2023年5月22日月曜日

2023.05.22 鈴木進介 『ノイズに振り回されない情報活用力』

書名 ノイズに振り回されない情報活用力
著者 鈴木進介
発行所 明日香出版社
発行年月日 2022.01.20
価格(税別) 1,500円

● 全5章で構成されている。ぼくが読んだのは2章まで。そこから先はパラパラっとページを繰った程度。

● 以下にいくつか転載。
 現代人が1日に受け取る情報量は,平安時代の一生分であり江戸時代の1年分である(中略)しかも,デジタル情報の90%は直近の2年間で生まれ,また入れ替わっていく(p14)
 スマホが誕生してからというもの,私たちは “常時接続” の状態になり,大量にインプットすることが可能になりました。(中略)ところが,(中略)スマホは,「効率の良さ」(手軽にたくさんの情報にアクセスできる)と「非効率さ」(ムダな情報が多く,欲しい情報が探しにくい)が同居しているため,「飛び道具」にもなるし「ノイズ」にもなります。(p17)
 「いつか使うかも・・・・・・」と考えてストックを続けた情報は,全部使いましたか?(中略)少なくとも私は「いつか使うかも・・・・・・」でなんとなく集めた情報は使った記憶がありません。(p22)
 「もっと」という衝動をおさえ,「本当に重要な少数の情報にフォーカスできるか?」。これが私たちに問われています。(p36)
 出入口とは表現しても,「入出口」とは言わないですよね? “出る” が先,“入る” が後というわけです。インプットをする前にアウトプット先を明確にしてみてください。(p55)
 そもそも,インプットは何のために行うのでしょうか? アウトプットとして成果につなげるためです。にもかかわらず,はじめにインプットありきのスタンスは,自ら成果を放棄するようなものです。(p57)
 疑問点を解消するだけの “調べもの” を除いて,情報の中には答えはありません。自分の頭の中で仮の答えをつくり(仮説),情報を集め検証していく中で答えが見えてくるもの。これが仕事の本質です。(p58)
 インプットした後で整理しようとするからうまく整理できないのです。私の方法は逆です。インプットしてから整理するのではなく,整理する保存先をつくってからインプットするのです。(中略)それ以外の情報はインプットしないことでノイズを減らすように心がけているのです。(p68)

2023.05.22 和田秀樹 『70歳の正解』

書名 70歳の正解
著者 和田秀樹
発行所 幻冬舎新書
発行年月日 2022.07.25
価格(税別) 900円

● 老人本でベストセラーを連発している和田秀樹さんの本だが,本書は2020年8月に刊行された『老後は要領』(幻冬舎)のリライト版。

● 本書が説く諸々の中で最も重要なのは164ページにある。「金融機関のすすめてくる金融商品」にだけは,投資しない,というところだ。

● 以下に転載。
 私には,わが国の高齢者には,「正解」からはほど遠い「損な生き方」をしている人が非常に多いように思えます。たとえば,
・間違った健康常識を信じ込んで,不必要な我慢や節制をしている人
・「定年=引退」と思い込んで,人生の可能性を閉ざしている人
・簡単に開窯できるストレスを抱え込んで,暗い人生を送っている人(p5)
 脳が活発に働いている状態とは,「神経伝達物質の量が多くなり,シナプス間を活発に行き来している状態」といっていいのですが,大豆は,その神経伝達物質の重要な原料「レシチン」をたっぷり含んでいるのです。(中略)中でも,納豆は,大豆の栄養をほぼそのままの形で接種できる優秀な食材なのです。(p21)
 「コレステロールは,体に悪い」というのは,フェイクニュース,間違った思い込みです。(中略)コレステロールは,人間を含めた動物の体を形づくる脂質の一種。性ホルモンや細胞膜の材料になるなど,生命体に欠かせないものなのです。加えて,コレステロールは,脳内で「セロトニンを運ぶ」という大役を果たしています。(p22)
 脳や血管の酸化は,認知症全体の約7割を占めるアルツハイマー型認知症の原因のひとつとされているのですが,ビタミンCには,それを防ぐ力があるのです。(中略)酸化を防ぎ,脳細胞や血管を守るのです。(p25)
 毎日のように大酒を呑んでいると,前頭葉が確実に萎縮していきます。実際,アルコール依存症患者の脳を調べると,前頭葉と海馬が萎縮しているケースがひじょうに多いのです。(p27)
 タバコも,やめるに越したことはありません。(中略)ニコチンは血管を縮めるため,体内の血のめぐりが悪くなるうえ,脳に流入する血液量が減っていきます。すると,脳はたえず酸素不足の状態に陥り,うまく機能しなくなってしまうのです。(p27)
 ガムを噛んでいるときの,脳の状態を調べると,血流量が増えていることがわかりました。(中略)逆にいうと,歯が悪いことは,認知症の原因になります。(p29)
 私の臨床経験からいっても,70代で耳が遠くなった人には,認知症を発症する人が多いように思います。(中略)迷わずに補聴器を使うことです。(p37)
 老後,心がけたいことを「あかさたなはまやらわ」で始まる10個の動詞にまとめて,患者さんらに伝えています。(中略)ご紹介しましょう。
 あ 歩く
 か 噛む
 さ サボる
 た 食べる
 な 和む
 は 話す
 ま 学ぶ
 や 役立つ
 ら 楽観する
 わ 笑う(p46)
 前頭葉は「想定外の出来事」が大好きですので,「結果がわからない」「失敗するかもしれない」というチャレンジも,前頭葉を刺激します。(中略)人生,安全策ばかりでは,前頭葉がどんどん衰えていきます。(p73)
 深呼吸で取り込まれる酸素量は,通常の呼吸の約7倍にものぼります。新鮮な空気が大量に入ってくると,血液の循環がよくなり,脳の酸素不足が解消されます。また,意識的にゆっくりと呼吸をすることで心拍数が減ることも,リラックス効果を高めます。(p85)
 太陽の光には,心身を活性化させる力があります。逆にいうと,日の光を浴びないことは,人間にとって最大級のストレスになるのです。(p89)
 75歳以上の場合,2週間動かないと,動いているときの7年分も,筋肉量が落ちるというデータがあるくらいです。(p99)
 むしろ,私は「動機は不純でなければ,動機ではない」とまで思っています。(p168)