著者 ジェームズ・ウォード
訳者 関根光宏・池田千波
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2015.11.30
価格(税別) 2,200円
● 歴史雑学といっても,驚くようなトリビアが登場するわけでもなく,わりと退屈だったかな。
これがイギリス流のユーモアなのかと思われるところも,ポンポン出てくるんだけど,あんまり面白くもないんだよな。
● とはいえ,いくつか転載しておこう。
万年筆人気が何度も復活しているあいだに,「われわれにとって,万年筆は仕事の道具からアクセサリーへと変化した」。(p71)
この小さなノート(モレスキン)は,それを使う人の心の中にほとんど宗教に近い情熱をかきたてる。いっぽうで,このノートは虚飾の象徴として冷笑の対象にもなる。(p90)
モレスキンは最初から中国で製造されていたが,その事実がどこにも記載されていなかっただけなのだ。(p96)
書いたものをいつでも消せるので,日記や手帳に書くときも気負わずに何でも書ける。鉛筆にはいつも逃げ道があるのだ。(p145)
僕自身も含めて一部の人にとって,文房具を買うのは喜びそのものだ。文房具店というのは可能性の宝庫であり,そこに逝けば新しい人生を歩むきっかけをつかめる。このカードとこの付箋を買えば,ずっとそうなりたいと思っていた人間,そう,整理整頓ができる人間になれるかもしれない。このノートとこのペンを買えば,ついにあの小説が書けるかもしれない・・・・・・(p194)● モレスキンが最初から中国で生産されていたとは,この本で初めて知った。ネットを見ると,ある時期を境に品質劣化が始まり,それがどんどん進んで,もはやモレスキンを使う気にはならない,という指摘をわりと目にするんだけど,その“ある時期”が中国生産に切り替えた時期なのだろうと思ってた。
どうも,そうじゃないらしい。
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