2020年10月18日日曜日

2020.10.18 松浦弥太郎 『着るもののきほん100』

書名 着るもののきほん100
著者 松浦弥太郎
発行所 小学館
発行年月日 2020.02.01
価格(税別) 1,500円

● ユニクロのサイトに連載した短文をまとめたもの。短文といっても,読みきりのエッセイのようなものだ。
 いろんな理由でユニクロが嫌いな人でも,おそらく,読み進めていくことができるだろう。

● 以下に多すぎる転載。
 何をしたらよいか,何がしたいかではなく,今日,今,この瞬間,何を学ぶのか,何を学びたいのか,それだけでいいのだ。そのひたむきさが純粋な心なのだ。(p56)
 いつか読んだ,ソール・ベロウの『この日をつかめ』という一冊があった。その本の中に,現在と生きる,という一文がある。何事も今,今を見る,今を感じる,今と向き合い,今から逃げない,すなわち,今を大切にするという生き方だ。(中略)今から目をそむけない。明日や未来も,今この時,ここにあるのだから。(p78)
 仕事の見つけ方を僕は知っている。せっかくだから教えてあげよう。とても簡単だよ。それはね,自分がやったほうが,きっとうまくいく。もっとよくなる。要するに,きっと誰かの役に立つ。もっと誰かの役に立つということをすればいいのさ。(中略)もっと,困っている人を見つけよう。その人たちが何に困っているのかを知ろう。(p90)
 目に見えない場所こそが,実は汚れていて,そういうところをしっかりきれいにすると,掃除後のきれいさが違う。目に見えない場所だからこそ,きれいにすれば,なぜかその場の空気が変わる(p94)
 とにかく熟知。熟知に勝るものはないんだ(中略)とにかく一番詳しい人になればいい。そうすれば,みんな君を頼りにする。(中略)あとは,一番詳しくなったら,矛盾しているようだけど,自分よりも,さらに詳しい人を探すのさ。(p120)
 やりたいこと,やるべきことというのは,たくさんあるけれど,そのリストアップをして,正しい優先順位をつけられるのかどうか。これはすべての基本ではないのかと私は思う。(中略)大事なのは,その順番は常に変わるってことなんだ。いや,その順番を常に疑わなくてはいけないってこと。当然ながら,状況は常に変化するからね。(p129)
 そのビジョンを紙に書いて,じっと見つめてほしい。小さいんだ,きっと。そのビジョンが。(中略)自分一人のためになりがちなんだ。そんな自分一人のためだけのビジョンは何の役にも立たないので捨てたほうがいい(中略)ビジョンは,毎日,ほんとうにそれでいいのかと問い続けるのが大事。一度考えたからそれでいいと思ったらダメ。(p143)
 印刷技術や製本,紙,デザイン,その内容の表現など,すべてにおいて,その時代の才能とクリエーティブが,ぎゅっと凝縮された書籍という印刷物の美しさ。そして,情報ではなく感動を伝えるという本来あるべきメディアの姿から,今を生きる僕らが学ぶべき大切なことがある。(p189)
 相手が誰であろうと,仕事の話をする際は,その相手への敬意を払った服装をしていくのがマナーである。(p190)
 身だしなみとは,まず清潔であることだよ。髪型や肌,指の先,たとえば,匂いもそうだ。清潔であるということは,自分は人間関係を稚拙にしているという姿勢の表れだよね。(p191)
 僕らが一所懸命であることが,身だしなみからわかるからこそ,みんなは力を貸してくれるんだ。(p191)
 地図は持たない。そう,地図は自分で作るんだ。それが旅。(p203)
 何を着るかよりも,どう着るかのほうが大切で,その人が何を着ていたかという印象よりも,どんな着こなしをしていたかという印象のほうが記憶に残るのよう。(p215)
 そうなのよ。人生は自由。自由だけど,飾れないものでは駄目。飾った時に人に喜ばれるような人生を歩まないとね。(p274)
 自分がラッキーだと感じているのなら,それを当然と思っているか,もしくは感謝をしているかのどっちかだと思うけれど,(中略)感謝という態度があなたから消えなければ,あなたはずっとラッキーでいられるわ。(p278)
 むつかしいのは,ほんの小さなラッキーに気づくかどうかだと思うわ。ほとんどの人は,小さいラッキーのことを見逃してしまうわ。(p278)
 仕事って,自分が日々の暮らしの中で,与えられたラッキーを,自分のできることで返していくってことだと思う。(中略)そうすれば,またラッキーは与えてもらえるような気がするの。(p280)
 「嫌い」というのは,他人に対して自分を知ってもらいたいという自己顕示欲でしかなく,そう思うと,「嫌い」という意識を持つくらいばかばかしいことはにと思うんだ。(中略)もっと「好き」を大切にしたらいい。「好き」を増やせば,「嫌い」は自然と消えていく。(中略)「好き」でないことは,「苦手」ということくらいにとどめておくといい。誰にとっても「苦手」はある。まあ,言葉遊びのようだけど,「嫌い」という言葉には希望がないと思うんだ。(中略)希望を感じない言葉や考え方は,必ず誰かを悲しませてしまうよ。(p323)
 手首が見えていると,つないだ手と手がきれいなの。私は最近それに気づいたの。(p328)
 みんなあなたの笑顔に救われているのよ。なぜなら,あなたはいつも笑っている。いつも楽しそうなの。それはとってもすてきなメッセージになっているのよ。(p336)
 多くの人がしあわせになりたい,もっとしあわせになることを求めるけれど,それよりももっと大切なことがあるわ。それは喜ぶこと。私はね,心からの喜びって,しあわせよりもはるかに大きいと思っているの。(p337)
 フランス語が話せなければ話せるように学べばいいの。できないことを理由にしてはだめ。それよりも,あなたがパリに行きたいか。行きたくないか。それだけよ。(p346)
 とにかくたくさん着ていれば,自然と自分に合ってくる。(中略)服は飾るものではなく着るものだから。(p398)
 準備? そんなもの必要ないわ。迷いがないなら今,出発よ。(p427)
 悲しくなくても,ときどき泣かないと身体にわるいんじゃないかと思うのよ。私。(p432)
 父は散髪についても一家言あった。「伸びてからでは遅い。延びる前に切れ」(中略)下着の入れ替えも,この言葉に通じていて,古くなってからでは遅い。古くなる前に新しいのに替えるという考えだった。(p454)
 旅を楽しむなら,その街の朝と夜を味わいなさい。ただの朝と夜ではなく,早朝と深夜ね。(p458)
 否定したり,拒否したりするのは簡単。でも私は,できるだけ受け入れたいの。目の前で起きていることを・・・・・・・(p463)
 私は,とにかく自分が一番得意なことを,思い切りこの世界にぶつけたい。自分が大切な人を思い切り愛したい。照れずに,恥ずかしがらずに思い切りそうする。ただそれだけを精一杯やる。(p470)
 チャンスやラッキーというのは,いつだって試練や困難の先にあるもの。(p474)
 僕はこんなふうに自分の好みや習慣を変えるのは嫌いではない。それが自由ってものだし,その小さな変化が,新しい世の中を見せてくれることだってある。(p497)
 将来のしあわせよりも,今日,今のこの瞬間が子どもにとってしあわせであるように精一杯,接しよう。(p503)
 男らしさとは,清潔の中の無造作である。(p510)
 大切なのはなりたい自分をイメージすることさ。できるだけ具体的に。イメージさえできれば,それは必ず実現できる。とにかくイメージをすること。学びとはすべてそのためのもの・・・・・・(p514)

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