書名 はつらつと老いる力
著者 帯津良一
発行所 ベスト新書
発行年月日 2019.01.25
価格(税別) 860円
となると,こんなに勇気づけられることはない。何だか,自分に都合がいいように思える。それを知っているから,帯津さんの書いたものは読んでみようと思う。ぼくはそんなサイクルで読んでいるんですけどね。
● 以下に転載。
私の場合,血液検査で毎回いくつかの異常値が見つかるのですが,なかでも,γ-GTPは,二十年以上ずっと異常値です。ちていの人には負けません。(p4)
人間ドッグの数値がすべて正常でも,心身の不調を訴えている人はたくさんいます。それでも,検査で異常が見つからない限り,その人は「健康」と診断され,本人の不調は無視されてしまいます。(中略)人にはそれぞれ,その人に適した「正常値」があります。つまり,健康の「正常値」は,人によって違うのです。(p5)
健康法にしても,「からだ」だけをみていると,病気を怖れて,「これは危ない」「あれはやめよう」といって,生活をあれこれと制限してしまうことになりがちです。これでは,、毎日がただ苦しいだけで,生きる喜びが失われてしまいます。(p6)
彼らを見ていると,人のために生きるというのは,どうも免疫力を上げるのではないかと思えてきました。世話人の中には,闘病中の人もいますが,途中で亡くなった人は一人もいないのです。(p41)
一般的には「食べないほうがいい」といわれている食品であっても,大いなる喜びにときめいて食べれば,食材の不利を補ってあまりある,というのが私の食養生の極意です。(p45)
ゲルソン療法のような極端な食事療法は,がんが進行して背水の陣になったようなとき,日常性を変えるうえでは悪くはないと思うのです。ただし,肩の力を抜いて,懐を少し深くして行うのがコツです。まなじりを決して,厳しい決まり事を守り抜くとなると,どうしても途中で疲れてしまいます。(p52)
食べたくなくて食べないなら,それは構わないのです。ただ,肉を食べるのは,からだによくないと聞いたので,食べたいけど我慢している,という場合は,あまり賛成できません。(p63)
サプリメントは,「旨い」という喜びはありませんが,利用していることで得られる安心感は,まちがいなく養生となります。(p79)
目元がきりっとしていて,全知の佇まいが凛としている。凛としていることと色気は,案外,裏表になっているのではないかと思います。(p89)
貝原益軒は,朝の行事をとても大切にしていました。(中略)朝の時間を大切にしているところは,私も共通しています。病院で仕事をする日は,朝二時半に起きます。そして,三時半に病院に到着して,そこから仕事を始めます。患者さんの診療が始まる前に,机の上でできる事務的なことをすべて済ませてしまうのです。(p93)
貝原益軒は,寝る時間は短いほうがいいと強調しています。(中略)眠りが少ないほうが,気の巡りがいいし,体調もよくなるということです。私も,実感としてそう思います。(中略)なるべく早く起きて,そして睡眠時間は短くする。こういう生活が,年をとるにつれて,より大事になってくると思います。(p96)
楽しく誰かと酒を飲んでいれば,認知症にならないような気がしています。(p108)
気功は,ある程度の遊び心をもって,大いなる喜びを感じながら行います。毎日やることよりも,長く続けることが大事です。(中略)しゃかりきになってやったから,高いレベルに早く達するというものでもありません。(p126)
気功の場合は,気功をやる道場の「場」というのも大切です。一人でこつこつやる時間も必要ですが,いい指導者のもとで,いい仲間を得て,一緒にやる時間を作る。(p131)
医療をやっていると,祈りというのが非常に大事だと思うようになります。(p149)
私の患者さんの中には,今日亡くなる方もいらっしゃいます。とすれば,こちらも今日が最後だと思って活きていないと,患者さんより一歩でも二歩でも死に近いところに立つことはできないからです。今日が最後だと思って生きていると,今日一日しっかり生きようという気になります。朝の気功も,日中の診療も,患者さんや職員との何気ない語らいも,すべて今まで以上に愛おしく思えてきて,より大事に時間を過ごすようになります。中途半端なことはしなくなる。(p196)

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