2020年11月4日水曜日

2020.11.04 堀江貴文 『情報だけ武器にしろ。』

書名 情報だけ武器にしろ。
著者 堀江貴文
発行所 ポプラ新書
発行年月日 2019.03.27
価格(税別) 860円

● 副題は「お金や人脈,学歴はいらない!」。すでに発刊済みの書籍やメルマガなどからタイトルに絡む文章を集めた箴言集のようなもの。堀江さんはすでに何冊も箴言集を出しているが,本書もそのひとつ。
 それだけ需要が多いのだろうし,新書版にして価格を抑えることで新たな読者が付く,ということもあるのかもしれない(ないか)。

● 以下に転載。
 情報を持たなければ,人は恐怖に駆られる。仕事や人生の,将来についての不安や恐怖の大半は「情報不足」が原因だ。今,「未来」の何かを怖がっているのなら,残念ながら,あなたは「情報弱者」ということ。(p5)
 僕は子どもの頃から「自分の強みを生かせる『市場』を選ぶ」という思考で過ごしてきた。だから,勝算がなさそうなら,「決められた土俵」には上がらない。(p16)
 まず伝えたいのは「情報とは,自分から積極的に取りにいくもの」という点だ。向こうから舞い込んでくるような情報には,むしろ軽快したほうがよい。(p21)
 幸運にも,現代では,「情報を手に入れる」ためのツールは揃っている。スマホのニュースアプリを使ってもいい。SNSを駆使して,「興味のある人」「先を行く人」の発信をフォローし続けてもいい。そして,情報をハントする「狩り」が終わったら,次は自分の頭で考え,自分なりの言葉で世界中に発信し,頭の中を整理するクセをつけるのだ。(p21)
 取り入れた情報は,すぐに忘れてもかまわない。本当に大事な情報は脳の片隅で待機してくれている。脳はよくできている。(中略)情報の端緒さえ思い出すことができれば,あとは検索するだけでいい。(p26)
 限界まで予定を入れて,やりたいことをやってみると,時間をどう使えばいいのかが浮き彫りになってくる。(p27)
 「抽象的なことをダラダラと考えるクセ」と縁を切ることもおすすめだ。「やりがいって何だ?」「人生において幸福とは何だ?」「努力って何だ?」 こんなことにいくら頭を使っても,残念ながら何も生まれない。(p27)
 「考える,調べる,試す」という「思考実験」を繰り返し行うことでしか,情報を価値あるものに高めることはできない。情報を得ている者が強いのではない。思考実験をし続ける者こそが最強なのだ。(p33)
 「○○さんに会う」というライブ体験に,過剰に心を踊らせるくらいなら,その人の著作やSNSを丁寧に追いかけたほうが,よっぽどいい。(p35)
 何かに没頭して自信を持って訴えかける熱量がないと,「会いたい人」に会っても,化学反応は起こらない。(p37)
 今の自分の「教養」のレベルと同等の情報しか手に入らない。だから普段から,「教養」を磨こう。(p44)
 情弱は「お金=豊かさ」と思っている人が少なくないと思うが,もうその時点でダメだと思うのだ。現代社会においては,お金と豊かさの相関性は高くない。社会が進歩すればするほど,その傾向が強まり,むしろお金の価値は低下している。(p52)
 貧困問題を解決するには,お金をあげればすむという話でもない。個別に見れば,「ちょっと工夫すればいいのに」という問題が多すぎるように思う。いってわからないバカは切り捨てるしかないと僕は思ってしまうが,それは冷たいことだろうか。(p54)
 わずか「10」でも信用があれば,「100」のお金を他人から借りて集めることができる。ところが面白いことに「100」のお金があっても,「10」の信用を得ることはできない。だから,お金そのものを欲しがるのではなく,信用を得ることに先に懸命になるべきなのだ。(中略)そのためにはまず「自分自身が楽しむこと」。あなた自身が楽しいと,その空気は周囲に伝わり,共感してもらえるはずだ。そして多くの人が集まってくるだろう。(中略)だから,あなたは何かに集中して,楽しんで,「自分自身の価値を高めること」に尽力すればいい。(p57)
 さらに多くの人が現金を使わなくなると,仮想通貨も身近な存在になる。そのとき,仮想通貨は再ブレイクするのではないか,というのが僕の見立て。(p64)
 多くの人は巨大な桃が流れてきたら,驚いたり,様子を見たりして,基本スルーだ。ところがおばあさんは平然と持ち帰る。(中略)運を味方につけられる人というのは,このおばあさんのように「これだ!」というものが出てきたら一も二もなく飛びつく。(中略)では,「自分の目の前にあるものが「桃」かどうかをどうやって見わければいいのだろうか。結局それは「自分が熱狂できるかどうか」で判断するしかないだろう。(p66)
 賛同者とアンチ,両方が次々にネット上に湧いて,議論が起こったほうが,世の中がよい方向へ変わったり,新たなファンを獲得できたりするものだ。(中略)立場によっては見解がわかれるネタで,「賛否がいい感じに拮抗するもの」ほど,活発な議論が展開され「建設的な炎上」となる。(p78)
 僕が問題だと思うのは大学の存在が大いなる無駄になっていて社会の負担になっているということだ。若者が4年間もボーッと過ごしているのが大学なのである。(中略)「大学生」という肩書が下手にあるおかげで何かやっている人であるかのような錯覚を本人にも周囲にも生み出している。(p83)
 本屋を「本を読む(本が好きな)比較的知的レベルの高い人たちが集まる場所である」と再定義したことで,何を掛け合わせれば,ちゃんと儲けることができるのかが見えてきたのだ。(p96)
 基本的な知識の吸収という面でいうと,ネット検索でかなりの程度まで事足りるはず。だから「調べられることは,1人でちゃんと調べよう」と声を大にして伝えたい。(p98)
 突発的なトラブルが起こると,自力で解決できず,立ち往生するか,誰かに助けを求めるというのが,情弱の特徴。だから,いいカモにされてしまうというわけだ。(p99)
 人生なんて,(中略)合理的に考えるだけでうまくいく。これが僕の信条だ。だから,あれこれ余計なことについては考えない。具体的にいうと「自分の力でどうにもできないこと」や「他人の言動や人生」について,考える必要なんてない。(p101)
 感情を排して,今ある情報を合理的に考えるだけで,ゴールに早く至ることができる。それは,クヨクヨする時間を短縮し,自分の時間を節約することにもなる。(p105)
 技術とは,もはやただの「情報」なのだから,知られてしまえばそれでおしまい。(中略)動画全盛のこの時代。技術格差はなくなったといっていいだろう。(中略)やってみる,チャレンジできる環境は間違いなく整っている。そして,この状況はさらに加速していくだろう。(p110)
 なぜこの和牛ビジネスが成立しているか。どうやって和牛を売ればいいか。それは,和牛にストーリーという「情報」を載せられるかどうかがカギになる。(中略)いってしまえば,「和牛ではなく,情報を食わせる」ということになる。(中略)人は情報に寄ってくる。ただいいサービスや商品をつくっているだけでは,お客からは相手にされない。(p113)
 ビジネスにおいては,まず「近しい情報を真似てみる」というのが王道だ。それは決して恥ずかしいことでも,志が低いことでもない。(p119)
 昔からよくいう「飯炊き3年握り8年」というのは,寿司職人が増えすぎないよう,見習いにノウハウを教えないための方便にすぎない。(p127)
 情報収集を終えたら,人前でリアルに「アウトプット」する。このサイクルを大切にしている(中略)アウトプットとは,情報を吐き出して終わりじゃない。その情報を行動に移してこそアウトプットといえる。(p135)
 アイデアに価値なんてないのだ。(中略)何かアイデアを思いついたら,それを自分でつくらなければ(行動に移さなければ)意味がない。(p145)
 大して好きじゃないから食っていけるレベルに到達できないのであって,時間を忘れるくらい好きな事ならどんな事であっても必ず食っていける(p151)
 世の中には「ああしなければならない」「○○の資格が必要だ」という「常識」という情報が無数に存在しているが,その大半は嘘であり幻想である。既得権を持った「ギルド」の連中が楽にメシを食うためにもっともらしいルールを張り巡らせているのがこの世界の実相だ。(p151)
 「情報の価値」を最大化するには,その情報をなるべく多くの人と共有することである。(中略)パクられたっていいではないか。(中略)人間は忙しい。やることは山のようにあるのだから,効率を優先すべきだ。(p152)
 僕の執筆スタイルは「ベッドで寝転びながら,スマホでフリック入力」だ。(中略)毎週のメールマガジンも,書評サイト用の文章も,短編小説の原稿さえも,すべて寝転びながらスマホで書き切っている。(中略)まずは「書くこと=時間がかかる」という心理的なブロックを,外してみてほしい。そんな心理的制約は,不毛すぎる。(中略)書評サイト用の文章は,400時詰め原稿用紙4~5枚に相当する。いつも10分で書き切るようにしているが,フリック入力がもっと上達すれば5分前後にまで短縮できる自信がある。(p156)
 飲食店の手法でいうと「常連が増えると客単価が上がる」という法則がある。それほど,お客さん全員が常連化するよう仕掛けていくのは重要なことだ。(p164)
 皆で一斉に横並びで同じことをやったって,自分の価値が高まるはずがない。(p173)
 この人物はお金持ちかもしれないが,こんなにもインプットもアウトプットもしない人間が,魅了的といえるだろうか。(p176)
 よくも悪くも超情報化社会に生きる僕たちは,「情報をスルーする力」を身につけることが不可欠だ。それが,大事な脳をセーブする(労わる)ことにもつながる。(p193)
 そうした世間の常識を押しつけてくるのは誰かというと僕の場合,田舎で暮らす情報リテラシーの低い親である。(p196)
 情報発信において心理できる人を1人でも多く見つけるしかない。これはリアルでもネットでも同じことだ。「情報強者」と探して,自分も「情報強者」になるしかない。(p198)

0 件のコメント:

コメントを投稿