著者 出口治明
発行所 ウェッジ
発行年月日 2017.10.31
価格(税別) 1,300円
● 「自分が好きなことをやる。僕は人間の幸せはそれに尽きると思っています」
「極論すれば,ワークはどうでもいいもの。その意味では出世はしあわせの条件にはならない」
非常に明快。が,同じことをぼくが言っても説得力皆無だろう。言うべき人が言っているから,耳を傾ける気になる。
● 以下に転載。
言わなければ,世の中は絶対に変わりませんから。すべてはそこからです。(p16)
決断がつかないということは,どちらにもそれほどのメリット,デメリットの差がないということ。そういう問題を延々と考え続けていたら,疲れてしまって,時間が経つばかりです。(中略)悩み続けても答えの出ない問題を10円玉に決めてもらうというのは,(中略)昔から人間がやってきた,ごく普通の意思決定の仕方です。(p31)
職場を出たら「はい,じゃあまた次に職場に来るまで」というように,職場で起こったことは全部忘れるように努めてみましょう。そううまく割り切れば,意外と人間は意識の切り替えができるものだと思います。(p70)
また聞きや噂ベースの情報は,一切無視をしていいと思います。(p75)
「本からのアイデアをどう仕事に結びつけるか」ということについでですが,そんなしょうもないことは考えないほうがいいと思います。面白い古典や小説,ノンフィクションを読んで,楽しい時間を過ごせれば,それで十分です。(中略)“ビジネスに役立てよう,アイデアを得よう”と思って本を読み,それで立派なアイデアが得られた試しはない,というのが世間の常識だと思います。(p105)
何が人生で大切なのか,二人が楽しい時間を過ごすことに勝るものがあるはずはありません。仕事はその次です。(p145)
人間は,嫌なことや自分が好まないことをやると自分も傷つきますし,気づかないままに周囲の人にもそれが感染します。どちらにとってもマイナスですから,やりたいことだけをやる,つまり自分の気持ちに正直になることが,何事においてもいちばん大事だと僕は思います。(p164)
尖っている部分を徹底的に伸ばして,“あの人はああいう人だ”と思われてしまったほうが,人生ははるかに楽になります。(p166)
洋の東西を問わず,沈む船から救命ボートを下ろすときは,まず子ども,次に女性,男性,最後に高齢者の順で救命ボートに乗せます。なぜならば,そうしないとその群れ全体が滅んでしまうからです。これが人間社会の真実です。(中略)この順序は歴史的に変わったことは一度もありません。むしろ現在,その当たり前のルールが歪んでいるから,社会に閉塞感が生まれているのだと思います。(p169)
1年は8760時間ありますが,そのうち仕事はせいぜい2000時間前後です。ライフワークバランスは7:3。極論すれば,ワークはどうでもいいもの。その意味では,出世は幸せの条件にはならないと僕は思います。(中略)自分が好きなことをやる。僕は人間の幸せはそれに尽きると思っています。(p183)
「済んだことを愚痴る。人をうらやましいと思う。人にほめてほしいと思う。人生を無駄にしたければ,この3つをたくさんどうぞ」という言葉がとても好きです。(p199)
“社会の常識と合っていないんじゃないか”“組織の平均と合っていない”“みんなと同じように動いたり考えたりできない自分が,おかしいんじゃないか”と自分を責める人,不安に思う人が非常に多い。でも,それは根本から間違っています。人はみんな顔がそれぞれ違うように,考えが違っていて当たり前です。ただ,真ん中にいる人を平均と読んでいるだけで,そこには何の意味もありません。人や周りに合わせる必要は何もない(中略)平均という中心から離れれば離れるほど,じつは社会に役立っているのです。それに,そのほうが,人しても魅力的です。もっと自信を持ちましょう。(p236)
イノベーションを起こすには,常識とされてきたこと,従来のこととは違ったことを考えなければなりません。近いものを結びつけても,イノベーションは起こらないのです。時間内に一所懸命働いて仕事を済ませ,時間外は(中略)仕事から離れれば離れるほど,すごいイノベーションが生まれる確率が高まります。(p238)
みんなと同じようにして角を削ってしまったら,みんなと同じ小さい○になってしまう。それではつまらないと思いませんか?(p238)
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