書名 ハッタリの流儀
著者 堀江貴文
発行所 幻冬舎
発行年月日 2019.07.10
価格(税別) 1,400円
本書で説かれているのは,まっとうな努力の大切さだ。第4コーナーを回ったあたりから,その生真面目さが全開になる。
● 以下に転載。
人は夢を見たい生き物なのだ。大事なのは「そんなことできないでしょ」と思うようなハッタリを大きくかまして,周りからの注目を一気に集めることだ。そうした「ハッタリ人間」が,結果的に突き抜けていく。(p3)
一億総評論家時代のように,みんながテレビの前やSNSで他人のことをツッコム。だからこそ,これからの時代は「ボケ」の時代だ。「ボケ」られる人間が貴重だ。他人に「ツッコミ」ばかりしている人に熱は起こせない。(p11)
今後,生活コストはますます下がっていく。生活のために必死になって働かなくても,何とかなってしまうのだ。(中略)そういう時代には,歯を食いしばって労働作業をする人よりも,お笑い芸人より狂った大ボケをかまし,マンガのような世界を実現しようとするハッタリ人間が求められる。そこに熱が生まれ,人が巻き込まれていくのだ。(p22)
今,多くの投資家は「カネ余り」に直面している。とても自分たちで使い切れる額ではないので,いいアイデアやアートなど唯一無二のものさえあれば,すぐさまそこに投資したいと待ち構えているのである。(中略)手元に資金がなかったとしても,あなたに唯一無二の可能性や面白さがあると思われた瞬間,ノリでお金が集まる時代なのだ。(中略)お金は君と遊びたがっている。(p34)
時間を持て余している「大衆」を,社会にダブついた「お金」を,自分のところに集める方法。それはカンタン。好きなことに「損得抜きにして」没入することである。皮肉だが,利害を考えて,人や小銭を集めようとするケチな人間には人もお金も集まらない。(p41)
今後を見据えてあらかじめ何かにハマっておくなんて,そんな器用な真似ができるわけがない。とりあえず今は,眼の前の本当に興味のあることにハマりまくる。後からその点をつなぎ合わせ,線にしていくことしかできないのだ。(p43)
「役立つ・意味がある」という価値が下がる。そして「面白い・心が動く」という基準が重視されるようになる。(中略)計算可能な頭脳労働はもはやAIのほうが得意だ。意味があること,役立つことは,ロボットのほうが正確にやってくれる。しかし,意味はないけど面白いこと,というのはロボットにはできない。(p47)
この動きを加速させるためには黙々とハマるだけではなく,過程を発信し続けることが大切だ。(中略)挑戦の過程こそが一番のエンタメだからである。(p52)
SNSが出てきてからは,情報なんてコントロールできなくなった。(中略)情報を出し惜しみしていたら,埋もれて誰にも気づかれずに終わる。(p54)
一方的でオフィシャルな発表を聞いても心は動かない。自分にだけ呟いてくれていると錯覚するような日常的な発信を受け取っているうちに,どんどんファンになっていくのだ。(p55)
可処分所得の奪い合いの時代から可処分時間の奪い合いに移ったと言われる。(中略)読書をするか,LINEをするか,飲みに行くか,すべてがライバルになっている。そしてその次は可処分精神の奪い合いだ。心を奪えるか? 心を預けてもらえるかどうかが問われてきている。人は心を奪われて初めて時間を使う。時間を使ったその後に,財布を開くのだ。だからこそ自分の努力の過程を,成長の軌跡を,自分の言葉で発信し続ける。(p55)
ファンがいなければ,勝負の土俵に上がれない時代に,これから我々は放り出されるのだ。恥ずかしがらずに人生をさらそう。そしてお金より共感をためよう。(p60)
一億総老後時代のようになるだろう。貯金も時間もあるんだけれど,やることがない。(中略)多くの人が,何かワクワクすることはないかと,考え始める。すると老後を迎えたおじいちゃん,おばあちゃんが孫の夢を応援するように,好きな人の夢を応援することが,これからはエンターテインメントになっていく。(中略)これからは他人に「応援させてあげる人」が価値を持つ。(p63)
「どこかで見たことがあるストーリー」に人は熱狂しない。(p65)
どうしたら「ハッタリ」の器を広げられるか。それは日々,やったことのない経験をして,出会ったことのない人たちと会うことだ。すると自分の目線が上がっていく。(中略)筋トレと同じように,メンタルや行動力も負荷をかければかけるほど強くなっていく。(p70)
僕は,どちらかと言えば,営業に向いていないタイプの人間である。そんな僕でも,いろいろな場所にプレゼンに行って,多くの仕事や投資を成立させてきた。それは,「知人に紹介してもらった人にしか会わなかったから」である。(中略)巧みなプレゼンをしたり,キレイな資料作りをしている時間があるならば,自分の提案を欲しがりそうな相手を探すことに時間をかけたほうがいい。(p80)
机の前でウンウンと考えているのではなく,あなた自身がいろいろなところに行き,面白い人と会いまくり,ネタをたくさん持っていなければならない。「こいつは面白い」と思われることだ。(p101)
スクリーンに映し出すスライドは,「何かを解説するための資料というよりも,口頭で次の話題を出すためのきっかけにすぎない」と考えてほしい。シンプルに,箇条書きで,必要な項目を列挙してあれば十分だ。(p104)
まず必要なことは「こうあるべき」という世間一般の常識を一切捨てることだ。(中略)「いいハッタリ」とは完全に常識の外部から来る。計算や論理の先にある予定調和なものに人は熱狂しない。(p111)
「もっともらしい言葉」には未来の真実はない。過去の結果でしかない。まずは頭の中から「もっともらしい言葉」を捨てよう。(p113)
真面目な人ほど「世間の目」を気にしてしまう。つまり,どうにもプライドが高すぎる。(中略)自分の望みとは関係なく,世間の目を気にして物事を決めてしまう。そんなツマラナイ人間のハッタリなんかに誰も乗ってこない。(p121)
昔と違ってSNS時代には情報は公開すればするほど,公開した人のもとにも情報が集まる。だから情報は出し惜しみされなくなってきた。人類史上初,成功ノウハウがタダ同然で手に入る時代。ノウハウの価値は下がり,あとはやるか,やらないかだけ。つまり,行動する人が最高に得をする時代なのだ。(p136)
すでに上手くいっている方法をパクるのは基本中の基本だ。大して才能もない人間が,机の前であーだこーだ考えている時間ほど無駄なものはない。(p137)
やらされ仕事をやっていると,上司や取引先に怒られない範囲で納品しようという社畜精神が出てしまうが,自分が好きなことを仕事にしていれば一〇〇点以上を目指そうと自然に力が入る。(中略)自分が熱を込められる好きなことであれば,オリジナリティは自然とにじみ出てくるものだ。(p141)
ハッタリをかます人には共通点がある。それは「根拠のない自信」を持っているというところだ。君から見たら脳天気なバカかもしれない。(p149)
「ハッタリをかましてその後で辻褄を合わせること」は,あらゆる場面で大きな成果をもたらしてくれる。僕はこれを,人生の最高奥義だと思っている。(p153)
チャンスというものは,あらゆる人の前に現れる。それなのに,チャンスをものにできる人とできない人がいる。それは,目の前に現れたチャンスに,ノリよく飛びつくことができるかどうかにかかっているのである。(中略)そして,「ノリよく飛びつく」こと自体にも場慣れがある。最初は躊躇していても,いつもいつもノリよく飛びついていたら身体が勝手に反応するようになっていく。(p156)
目先の苦労を避けることはできない。ラクができる状況のようなものは,大きな苦労をした先にこそ待っているものだからだ。周りの人から「苦労しているな」と思われるようなことをとことんやって,その先にあるラクをつかんでいく,というのがむしろ正解なのである。(p173)
本気で努力をする人は意外といない。大体が六五点ぐらいまで。一〇〇点までやる人なんてほとんどいない。そして一二〇点までやり切る人間は皆無だ。だからこそ「努力」はコスパがいい。(p176)
本当の努力は楽しいものだ。逆に言うと楽しくない努力をしているようだとまだまだ甘い。(中略)いま努力がつらくても,焦らなくて大丈夫。「努力」が楽しくなるのは,少し自分が得意になってからだ。(中略)だから,まずはガムシャラに徹底的に,とことんやり切って,自分のレベルを上げてみることだ。(中略)僕は,いろんなことを楽しんでいるだけのように見えるかもしれないが,まずは八〇点くらい取れるようにガッと努力する型を持っているからだ。楽しくなってさえしまえば,一二〇点までは突き抜けられる。(p179)
成功への道のりは,最初はコツコツ,後から一気に加速する。まずは焦らず積み上げよう。(p184)
たくさん叱られたし,批判もされた。でも,そんなことは気にしない。「人はいろいろ言うけれど,そのうち飽きる」「他人は自分になんて興味がない」ということがわかっていたからだ。(p189)
これからは労働がオワコンになり「遊び」の時代になる。そこでは,「大人」になってしまった退屈な人は価値を生まない。バカ丸出しでボケ続ける「子ども」こそが魅力を放っていく。(p189)
SNSで大きな挑戦をしている人を揶揄したり,笑ったりする人がたくさんいる。しかし,舞台に立っている人を笑っている観客は,人生の大事な時間を人に使っている。一方,舞台に立って周りから笑われている人は,その他人の時間を自分が吸収している。だからこそとんでもないスピードで進化していくのだ。(p195)

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