2020年11月5日木曜日

2020.11.05 帯津良一 『達者でポックリ。』

書名 達者でポックリ。
著者 帯津良一
発行所 東洋経済新報社
発行年月日 2008.10.23
価格(税別) 1,300円

● 高齢者向けの生き方論。帯津さんのこの分野についてのエッセイはすでにいくつも読んでいる。が,また読みたくなる。
 なぜかというに,こうだったら都合がいいのになぁと思うことが説かれているからだ。健康診断の数値? そんなものはクソだよ,とか。ときめきを大切にしろ,とかさ。
 それでいいんだったら自分にもできるかも,と思うじゃん。実際にできるかどうかは別にして。何か,中世ヨーロッパで教会が販売したという免罪符に似たものを買っている気がするんだよね。
 同じように考える人が多いのだろう。帯津さんの本は高齢者にかなり読まれているのではないか。

● 以下に転載。
 私たちの命は宇宙の大きな流れの中で循環しています。「死」は終わりではなく,魂のふるさとである「虚空」への旅立ちなのです。旅立ちなのですから,今を生きながら「死」に向かって,日々エネルギーを高め続けることが大事です。(p3)
 「人は死に損なうとろくなことにならない」というのが私の持論です。人間には死ぬタイミング,つまりそれぞれに「死に時」があると思うのです。(p21)
 高齢者がじっとしているというのは実によろしくないことです。からだのめぐりに支障をきたして,すぐになにかを起こすのです。(p23)
 舞台だってリハーサルなしの一発勝負ではうまくできません。それと同じで,死ということも普段から折に触れて考えておかないと,本当に死を迎えたときに上手にポックリいけないのです。(p52)
 死の不安に打ち克つために一番大事なことは,「死後の世界」を信じることだと思います。(p56)
 自分の死を折に触れ考えている人が来ると,死に直面している人は,死への恐怖が和らぐというのです。生を謳歌している人がいくらなにをいってもダメなのです。(p57)
 食の養生は「旬」であるといつも私は言います。旬で地場のものを食べるのが一番いいのです。なぜならばそれは「場」を共有しているから。(p117)
 食養生で一番大事なことは「おいしい」という心のときめきだと思います。食べたいものをガマンして食べなかったり,苦手なものを無理に食べたりするのはダメなのです。(p118)
 「ときめき」こそが生命のエネルギーです(p130)
 サプリメントもいろいろあって玉石混交の面があります。選び方のコツとしてはまず値段です。適正な価格であることです。月に何十万もするようなものはダメだと思います。そんなに高いわけがないのです。それからそれを売りに来る人の人相,これも大事です。人相の悪い人から買ってはいけません。(p160)
 私は食事の前に手も洗わないし,ガラガラやるのも苦手ですから,うがいもしたことがありません。あまり意味のない健康常識に振り回され,神経質になることは生命場を高めるうえでもいいことはありません。(中略)そもそも,からだ全体を考えず,細かい点にとらわれて命を永らえようとするのは,「達者でポックリ」の概念からは大きくはずれてしまいます。(p166)
 血圧を低めに抑えると,「脳出血」は抑えることができるのですが,今度は「脳梗塞」になるリスクが高まるのです。(p172)
 うちの病院でも以前は,落語家さんに来ていただいたり,落語のテープを聞くなど,笑い療法を取り入れていました。患者さんからも評判がよく,それなりによい効果もあったのですが,今は積極的には行っていません。それは人間,無理にでも笑えばいいものではないということに気づいたからです。(中略)ただ,あるがまま,つらいとき,かなしいときは,泣いたり,ため息をついたりしていいのです。(p177)
 もちろんリラックスは大事ではあるけれど,そればかりでも人生は面白くありません。人間はストレスや困難な状況があると,かえって命が爆発するのです。それが病気を治す起爆剤にもなりうるはずです。(p178)
 交感神経が一回働いて,それから副交感神経系が出てくるというバランスが大事です。一日リラックスして副交換神経だけ働いていてもよくないのです。(p179)

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