編者 日経デザイン
発行所 日経BP社
発行年月日 2016.06.14
価格(税別) 2,200円
● 無印の海外展開を解説している。上海やニューヨークの旗艦店が盛りだくさんの写真で紹介されている。無印は基本,進出国に合わせたローカライズはしない。日本発の無印が中国やアメリカで支持されているのは,何だか嬉しい。
● 以下にいくつか転載。
私どもは,海外に出るときにマーケティングリサーチをしません。(中略)その理由は,提供している商品がハレの日の商品ではなく,日常で使うものだから。(松崎暁 p48)
マーケティングやパブリシティーは店舗を通して行うのが基本です。(中略)そのうえでくらしの良品研究所のような仕組みを使って意見を吸い上げていきたいと思っています。(松崎暁 p51)
まず,生活に必要なものは何かを考えました。そこで感じたのは,暮らしの中で無駄な物を排除していくと本当に必要なものは驚くほど少ないことです。そこで新しい商品を開発するときのルールを,『自己主張はしないが凛とした存在感があるか』『使い方を押し付けない汎用性があるか』『商品寿命は長いか』としました。(加賀谷優 p89)
ご飯を一杯よそうにも,昔に比べれば随分と量が少なくなったんじゃないかと思います。時代には丁度いい分量がその都度あって,それはある時代の区切りとともに変化します。(藤原大 p110)
無印良品は「定番を磨く」と日常に美しさが生まれると思っている。(藤原大 p110)
MUJIがもし日本ではなく他の国で誕生していたら,どのようなアイテムが求められるだろうか? そんな仮説からも新しい商品が考えられそうです。(コンスタンチン・グルチッチ p169)
実際の暮らしは,カタログやパンフレットの写真のように何もない空間ではなく,他のものとの対話や調和といった関係性のなかで成立しています。どんなものであれ,自分だけの世界ではなく,必ず他のものとの関係性--ある文脈の中で存在しているのです。(サム・ヘクト p177)
アップルには厳格なデザイン言語があって,ガイドラインもあって,ブランドのルールがある。それらは当然魅力的なものです。しかしMUJIの場合は違います。基本となる哲学はあるけど,原則が決まっているわけではありません。(サム・ヘクト p179)
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