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2014年12月13日土曜日

2014.12.11 日本能率協会マネジメントセンター編 『NOLTY BOOK』

書名 NOLTY BOOK
編者 日本能率協会マネジメントセンター
発行所 日本能率協会マネジメントセンター
発行年月日 2014.11.20
価格(税別) 700円

● 副題は「手帳を愛するすべての人へ」。NOLTYの広報ムック。したがって,価格も700円とかなり安い。発行元が編者になっているけれども,取材や構成は外部に委託したっぽい。

● ユーザーインタビューから手帳の製造過程,能率手帳が生まれた1949年以降のNOLTYの歴史を紹介。社員も何人か紹介されている。
 面白く読んだ。というのも,ぼくも能率手帳のユーザーなので。

● ぼく一個の手帳歴を辿ると,学生時代は憶えていない。
 社会人になって最初に使ったのは,新潮社の手帳だった。今は作っていないと思う。ごく薄いやつだったけど,予定を書くだけなら充分すぎた。

● 次は,プレイボーイ手帳というのを何年間か使った。月刊プレイボーイを買うと購入申込書が印刷されていた。
 読者プレゼントといいながら,もちろん有償。最初に革製のカバーを買わないといけないんだけど,以後は本体だけを買えばよかった。本体は800円だったかな。
 判型といい,厚さといい,けっこういい手帳だった記憶があるけど,プレイボーイっていうのに惹かれる自分ってどうなのよと思ったのかなぁ。あるいは,集英社が製造をやめたのだったか。

● そのあとに能率手帳を使いだした。最初は小型版。次の年から通常の大きさのやつ。以後は,ずっと能率手帳ひと筋。
 そのうち,システム手帳がブームになり,ぼくの周囲でも使うヤツが出始めて,ぼくもシステム手帳に替えた。が,能率手帳のフォーマットを変えるつもりはなかったので,最初からBindex。
 A5をしばらく使っていたんだけど,バイブルサイズも使うようになり,ときには綴じ手帳に戻ったりしながら,能率手帳ワールドの中で遊泳していた感じ。

● ここ数年はバイブルサイズで安定している。中身はBindexの11番。これが能率手帳フォーマットで,ここを動かすことは考えたことがない。
 “ほぼ日手帳”をはじめ,気になる手帳はある。ぼくなんかはダイソーの百円手帳で充分だとも思う。
 が,年金暮らしになっても,たぶん,これを使い続けそうな気がする。

● どこがいいのか。外形的なことをいえば,まず紙の強度。
 バインダーに挟んだ状態でいくらページを繰っても,穴から紙にひび割れが起こることはない。右のメモページには新聞の切り抜きを縮小コピーしたものとか,食べたお菓子の包装紙とかを,何重にも貼りつけることがあって,穴にはけっこうな重量がかかっていると思うんだけど,まずもって問題が出ない。

 クリーム色で目が疲れない。
 この手帳にはハイテックCコレトに4色(黒,赤,緑,青:0.3㎜)のリフィルを入れて使っているんだけど,筆記具のせいなのか紙のせいなのか,じつに書きやすい。

● ちなみに,筆記具にはけっこう変遷があって,っていうか,手元にあるものを何でもかまわずに使っていた。粗悪なゲルボールペンだろうと,万年筆だろうと,裏写りを味わったことはない。
 今はハイテックCコレトで落ちついた。もっといいものがあるのかもしれないけれども,これでいいやと思っている。

● というわけで,能率協会さんには日頃からお世話になっているんだけど,手帳っていうのは,たぶん,あまたある生活用品の中でも最も保守性が発揮されるアイテムではあるまいか。いったん気に入れば,よほどのことがあっても変えることがない,っていう意味で。
 であればこそ,“ほぼ日手帳”の成功が際立って見えるわけだ。ダイソーの百円手帳も普及,定着すればたいした快挙だといえると思う。

● いくつか転載。
 マッキンゼー時代に思いましたが,グローバルに活躍している人ほど,手で書く行為を大切にしていました。(戸塚隆将 p43)
 現場でも何かあればすぐにメモしてましたね。とにかくメモ魔なんですね,私は。そして何でもかんでも記録されていると周囲の人々にも知られたこのメモの存在が,自分の身を守る盾になってくれたこともあるし,あとから文章を書く時も大変役に立ちました。(佐々淳行 p83)
 手書き派には嬉しいコメントだけれども,「手で書く行為を大切にしてい」れば,「グローバルに活躍」できるようになるかといえば,当然ながらそうではない。

2014年6月19日木曜日

2014.06.18 日本能率協会マネジメントセンター編 『中学生・高校生のための手帳の使い方』

書名 中学生・高校生のための手帳の使い方
編者 日本能率協会マネジメントセンター
発行所 日本能率協会マネジメントセンター
発行年月日 2014.02.10
価格(税別) 1,300円

● 手帳の使い方を中高生に説いているわけだけれども,彼らに独特の使い方があるわけじゃない。書かれることがらは授業や部活動がメインになるにしても,どう書くかという方法論は,大人のビジネスマンや自営業者や主婦にもそのまま通用するはずだ。

● でも,なんだか違和感があった。中学生にこうした手帳を使わせることがいいことなのか。
 子どもが子どもでいることを許さない風潮がそちこちに出ていると思えるんだけど,中学生にビジネス手帳を使わせるとは,それが行くところまで行ったのかという印象。
 「私たちは,手帳を使うことによって,次の3つのよい習慣(手帳に書く習慣,時間を意識する習慣,考える習慣)が身につき,「時間を守る行動」や「自学自習」だけでなく,さまざまな効果が期待できると考えています」(p18)と言うのだけれども,本当なのかね。
 本当だとしても,奔放に生活できる子どもの特権を,そんなものと引き換えてしまっていいのか。

● さらに,能率手帳スコラプログラムというのがあって,採用するかどうかは学校単位になっている。ということは,教師が生徒の手帳を見て指導するのだろう。
 そんなことをしたら,生徒はかえって手帳を遠ざける結果にならないか。少なくとも,見られちゃまずいことは書かなくなるだろう。要領のいい子は教師が喜びそうなことを先回りして書くだろう。

● 今どきの中学生はけっこう忙しいらしい。一部の生徒は言われなくても,手帳かそれに変わるツールを自分で使っているだろう。教師はその邪魔をしちゃいけない。
 およそ,自分でまともに手帳を使いこなせている教師は少数だろう。しかも,圧倒的に少数ではないか。もっといえば,そもそも手帳を使っていない教師の方が多いのじゃないか。
 生徒にそんな指導をする前に,まずやることがあるだろう。

● 手帳など使ってない生徒の方が,それでも多いだろう。それはそれでいいではないか。放っておくということがなぜできない?

● 池谷裕二『受験脳の作り方』を参照してのことらしいが,「昼寝でも記憶は定着するそうなので,昼寝をするなら,その前に暗記学習をするようにしましょう」(p98)などという文章も出てくる。書いたヤツ,気はたしかか。
 総じて,手帳メーカーが自分の業域を拡大するために,中高生を喰いものにしようとしているという印象を,ぼくは持ってしまった。このメーカーはまったくの善意で取り組んでいるのだとは思うけれども。