をやる必要はありません。(西野 p78)
 ひとつの仕事で一生を生き抜くなんて,天才にしかできない生き方です。野球のイチロー選手を想像してください。非凡というのはああいうことです。(堀江 p81)
 たまたま,数十年前の高度成長期に,終身雇用が実現する「例外的な時代」がたしかにあった。厄介なのは,その時代を経験した上せだいがそれが「例外的な時代」だったことに無自覚だということです。(堀江 p85)
 天才というのは,生まれ持った天性のなにかがあるということではないと思います。環境によって,天才にならざるをえなかった人たちなんです。(西野 p89)
 なにか新しい才能がほしかったら,そういう環境に自分を追い込めばいいんです。設計図を書きすぎるというのは,これと真逆です。設計図を書いた時点で極端な環境はやって来ない。つまり,設計図を書くという作業は,自分が成長するチャンスを手放すことに等しい。(西野 p92)
 人生とはなにか。人生とは単純に,時間のことです。まどろっこしい哲学なんて関係ない。(堀江 p106)
 自分の時間を差し出すことで,服従を表現する文化も大嫌いです。社会学者の古市憲寿くんは,「手書きの手紙をよこしてくる編集者とは仕事をしたくない」と言っています。まったく同感。(堀江 p119)
 三国志の故事に,「三顧の礼」ってあるじゃないですか。(中略)現代では反面教師にすべき故事成語です。(中略)俺が欲しければ同じことを言いに三度訪ねて来いなんてやつ,名軍師じゃない。バカです。(堀江 p120)
 善意のバカは本当に嫌いです。本当にタチが悪い。(中略)自分がいいことをしていると信じて疑ってないから,なにを言っても耳を貸さない。(中略)最近だと,被災地に千羽鶴を送るというやつもまさに同じです。それ被災しえいる人にさらに迷惑を押しつけることにしかならないから・・・・・・と説明しても,それでも頑なに「これは善意。口出しされる筋合いはない」と開き直る人がいる。(西野 p123)
 善意って,すごい強大な力を持っているんだと思います。(中略)なにが強大かというと,人を思考停止させる力が強大なんだと思います。(西野 p124)
 独善的,つまり独りよがりの善っていう形容詞がありますけど,逆に,世の中に独善じゃない善ってどれくらいあるんですかね?(西野 p126)
 常識やマナーに従うのもバカ。風紀委員みたいに,「マナーに従え!」と他人に口出ししてくるやつはもっとバカ。最上級のバカは,マナーを作るバカです。(中略)マナーなんてどこかのバカが作ったものです。(堀江 p132)
 将来あれをやるために,いまこれをする。つまり未来から逆算して現在を生きているとき,それは「真の現在」ではない。未来に縛られた現在なんて,偽の現在だと。(中略)最後に死ぬときから逆算して現在を生きるなんて,ぼくはぜったいにやりたくない。ぼくに言わせれば,そんなのは,死に縛られた生き方です。(堀江 p154)
 出版のオファーをもらえるのはありがたいことだから,書籍を通して,自分なりの考え方を,これまでも何度も伝えてきています。ただ毎回ジレンマを感じるのが,ぼくが言っていることは,実際の行動が伴わなければ意味がないということ。だから本なんてよんでないで,いますぐいっしょに動こうぜ!という言葉がいつも喉元まで出てくる。(堀江 p165)
 行動が伴わない人の思考は浅いんです。(中略)バカ以下というか,無です。存在以前。(堀江 p167)
 行動することは,いま現在を生きていることの存在証明です。過去も未来も見ずに,行動してください。そうやって,存在してください。(堀江 p168)
 頭がいいということは,速いということなんです。(中略)人間の頭のスペックなんて,東大卒だろうが中学卒だろうがそんなに差はないんです。地頭力なんて幻想。人間な時点で人間に可能な程度の振れ幅しかない。(中略)だからこそ,余計な思考を捨てることが即,頭のよさにつながるんです。(堀江 p179)
 大学1年のころ,同級生といっしょにヒッチハイクに挑戦したことが,重要な経験をもたらしてくれました。(中略)実際断られる。ほとんどはそうだった。けれども,10回やるとひとりは「乗れよ」と言ってくれた。「断られるかもしれない」と何度考えてもその時間は無駄で,大事なのはその1回の「乗れよ」に早く出会うこと。そのために必要なのが,バカになることだった。(中略)小利口だったぼくは,バカになった。(堀江 p212)
 「ほかの人がやったことのないことをして自分の個性を確立したい」とか言い出す。その発想自体がもう,没個性。発想力がないから,みんな揃いも揃って,インド行っちゃったりする。(堀江 p215)
 個性とは,あなたがなにかをやりたいと思う気持ちです。そして,あなたのやりたいという気持ちに,理由なんて必要ありません。あなたが存在することに理由なんて必要ないのと同じです。(堀江 p216)
 未来を考えず現在だけを生きろといのは,「死」の存在を無視しろということでもあります。お前なんか関係ねーよって,死を突き放しているんです。(堀江 p222)
 真似することは,個性を育てるんです。いいと思ったことは,好きに自由に,真似る。パクる。人と違うことをしなければと考える「自分探し」とは逆の道ですね。(堀江 p225)
 情報は,自分自身が行動することによってしか集まってきません。だから行動するし,そのことでよりたくさんの情報を集めようとしている。情報があればもっと行動できるから。(西野 p232)

2021年3月15日月曜日

2021.03.15 堀江貴文 『僕たちはもう働かなくていい』

書名 僕たちはもう働かなくていい
著者 堀江貴文
発行所 小学館新書
発行年月日 2019.02.06
価格(税別) 820円

● パンドラの箱を開けるという言葉が出てくる。人間はパンドラの箱を開けてしまうものなのだ,と。AI開発でも然り(といっても,ぼくには何がパンドラの箱になるのかはわからないのだが)。堀江さんはそういうものだと割り切っている。
 割り切るも何も,原発はおろか,原爆も水爆も作ってしまっているのだから,それはそうに違いないのだが。

● 徹底的にテクノロジーの側に立つと堀江さんは決めている。そこにゆらぎはない。

● 以下に転載。
 AIを人類の敵とみなし,わけのわからない脅威論で排除しようとするなど,絶対に許されない愚行だ。根拠のない感情論で,テクノロジーの進化をせき止めるのは,人が知性体であることをやめるに等しい。(p8)
 IT革命とグローバリズムにより,経済格差や情報格差,教育格差など,あらゆる分野で格差がどんどん拡大している。今後はAIやロボットを使いこなす人と,そうでない人との格差の拡大が始まる。使いこなす側が受けられる恩恵と,使いこなせない側のフリ液は,これまでの格差とは比べものにならないほど,大きくなるだろう。(p11)
 国にお金を集めても,ロクなことがないからだ。もうこれ以上,変な税収で国家を焼け太りさせるべきではないだろう。そんなお金があったら,アマゾンやグーグルにもっと稼がせてほしい。先進的なIT企業にお金が集まる方が,よほど世の中のイノベーションの助けとなるだろう。(p29)
 人間だって,例えば脳だけの存在で,身体を持っていなかったら,現在のような知性体への進化はなかったはずだ。(中略)身体がなければ世界のリアリティを得られず,成長しない。それは,AIも人間も同じという考え方だ。(p32)
 私たちはみんな,生まれたときから,「手」で触り,知識を蓄え,成長してきた。AIをヒトへ近づけるというなら,同じ順序の成長を課していかねばいけない。ヒトへの進化に近道はないのだ。リアルの世界に出て,痛みを得たり「手」を汚したりしなければ,大事なことはつかめない。(p45)
 今後,アンドロイドの開発において,最も解決しなければいけない課題は,「不気味の谷をどう越えるか?」という基本に戻っていく気がする。「不気味の谷」とは,ロボットの姿や仕草をどんどん人間に近づけていくと,ある程度までは親近感が増すものの,それを越えると,今度は逆に不気味さや嫌悪感が出てくる現象のことだ。(p77)
 AIロボットの膨大なインタラクションデータがクラウドに同期されるようになったら,カーツワイルが指摘したように,人の頭脳や記憶もネット上に保存できるようになる。(中略)人がAIやロボットの研究を続けているのも,永遠の命を得たいという,本能的な希求によるものではないか。(p89)
 人は,いつの時代もパンドラの箱を開ける。そして開いた箱は,もう閉じられない。火力も,原子力も,「人間そっくり」のAIロボットにも同じことが言える。テクノロジーで適切に管理しつつ,私たちの文明に活かす。それができなければ,人は知性体とは言えないのだ。(p91)
 外食産業全般で本当に人手が求められるのはごく限られたパートのみになりつつある。最後の接客のコミュニケーションのパートだけは人間が担い続けていくと思う。(中略)私が飲食業のビジネスモデルとして注目しているのは,スナックだ。仕入れはほとんど酒屋との連携で自動化されており,ママの愛嬌とコミュニケーションの才能で,集客をうまく回している。(中略)中途半端に人を介在させるのではなく,魅力的なママだけは人間で,あとの作業を担うのはロボットで十分だ。(p131)
 金やレアメタルを埋蔵している鉱山の発見にも,AIの画像認識は使われる。山の外観写真の解析だけで,ゴールドラッシュが! という奇跡は,夢物語ではないかもしれない。(p144)
 これからはデータの価値がますます高くなる。(中略)金やアイデアではなく,情報を持つ者が勝つ。(p146)
 あらゆるビジネスは人材集めに尽きると言っても過言ではない(p156)
 専門性の高い分野にも,AIロボットの進出は進んでいる。近い将来,一部の有能な医師が,世界中の患者の診断・手術を,遠隔ロボットを介して手がけることが予測されている。そしてヤブ医者は,きれいさっぱり消え去る。(p165)
 経営者の立場から見てロボットの方が安く導入できるのなら,躊躇なく取り替える。それをしなければ,経営者失格だ。まったく不合理はない。(p168)
 人が働く根源的なモチベーションは,楽しいから,好きだから。それが基本だろう。(中略)これからの時代,生き残れるのは,安定した仕事を与えられた人でも,お金持ちでもない。働かなくてもいい世界で,なおモチベーションを持ち,何かの行動を起こせる人が,生き残れるのだ。(p171)
 遊びが仕事全体の大きな部分を占めるようになって,GDPというものは,経済的発展のたしかな指標にはなりえなくなっている。仕事の定義づけが変化しているこの時代に,「財が足りない」と嘆いているのは,財を獲得するために正しい情報を得ていない証拠だ。「財が足りない」と嘆く人は,「どこに財があるのか気づいていないだけかもしれない」と,まずは考えを改めてみてほしい。(p175)
 日本の経済は長引く不況でひどいことになっているとか,アジアのなかで地位が急落しているとか,ネガティブな情報にばかり目を向けてはいけない。(中略)2018年のGDPは550兆円を超えている。数値は30年余りで,倍以上の増額だ。(p178)
 実は世界に,富は有り余っている。食料なんて,生産されたうちの,ほとんどを廃棄している。(p179)
 食べるために仕方なく・・・・・・という感じで,嫌々働いている人々は,大きな目で見ると,経済を “マイナス成長” させている。そんな無駄な不利益を防ぐためにも,ベーシックインカムを導入して,無理に働いてもらわないことは有効だろう。(p182)
 好きなだけではやっていけない仕事もあると反論する人もいるかもしれないが,好きなだけでやっている人が,だいたいうまくいっているのが事実である。(p187)
 テクノロジーは常に,それまでなかった面白みのある仕事をつくりだし,労働者の所得を上げてきた。人々の人生にやり甲斐をもたらず,優秀なジョブ・クリエイターでもあったのだ。(p189)
 インターネットの出現は,これまでのテクノロジーとは少し様相が違っていた。情報の可視化により,グローバリズムが急進した。(中略)巨大な富の格差が顕著となった。(中略)グローバリズムによって富は最適化されて,1箇所に集まりやすくなったためだ。(p189)
 AIロボットが社会進出を果たしていったとき,私たちは,人にしかできないものは何か? という根源的な問いを突きつけられることになる。(中略)きっと私たちよりも,AIの方が,その答えを待っている。(p191)
 栄華が永遠に続くかのように言われている「GAFA」とて,いつまで支配的な立場を維持できるか,わからない。ひと昔前までは,ハイテク産業はIBMやマイクロソフトの支配が永遠に続くと思われた。だが巨大な力は,もう見る影もない。(p194)
 目立ちたいとか,フロントマンでいたいとか,そういう次元で,私は大事な時間を費やしたりしない。いまこの瞬間を,最高に楽しく,輝いている仲間たちと一緒に,遊び尽くし,やりたいことをやって生きていきたいだけなのだ。その姿を多くの人たちに見てもらい,私と同じ最高の時間を,共有したいだけだ。(p195)

2021年2月6日土曜日

2021.02.06 堀江貴文 『これからを稼ごう』

書名 これからを稼ごう
著者 堀江貴文
監修者 大石哲之
発行所 徳間書店
発行年月日 2018.06.30
価格(税別) 1,300円

● 副題は「仮想通貨と未来のお金の話」。大きく分けて,2つのことが語られる。
 1つはテクノロジーの優越。仮想通貨を作りだしたテクノロジーが国家の通貨発行権を崩していく。技術革新は国家による規制を超えて進化していく。いったん,この世に現れでたものはもう留めようがない。
 2つめは,個人の生き方としてお金換算主義からの脱却を説く。お金の価値は下がってきたし,これからも下がる。お金に囚われるのはなく,お金では測れない魅力を追求しなくてはいけない。

● 以下に転載。
 仮想通貨は,貯金や投資にとって代わる画期的な財テク術ではない。儲かる,儲からないの考え方で捉えていると,本質を見失う。仮想通貨は,僕たちの “これから” の未来を豊かな方向へデザインする,テクノロジーのひとつだ。(p4)
 僕は負の情緒よりも,テクノロジーを信じる。最初のハードルを超えた,どこかのタイミングでは,日本円や米ドルの代わりのように使われ始める。世界がフラット化していく中で,グローバルペイメントの需要は個人間でも広がっていく。(p22)
 現物の紙幣ではなく,銀行口座の数字のやり取りになっているところが,お金がバーチャルであることの何よりの証拠だ。(p32)
 ビットコインが流行るために必要だったのは「投機」だった。「儲かるだろう」という投機目的で,多くの人が入ってくることが必要だった。(p37)
 こういった先のことを見越さず「仮想通貨は投機だ」なんて言っている人は,金融の素人なのだろうと思う。日本円と米ドルの通貨取引だって,ほとんどは投機だ。売りと買いがあるから成立する。(p41)
 寄せては返す波のように,バブルとバブル崩壊は繰り返される。その周期は技術革新やノウハウやシステムの洗練,インターネットの影響もあり,明らかに短くなっている。(p47)
 銀行による運用をはじめ,これまでの投資の原則は,規模の部分での成長を見越していることが勝ちのパターンだった。最たる例が,右肩上がりの人口への投資だが,これは頭を使っていない投資,はっきり言えば,バカでも勝てる投資だ。(中略)日本の人口が増えなくなれば,「次は中国だ,その次は東南アジア,そしてアフリカだ」といった感じで,人口ボーナスがある国を目指して投資をしていた。僕はこれからの世界で,こんな牧歌的な投資手は通用しないと考えている。(p49)
 先進国では,子供を生み育てなくても生活していけるようになっている。(中略)先進国では子育てをするよりも楽しいエンターテインメントが多く存在している。労働するばかりで,今と比べて圧倒的に娯楽も少ない時代では,子育ては労働力の確保のためでもあり,エンタメでもあったのだ。(中略)先進国では,子供以外の投資対象も数多く存在する。子供に賭けるくらいなら,別のことに投資をした方が豊かに生活できてしまう現実がそこにはある。(p50)
 人口ボーナスで儲けられなくなった巨額のマネーが目指す先は,もちろん人口ボーナスとは無縁の業界だ。(中略)つまり,それが人口だろうが,エネルギーだろうがAIだろうが,なんでもいいのだ。その価値の源泉をどうやって生み出すのかというのが,最も重要なのだ。(p52)
 日本だろうとアメリカだろうと,国なんていうものは,案外信じられないものだ。(p82)
 「選択できる」ということが重要なのだ。(p93)
 誰しもが正解を求めたいと思っている。未来永劫続く正解がほしいのだろう。ただ,残念なことに,そんなものは存在しないのだ。(p97)
 銀行が仮想通貨を発行する理由とはなんだろう。おそらく「とりあえずやっておきますか・・・・・・」みたいな話だ。上司が納得する範囲で,無理なく,事故がないよう,やっているアリバイを作るサラリーマンが,自分の地位を脅かすようなリスクを取るわけがないのだ。現代社会の抱えている問題点は,まさにそこにある。(中略)どうしても既得権を守る方向に力が働いてしまう。(p144)
 日本でキャッシュレス化が遅れた理由は,飲食店の責任もあると思う。(中略)かたくなに現金払いにこだわる理由なんて,僕には経営者の脱税目的ぐらいしか思いつかない。(p158)
 2016年時点では,通貨の世界のビットコイン取引のほとんどは人民元建てだった。ビットコイン価格が高騰し始めたのも,自国通貨を信用しない中国人たちが,キャピタルフライトの手段として目をつけたことが,一番のきっかけだった。(p160)
 法律とは不思議なものだ。国や為政者が徹底して規制を行っても,必ずどこかに抜け道,バグのようなものが生じる。(中略)一方で,法律は結構いいかげんなものだったりもする。明らかに現行法では違法なのに「昔からやっているから」とお目こぼしを受けているようなものだ。例えば,ソープランドなんていうものは実質的には管理売春である。(p162)
 日本でも利用者の多い米国籍のとある有名なウェブサービスは,日本人の創業者が自分の通っていた大学のブロードバンドを使って無修正のアダルトビデオをアップロードしていたことからビジネスが始まっていたりする。おそらく日本に帰ってきたら逮捕なのだが,彼らはみな変に腹が据わっている。断言するが,これからもそういう者は続々と現れるし,アナザーウェブは絶対に終わらない。これは善悪やモラルを超えた話だ。(p163)
 中国政府にとって,最大の脅威とは何だろうか。彼らの恐れが表れている象徴的存在が,国をすっぽりと覆うグレートファイアウォールだろう。(中略)中国共産党の歴史は,本来規制できない性格のものを,無理矢理規制してきた歴史でもある。しかし,グレートファイアウォールも,衛星インターネットの出現でなきものになる。(p165)
 かつては情報の統制が国を形作っていた。(中略)国を統治するための共同幻想を作り上げるためには,情報の遮断が一番てっとり早い。だが,メデイアのパワーは強力だ。(p167)
 どの時代にも法の目をかいくぐって世の中を変えてやろうという勢力や,そもそも法を意識しないアウトローが現れる。(p167)
 規制はその性質上,先回りができない。何か統治側にとって都合の悪い問題が起き,世論が盛り上がり始めた時に,初めて対応に動き始める。それでは遅い。すでに一定の規模でグローバルに浸透していったイノベーションを一国の都合で潰すことは,絶対にできない。(p167)
 僕らは技術革新に抗えないということを理解しているはずだ。便利な携帯電話ができれば,最初は「こんなもの!」と,抵抗があっても,いずれみんな使い始める。テクノロジーは常に優越するのだ。テクノロジーの持つ力をもってすれば,国家の通貨発行権ぐらいは,当然将来的にはなきものになるだろう。(p168)
 規制は決して技術に対抗できない。守る側の方が,遅い。だから,僕は新しい方に張るのだ。(p168)
 メルカリが爆発的に流行った背景には,「インスタ映え」の影響が大きい。(中略)インスタに写真を上げれば,もっと手軽にもっと効率良く,承認欲求が満たされる。だから,お金がある人はZOZOTOWNで洋服を買って,インスタに写真を上げたあと,メルカリに流すという行動に出る。お金がない人は,メルカリに流れた洋服を買って,やっぱりインスタに上げて,再びメルカリに流す。それは,結果的にシェア経済ということだ。(p184)
 テクノロジーの進化により,C2Cで人々が充分暮らせるようになってきた。これからは徴税というものが,根本的に難しい時代が到来すると予測している。ここで,大きなエスタブリッシュメントの組織が既得権を守らんとして,無理筋な法整備や規制に乗り出してしまうのは問題だ。結局それが成長の歯止めや,本当に助けを求めている人たちを切り捨てるなど,社会問題を生じさせている。(p195)
 世に現れてしまったものは,もうどうにもならない。利用する人たちの成熟スピードに合わせて,法規制にとらわれることなく,態様を自在に変え,進化していく。(p201)
 我々が幸せになるために必要な資源は,かなり少ない。今ある資源の1%以下じゃないかと思うくらいだ。(ラリー・ペイジ p205)
 テクノロジーは人間から何かを奪ったりはしない。金も仕事も,奪うのは人間の思考だ。お金はもうすでに大量に有り余っていて,人が働く必要は急速に消えつつある。テクノロジーは,その真実を明らかにしているのだ。(p205)
 テクノロジーのお陰で,人間が汗水垂らして働かないといけない場面は,どんどん減っている。ということはお金の出番が減っている。以前ほどには,ありがたくなく,投じた手間や苦労を,ねぎらってくれるものでは,なくなっているのだ。(中略)お金の価値は下がっている。今後も下がっていくだろう。そんな社会で,豊かになれる人は,どんな人だろうか? 答えはひとつ。お金との交換ができない独自の価値基準を持っている人だ。(中略)ノウハウやプレミアムなスキルなど,他の人が簡単には入手できないものを,装備すること。すると,お金では代替できないモテ価値が生じるのだ。(p206)
 役に立たないことをしている人に価値が生まれ,仕事が集中する。ダイナミックな価値のパラダイムシフトが起きている。この変化を,受け入れてほしい。(中略)金儲けを考えている時代ではないのだ。(p210)
 設備投資せずに人間にやらせている無駄な仕事が,昔は本当に多かった。ニュースなどのアーカイブ映像で見ると,昭和のサラリーマンの仕事の大部分は,めちゃくちゃ無駄だったと思う。みんなよく耐えたものだ。(p212)
 21世紀以降はIT技術が発達した。(中略)「機械の代わりに人が働く」時代から「人の代わりに機械が働く」時代への移行だ。(中略)人間はロボットにはできず,人間だけができることをしないといけなくなった。それは何か? 遊びである。(p213)
 「食べていくために」安い仕事で我慢している人たちが,実は経済発展において,大きなネックだ。低い待遇で働こうという集団がいる以上,労働単価は上がらないのだ。(中略)すごく迷惑な存在だ。(中略)安い賃金で,いやいや仕事をしている人は極端な話,社会の発展を邪魔していると思ってくれた方がいい。(p214)
 大切なのは「他人の時間」に生かされるのではなく,「自分の時間」を活きる意識だ。(中略)誰もが,永遠の時間を持っているわけではない。まず「いまここ」の時間を使い方を大事に考えないとダメだ。(p216)
 自分の魅力での成功体験が少ないと,通貨主義というか,お金に拘泥してしまうのも,まあわかる。(中略)お金換算で物事を考えがちな人ほど,モテない属性に固定される。(p221)
 非モテは,評価経済社会で,ふるい落とされるといのは誤解だ。動き出しが,足りない。評価経済社会だろうと通貨主義社会だろうと,動かない者が負けるという真理は変わらないのだ。(中略)ヒゲはきちんと剃るとか,その程度の動き出しでいい。(中略)ちょっとの勇気で,ちょっとの行動を起こす。その一歩は,見た目の何倍もの距離へ歩み出すことになる。そうした小さな変化は,また次の変化を呼び,評価・信用に繋がる好循環になっていくと保証しよう。(p223)
 批判的な人は,同じようなコミュニティの中で閉じ,受け入れる人たちは,よりオープンな世界へ飛び出していく。その二極化は,進んでいくだろう。(p234)

2020年12月13日日曜日

2020.12.13 堀江貴文 『ハッタリの流儀』

書名 ハッタリの流儀
著者 堀江貴文
発行所 幻冬舎
発行年月日 2019.07.10
価格(税別) 1,400円

● 本書のタイトルからは,実力なんか要らない,ハッタリをかまして目眩まし戦法で生きていけばよい,と言っているのかと思われるかもしれないが,残念ながらそうではない。
 本書で説かれているのは,まっとうな努力の大切さだ。第4コーナーを回ったあたりから,その生真面目さが全開になる。

● 以下に転載。
 人は夢を見たい生き物なのだ。大事なのは「そんなことできないでしょ」と思うようなハッタリを大きくかまして,周りからの注目を一気に集めることだ。そうした「ハッタリ人間」が,結果的に突き抜けていく。(p3)
 一億総評論家時代のように,みんながテレビの前やSNSで他人のことをツッコム。だからこそ,これからの時代は「ボケ」の時代だ。「ボケ」られる人間が貴重だ。他人に「ツッコミ」ばかりしている人に熱は起こせない。(p11)
 今後,生活コストはますます下がっていく。生活のために必死になって働かなくても,何とかなってしまうのだ。(中略)そういう時代には,歯を食いしばって労働作業をする人よりも,お笑い芸人より狂った大ボケをかまし,マンガのような世界を実現しようとするハッタリ人間が求められる。そこに熱が生まれ,人が巻き込まれていくのだ。(p22)
 今,多くの投資家は「カネ余り」に直面している。とても自分たちで使い切れる額ではないので,いいアイデアやアートなど唯一無二のものさえあれば,すぐさまそこに投資したいと待ち構えているのである。(中略)手元に資金がなかったとしても,あなたに唯一無二の可能性や面白さがあると思われた瞬間,ノリでお金が集まる時代なのだ。(中略)お金は君と遊びたがっている。(p34)
 時間を持て余している「大衆」を,社会にダブついた「お金」を,自分のところに集める方法。それはカンタン。好きなことに「損得抜きにして」没入することである。皮肉だが,利害を考えて,人や小銭を集めようとするケチな人間には人もお金も集まらない。(p41)
 今後を見据えてあらかじめ何かにハマっておくなんて,そんな器用な真似ができるわけがない。とりあえず今は,眼の前の本当に興味のあることにハマりまくる。後からその点をつなぎ合わせ,線にしていくことしかできないのだ。(p43)
 「役立つ・意味がある」という価値が下がる。そして「面白い・心が動く」という基準が重視されるようになる。(中略)計算可能な頭脳労働はもはやAIのほうが得意だ。意味があること,役立つことは,ロボットのほうが正確にやってくれる。しかし,意味はないけど面白いこと,というのはロボットにはできない。(p47)
 この動きを加速させるためには黙々とハマるだけではなく,過程を発信し続けることが大切だ。(中略)挑戦の過程こそが一番のエンタメだからである。(p52)
 SNSが出てきてからは,情報なんてコントロールできなくなった。(中略)情報を出し惜しみしていたら,埋もれて誰にも気づかれずに終わる。(p54)
 一方的でオフィシャルな発表を聞いても心は動かない。自分にだけ呟いてくれていると錯覚するような日常的な発信を受け取っているうちに,どんどんファンになっていくのだ。(p55)
 可処分所得の奪い合いの時代から可処分時間の奪い合いに移ったと言われる。(中略)読書をするか,LINEをするか,飲みに行くか,すべてがライバルになっている。そしてその次は可処分精神の奪い合いだ。心を奪えるか? 心を預けてもらえるかどうかが問われてきている。人は心を奪われて初めて時間を使う。時間を使ったその後に,財布を開くのだ。だからこそ自分の努力の過程を,成長の軌跡を,自分の言葉で発信し続ける。(p55)
 ファンがいなければ,勝負の土俵に上がれない時代に,これから我々は放り出されるのだ。恥ずかしがらずに人生をさらそう。そしてお金より共感をためよう。(p60)
 一億総老後時代のようになるだろう。貯金も時間もあるんだけれど,やることがない。(中略)多くの人が,何かワクワクすることはないかと,考え始める。すると老後を迎えたおじいちゃん,おばあちゃんが孫の夢を応援するように,好きな人の夢を応援することが,これからはエンターテインメントになっていく。(中略)これからは他人に「応援させてあげる人」が価値を持つ。(p63)
 「どこかで見たことがあるストーリー」に人は熱狂しない。(p65)
 どうしたら「ハッタリ」の器を広げられるか。それは日々,やったことのない経験をして,出会ったことのない人たちと会うことだ。すると自分の目線が上がっていく。(中略)筋トレと同じように,メンタルや行動力も負荷をかければかけるほど強くなっていく。(p70)
 僕は,どちらかと言えば,営業に向いていないタイプの人間である。そんな僕でも,いろいろな場所にプレゼンに行って,多くの仕事や投資を成立させてきた。それは,「知人に紹介してもらった人にしか会わなかったから」である。(中略)巧みなプレゼンをしたり,キレイな資料作りをしている時間があるならば,自分の提案を欲しがりそうな相手を探すことに時間をかけたほうがいい。(p80)
 机の前でウンウンと考えているのではなく,あなた自身がいろいろなところに行き,面白い人と会いまくり,ネタをたくさん持っていなければならない。「こいつは面白い」と思われることだ。(p101)
 スクリーンに映し出すスライドは,「何かを解説するための資料というよりも,口頭で次の話題を出すためのきっかけにすぎない」と考えてほしい。シンプルに,箇条書きで,必要な項目を列挙してあれば十分だ。(p104)
 まず必要なことは「こうあるべき」という世間一般の常識を一切捨てることだ。(中略)「いいハッタリ」とは完全に常識の外部から来る。計算や論理の先にある予定調和なものに人は熱狂しない。(p111)
 「もっともらしい言葉」には未来の真実はない。過去の結果でしかない。まずは頭の中から「もっともらしい言葉」を捨てよう。(p113)
 真面目な人ほど「世間の目」を気にしてしまう。つまり,どうにもプライドが高すぎる。(中略)自分の望みとは関係なく,世間の目を気にして物事を決めてしまう。そんなツマラナイ人間のハッタリなんかに誰も乗ってこない。(p121)
 昔と違ってSNS時代には情報は公開すればするほど,公開した人のもとにも情報が集まる。だから情報は出し惜しみされなくなってきた。人類史上初,成功ノウハウがタダ同然で手に入る時代。ノウハウの価値は下がり,あとはやるか,やらないかだけ。つまり,行動する人が最高に得をする時代なのだ。(p136)
 すでに上手くいっている方法をパクるのは基本中の基本だ。大して才能もない人間が,机の前であーだこーだ考えている時間ほど無駄なものはない。(p137)
 やらされ仕事をやっていると,上司や取引先に怒られない範囲で納品しようという社畜精神が出てしまうが,自分が好きなことを仕事にしていれば一〇〇点以上を目指そうと自然に力が入る。(中略)自分が熱を込められる好きなことであれば,オリジナリティは自然とにじみ出てくるものだ。(p141)
 ハッタリをかます人には共通点がある。それは「根拠のない自信」を持っているというところだ。君から見たら脳天気なバカかもしれない。(p149)
 「ハッタリをかましてその後で辻褄を合わせること」は,あらゆる場面で大きな成果をもたらしてくれる。僕はこれを,人生の最高奥義だと思っている。(p153)
 チャンスというものは,あらゆる人の前に現れる。それなのに,チャンスをものにできる人とできない人がいる。それは,目の前に現れたチャンスに,ノリよく飛びつくことができるかどうかにかかっているのである。(中略)そして,「ノリよく飛びつく」こと自体にも場慣れがある。最初は躊躇していても,いつもいつもノリよく飛びついていたら身体が勝手に反応するようになっていく。(p156)
 目先の苦労を避けることはできない。ラクができる状況のようなものは,大きな苦労をした先にこそ待っているものだからだ。周りの人から「苦労しているな」と思われるようなことをとことんやって,その先にあるラクをつかんでいく,というのがむしろ正解なのである。(p173)
 本気で努力をする人は意外といない。大体が六五点ぐらいまで。一〇〇点までやる人なんてほとんどいない。そして一二〇点までやり切る人間は皆無だ。だからこそ「努力」はコスパがいい。(p176)
 本当の努力は楽しいものだ。逆に言うと楽しくない努力をしているようだとまだまだ甘い。(中略)いま努力がつらくても,焦らなくて大丈夫。「努力」が楽しくなるのは,少し自分が得意になってからだ。(中略)だから,まずはガムシャラに徹底的に,とことんやり切って,自分のレベルを上げてみることだ。(中略)僕は,いろんなことを楽しんでいるだけのように見えるかもしれないが,まずは八〇点くらい取れるようにガッと努力する型を持っているからだ。楽しくなってさえしまえば,一二〇点までは突き抜けられる。(p179)
 成功への道のりは,最初はコツコツ,後から一気に加速する。まずは焦らず積み上げよう。(p184)
 たくさん叱られたし,批判もされた。でも,そんなことは気にしない。「人はいろいろ言うけれど,そのうち飽きる」「他人は自分になんて興味がない」ということがわかっていたからだ。(p189)
 これからは労働がオワコンになり「遊び」の時代になる。そこでは,「大人」になってしまった退屈な人は価値を生まない。バカ丸出しでボケ続ける「子ども」こそが魅力を放っていく。(p189)
 SNSで大きな挑戦をしている人を揶揄したり,笑ったりする人がたくさんいる。しかし,舞台に立っている人を笑っている観客は,人生の大事な時間を人に使っている。一方,舞台に立って周りから笑われている人は,その他人の時間を自分が吸収している。だからこそとんでもないスピードで進化していくのだ。(p195)

2020年11月4日水曜日

2020.11.04 堀江貴文 『情報だけ武器にしろ。』

書名 情報だけ武器にしろ。
著者 堀江貴文
発行所 ポプラ新書
発行年月日 2019.03.27
価格(税別) 860円

● 副題は「お金や人脈,学歴はいらない!」。すでに発刊済みの書籍やメルマガなどからタイトルに絡む文章を集めた箴言集のようなもの。堀江さんはすでに何冊も箴言集を出しているが,本書もそのひとつ。
 それだけ需要が多いのだろうし,新書版にして価格を抑えることで新たな読者が付く,ということもあるのかもしれない(ないか)。

● 以下に転載。
 情報を持たなければ,人は恐怖に駆られる。仕事や人生の,将来についての不安や恐怖の大半は「情報不足」が原因だ。今,「未来」の何かを怖がっているのなら,残念ながら,あなたは「情報弱者」ということ。(p5)
 僕は子どもの頃から「自分の強みを生かせる『市場』を選ぶ」という思考で過ごしてきた。だから,勝算がなさそうなら,「決められた土俵」には上がらない。(p16)
 まず伝えたいのは「情報とは,自分から積極的に取りにいくもの」という点だ。向こうから舞い込んでくるような情報には,むしろ軽快したほうがよい。(p21)
 幸運にも,現代では,「情報を手に入れる」ためのツールは揃っている。スマホのニュースアプリを使ってもいい。SNSを駆使して,「興味のある人」「先を行く人」の発信をフォローし続けてもいい。そして,情報をハントする「狩り」が終わったら,次は自分の頭で考え,自分なりの言葉で世界中に発信し,頭の中を整理するクセをつけるのだ。(p21)
 取り入れた情報は,すぐに忘れてもかまわない。本当に大事な情報は脳の片隅で待機してくれている。脳はよくできている。(中略)情報の端緒さえ思い出すことができれば,あとは検索するだけでいい。(p26)
 限界まで予定を入れて,やりたいことをやってみると,時間をどう使えばいいのかが浮き彫りになってくる。(p27)
 「抽象的なことをダラダラと考えるクセ」と縁を切ることもおすすめだ。「やりがいって何だ?」「人生において幸福とは何だ?」「努力って何だ?」 こんなことにいくら頭を使っても,残念ながら何も生まれない。(p27)
 「考える,調べる,試す」という「思考実験」を繰り返し行うことでしか,情報を価値あるものに高めることはできない。情報を得ている者が強いのではない。思考実験をし続ける者こそが最強なのだ。(p33)
 「○○さんに会う」というライブ体験に,過剰に心を踊らせるくらいなら,その人の著作やSNSを丁寧に追いかけたほうが,よっぽどいい。(p35)
 何かに没頭して自信を持って訴えかける熱量がないと,「会いたい人」に会っても,化学反応は起こらない。(p37)
 今の自分の「教養」のレベルと同等の情報しか手に入らない。だから普段から,「教養」を磨こう。(p44)
 情弱は「お金=豊かさ」と思っている人が少なくないと思うが,もうその時点でダメだと思うのだ。現代社会においては,お金と豊かさの相関性は高くない。社会が進歩すればするほど,その傾向が強まり,むしろお金の価値は低下している。(p52)
 貧困問題を解決するには,お金をあげればすむという話でもない。個別に見れば,「ちょっと工夫すればいいのに」という問題が多すぎるように思う。いってわからないバカは切り捨てるしかないと僕は思ってしまうが,それは冷たいことだろうか。(p54)
 わずか「10」でも信用があれば,「100」のお金を他人から借りて集めることができる。ところが面白いことに「100」のお金があっても,「10」の信用を得ることはできない。だから,お金そのものを欲しがるのではなく,信用を得ることに先に懸命になるべきなのだ。(中略)そのためにはまず「自分自身が楽しむこと」。あなた自身が楽しいと,その空気は周囲に伝わり,共感してもらえるはずだ。そして多くの人が集まってくるだろう。(中略)だから,あなたは何かに集中して,楽しんで,「自分自身の価値を高めること」に尽力すればいい。(p57)
 さらに多くの人が現金を使わなくなると,仮想通貨も身近な存在になる。そのとき,仮想通貨は再ブレイクするのではないか,というのが僕の見立て。(p64)
 多くの人は巨大な桃が流れてきたら,驚いたり,様子を見たりして,基本スルーだ。ところがおばあさんは平然と持ち帰る。(中略)運を味方につけられる人というのは,このおばあさんのように「これだ!」というものが出てきたら一も二もなく飛びつく。(中略)では,「自分の目の前にあるものが「桃」かどうかをどうやって見わければいいのだろうか。結局それは「自分が熱狂できるかどうか」で判断するしかないだろう。(p66)
 賛同者とアンチ,両方が次々にネット上に湧いて,議論が起こったほうが,世の中がよい方向へ変わったり,新たなファンを獲得できたりするものだ。(中略)立場によっては見解がわかれるネタで,「賛否がいい感じに拮抗するもの」ほど,活発な議論が展開され「建設的な炎上」となる。(p78)
 僕が問題だと思うのは大学の存在が大いなる無駄になっていて社会の負担になっているということだ。若者が4年間もボーッと過ごしているのが大学なのである。(中略)「大学生」という肩書が下手にあるおかげで何かやっている人であるかのような錯覚を本人にも周囲にも生み出している。(p83)
 本屋を「本を読む(本が好きな)比較的知的レベルの高い人たちが集まる場所である」と再定義したことで,何を掛け合わせれば,ちゃんと儲けることができるのかが見えてきたのだ。(p96)
 基本的な知識の吸収という面でいうと,ネット検索でかなりの程度まで事足りるはず。だから「調べられることは,1人でちゃんと調べよう」と声を大にして伝えたい。(p98)
 突発的なトラブルが起こると,自力で解決できず,立ち往生するか,誰かに助けを求めるというのが,情弱の特徴。だから,いいカモにされてしまうというわけだ。(p99)
 人生なんて,(中略)合理的に考えるだけでうまくいく。これが僕の信条だ。だから,あれこれ余計なことについては考えない。具体的にいうと「自分の力でどうにもできないこと」や「他人の言動や人生」について,考える必要なんてない。(p101)
 感情を排して,今ある情報を合理的に考えるだけで,ゴールに早く至ることができる。それは,クヨクヨする時間を短縮し,自分の時間を節約することにもなる。(p105)
 技術とは,もはやただの「情報」なのだから,知られてしまえばそれでおしまい。(中略)動画全盛のこの時代。技術格差はなくなったといっていいだろう。(中略)やってみる,チャレンジできる環境は間違いなく整っている。そして,この状況はさらに加速していくだろう。(p110)
 なぜこの和牛ビジネスが成立しているか。どうやって和牛を売ればいいか。それは,和牛にストーリーという「情報」を載せられるかどうかがカギになる。(中略)いってしまえば,「和牛ではなく,情報を食わせる」ということになる。(中略)人は情報に寄ってくる。ただいいサービスや商品をつくっているだけでは,お客からは相手にされない。(p113)
 ビジネスにおいては,まず「近しい情報を真似てみる」というのが王道だ。それは決して恥ずかしいことでも,志が低いことでもない。(p119)
 昔からよくいう「飯炊き3年握り8年」というのは,寿司職人が増えすぎないよう,見習いにノウハウを教えないための方便にすぎない。(p127)
 情報収集を終えたら,人前でリアルに「アウトプット」する。このサイクルを大切にしている(中略)アウトプットとは,情報を吐き出して終わりじゃない。その情報を行動に移してこそアウトプットといえる。(p135)
 アイデアに価値なんてないのだ。(中略)何かアイデアを思いついたら,それを自分でつくらなければ(行動に移さなければ)意味がない。(p145)
 大して好きじゃないから食っていけるレベルに到達できないのであって,時間を忘れるくらい好きな事ならどんな事であっても必ず食っていける(p151)
 世の中には「ああしなければならない」「○○の資格が必要だ」という「常識」という情報が無数に存在しているが,その大半は嘘であり幻想である。既得権を持った「ギルド」の連中が楽にメシを食うためにもっともらしいルールを張り巡らせているのがこの世界の実相だ。(p151)
 「情報の価値」を最大化するには,その情報をなるべく多くの人と共有することである。(中略)パクられたっていいではないか。(中略)人間は忙しい。やることは山のようにあるのだから,効率を優先すべきだ。(p152)
 僕の執筆スタイルは「ベッドで寝転びながら,スマホでフリック入力」だ。(中略)毎週のメールマガジンも,書評サイト用の文章も,短編小説の原稿さえも,すべて寝転びながらスマホで書き切っている。(中略)まずは「書くこと=時間がかかる」という心理的なブロックを,外してみてほしい。そんな心理的制約は,不毛すぎる。(中略)書評サイト用の文章は,400時詰め原稿用紙4~5枚に相当する。いつも10分で書き切るようにしているが,フリック入力がもっと上達すれば5分前後にまで短縮できる自信がある。(p156)
 飲食店の手法でいうと「常連が増えると客単価が上がる」という法則がある。それほど,お客さん全員が常連化するよう仕掛けていくのは重要なことだ。(p164)
 皆で一斉に横並びで同じことをやったって,自分の価値が高まるはずがない。(p173)
 この人物はお金持ちかもしれないが,こんなにもインプットもアウトプットもしない人間が,魅了的といえるだろうか。(p176)
 よくも悪くも超情報化社会に生きる僕たちは,「情報をスルーする力」を身につけることが不可欠だ。それが,大事な脳をセーブする(労わる)ことにもつながる。(p193)
 そうした世間の常識を押しつけてくるのは誰かというと僕の場合,田舎で暮らす情報リテラシーの低い親である。(p196)
 情報発信において心理できる人を1人でも多く見つけるしかない。これはリアルでもネットでも同じことだ。「情報強者」と探して,自分も「情報強者」になるしかない。(p198)

2020年10月3日土曜日

2020.10.03 堀江貴文 『好きなことだけで生きていく。』

書名 好きなことだけで生きていく。
著者 堀江貴文
発行所 ポプラ新書
発行年月日 2017.05.08
価格(税別) 800円

● スッスと読んでいける。これまで刊行された本との重複がだいぶあるからだ。ふん,これはもう知ってるぞ,というところがだいぶあるからだ。
 が,知ってるだけではダメだ,行動しなければ,というわけだ。そこのところが本書では強調されている。

● ぼくもそうなんだけど,本が好きな人って,行動が嫌いな人だよね。もちろん,例外はあると思うんだけど,行動するために読んでいるんじゃなくて,知りたいから読んでいる。あるいは,読むこと自体が好きだから読んでいる。
 だから,本で行動を説いても,まずもって伝わらない。行動する人は本などあまり読まないだろうからだ。

● 以下に転載。
 あなた以外の人間なんて,所詮あなた以外の人間だ。無責任なものだ。あなたの悪口を言ったって,陰でバカにしたって,そんなことは次の日にはケロッと忘れている。(中略)そんな人間の目を気にして,あなた自身が自分の人生を無駄にしていいわけがない。(p6)
 人間は,言い続けられなければテンションを保てない生き物(p27)
 僕は,「実践を超える勉学は存在しない」と思っている。実践,行動してみて初めてわかることがる。初めて見える問題点がある。(p35)
 「協調性」というのは,周りと同じことをするということ。周りとまったく同じことをしていたら,それはだめでしょう。周りと違うことを常に考えないと。こんなシンプルなこと,なぜわからないのか。(p47)
 バンジージャンプなんて本来は「誰でもできる」。理由はいたってシンプルで「ただ飛び降りるだけだから」だ(中略)それだけのことなのに,「できない!」「怖い!」などという感情にとらわれ,流されるままになっているから話がややこしくなる。バンジージャンプをする前にためらう時間なんて,タイムロスでしかない。(p61)
 この人工知能を否定的に見るか,肯定的に見るかで,その人の知性がバレる。僕はそうとらえている。(中略)なぜ人工知能を「使いこなす」という視点に立てないのか?(p63)
 多くの企業では不況時に無理矢理仕事をつくって雇用を維持して,赤字になっている。つまり社員たちに給料を払うために社会全体で無駄な仕事をつくっているだけ。その中で,皆が労働信仰に支配されてイヤイヤ働いている。(p69)
 僕たちがなすべきこと。それは,社会の慣習や常識にとらわれて打算に走りすぎることではなく,自分の「好き」という感情に,ピュアに向き合うことなのだ。(p72)
 「人生,うまくいくと思い込んだもの勝ち」
 僕はまだ学生の頃から,こう信じて行動してきた。(中略)堀江流のマインドセットを明かしておこう。それは「いま,ここ」に集中することだ。(p79)
 アカデミックなテーマを扱うイベントの場合,その周辺にはエンターテインメント的な受け皿も用意されていることが絶対に必要だ。真面目な話ばかりじゃ,人はなかなか集まらないし,盛り上がらないからだ。(p85)
 どんなに生まれつきの能力が高い人だって「自信をコツコツ積み上げる」ことを怠ったら,その時点から伸びなくなってしまう。(p88)
 「放送時間にテレビの前にいるよう強いるなんて,どれだけ殿様商売なんだ!」
 あなたはそう感じないか?(p104)
 フランチャイズ経営で名の通ったチェーン店ではなく,個人経営の飲食店にもっと行くべきだ。そこには「労働条件ガー!」と労働基準法を振りかざすだけの労働者はいない。自分の名前,店の看板だけで夜の中に打って出ようとする「勝負し」のような店長やシェフ,そして志あるスタッフたちに出会えるはずだ。彼らの背中から,学ぶべきことは無数にある。(中略)彼らは「好きなことだけして生きている」良いお手本だからだ。(p106)
 本屋は「アート」「文化」といった高尚なイメージが強い。他の小売業と比べても,強烈なアドバンテージがある。(中略)書店は「本」というモノを売るだけではなくメディア,さらには文化のハブとんる可能性を秘めている。極端なことを言うと,「書店」という場がメディア的にうまく機能してくれて,高い宣伝効果をもたらしてくれたら,書籍販売からの収益なんて,非常に小さい話になる。(p108)
 多くの社員を雇うということは正直リスクでしかないと思っている。それにストレスも多い。(p114)
 よく「インタビューは直接会わなければ熱量が伝わらない」「直接,目を見て話さないと真意がわからない」などと言うインタビュアーもいるが,(中略)やろうと思えばどこにいても,どんな手段でも,熱量のあるインタビューはとれる。それこそインタビュアーに熱量があれば。(p127)
 家や車などの高額商品への執着から身軽になることには,多くのメリットがある。(p134)
 「スマホさえあれば,手に入らない情報なんてない」
 そう断言してもよい。(中略)自分の情報感度を正しく保つためには,信頼できる識者を何人かフォローして,「最低限の常識」「現時点での定説」を身につけておくことが重要だ。(p136)
 中には「有料メルマガをわざわざ購読するのか?」という声もあるだろう。しかし,それは「情報=無料」と思い込んでいる人のほうがおかしい。有料メルマガの発行者たちは皆,心血を注ぐだけでなく資金も投入して原稿を書いている。(p138)
 そういったセレブ客の自尊心は,一般人の賑やかしがあってこそ満たされるものだ(p139)
 人は必ず先のこと,つまり未来を考えるようにできているという。「今の私のことを知ってください」「私ってこんな人間なんです」
 そんな「現在形だけのコミュニケーション」ほど無駄で,虚しいものはない。(p144)
 まずは走りだしてしまい,それから修正を加えていくほうが,物事は早く進んでいく。いつまでもグチグチと悩んでいる人は,「行動しなくていいための言い訳」を考えているだけの人だ。また,そんなことで悩み続けて行動に移せないことは,その人が本当にやりたいことではない,とも言える。本当にやりたいことは,人はほうっておいてもやる。(p146)
 利益の源であり,世間に大きな影響力を持つインフルエンサーでもあるセレブを大事にすることは,ビジネスにおいて本当に大切だ。(中略)チケットが高いことで文句を言うようなお客さんは,そもそも来てもらわなくてもいいと考えるべきだ。(p148)
 今や検索エンジンは持ち歩ける時代になっているし,わからないことなんて即座に検索できる。ほんのひと手間だが,検索をするかしないかでは,人生の明暗がわかれる。(中略)現代に必要なスキルは,もはや「記憶力」ではなく「検索力」だ。(中略)これからは検索が「劇的に速い人」と「絶望的に遅い人」とに二極化するだろう。(p157)
 まともな企業は,もうキュレーションメディアの運営に手を出すことはないだろう。それでも残っているキュレーションメディアは,互いにネタをパクり合うことで成立している。(中略)そんな状況だからこそ,最近は自ら一時情報を取ってくることができる人が注目を浴びやすくなった。(p176)
 没頭しないまま何かを好きになることなど基本的にありえないし,没頭さえしてしまえば知らぬ間に好きになっていく。(p181)
 やりたいことや,ハマれるものが見つかったら,毎日自発的に思いを発信し続けることが大切だ。(中略)稚拙でもいいから,読み手に「熱さ」が伝わるものでなければいけない。(p181)
 それは「好きなことだけで食べていくために,売れたり名前を広めたりするには,地道な努力だけでは足りない」ということだ。どこかでトリッキーな行動を起こしたり,極端なアイデアを発信したり,人とは違うことをしないといけないと,現実的にわかってほしい。(p183)
 自分の好きなことがニッチであればあるほどチャンスがある。競争相手も少ないし何かをきっかけにすレークできれば,その分野のパイオニアとして活躍できる。(p185)