2023年7月21日金曜日

2023.07.21 栃木の法則研究委員会編 『栃木の法則』

編者 栃木の法則
著者 栃木の法則研究委員会
発行所 泰文堂
発行年月日 2015.02.01
価格(税別) 950円

● 3冊目はこちら。後発ゆえか,けっこう無理をしている。新味を出そうとして,ないものをでっちあげたところがあるような気がするね。
 第一は「足利市の言葉は標準語に近い」(p15)というところ。足利市の方言はズーズー弁の栃木弁とは明らかに違うものだが,標準語とはもっと違う。

● 「JR宇都宮線に乗っていて,個性的なファッションや存在感を出す人がいたら,だいたい栃木駅まで乗っている」というのは,どういうことだ? 宇都宮線に栃木駅なんてない。
 小山駅の間違いだろうか。だとしても,これは成立していないでしょうよ。

● 「温泉で有名な鬼怒川には,鬼怒商業学校や鬼怒中学校など土地名の付く学校がある」(p80)となると,ちゃんと調べろよと言いたくなるぞ。鬼怒中学校は宇都宮市にあるが(茨城県常総市にもある),鬼怒商業学校などどこにもない。
 そんな名前の商業学校がアニメでにも出てきたのかね。鬼怒商業高等学校というのは茨城県の結城市にあるんだが。もうちょっと調べろよ。

● 方言の具体例として,「おれがち=私の家(俺の家)」というのが上がっているのだが(p108),“おれがち” なんて栃木県民は言わない。“おれげ” または “おらげ”だ。君の家は “おめげ” になる。茨城県にも同じ言い方があるのではないか。
 もっとも,これも今ではほぼ死語になっていて,若い人はまず使わない。

2023年7月19日水曜日

2023.07.19 栃木県地位向上委員会編 『栃木のおきて』

書名 栃木のおきて
編者 栃木県地位向上委員会
発行所 アース・スターエンターテインメント
発行年月日 2014.02.25
価格(税別) 952円

● 構成は斎藤充博さん。地元の塩谷町出身の人。

● 「小学校も卒業式には中学校の制服を着て出席」という項目がある(p48)のだが,これは昔からそうだったんだろうか。ぼくが小学校を卒業したのは半世紀以上も前のことで,はっきり記憶にないのだが,そうしたんだったかな。
 男体山の「近くに丸っこい形の女峰山があるものだから」,男体山が「とっても雄々しい形に感じてしまう」(p145)とあるのだが,これは嘘だろう。女峰山はゴツゴツした形で,どうしてこれを女峰山などと付けたのだろうと,女峰山を見るたびに疑問に思うことになるんだよね。

● 「それぞれに地元・・・・・・たとえば宇都宮,日光,那須,小山,など個別の地域には愛着があるが,栃木県そのものに対する帰属意識は低い」(p171)とある。そのとおりなのだが,これはすべての都道府県がすべてそうなのではないかと思う。愛知県では尾張と三河は交わらないと言われるし,青森県でも弘前と八戸ではまるで違うような気がする。
 そうじゃないところがあるのか。そもそも都道府県の圏域なんてどうでもいいというのが,ほとんどの人たちにとっての共通了解事項ではあるまいか。

2023年7月18日火曜日

2023.07.18 阿久津あかを・伊武八郎 『栃木あるある』

書名 栃木あるある
著者 阿久津たかを
画 伊武八郎
発行所 TOブックス
発行年月日 2014.10.31
価格(税別) 980円

● 昨日に続いて今日も宇都宮市明保野公園に来た。申しわけないほど暇なのよ。
 言っとくけどね,暇って最高だよ。人生の究極の目標は暇になることだよ。死んだら暇になるって? 死んじゃったら暇を認識できる自己も消えるんだから,それじゃ意味がない。生きてこその暇なのよね。生涯現役なんてアホが考えることやで。
 と,芯から怠惰なぼくは思うんでした。

● で,噴水から噴き上がる水音を聞きながら『栃木あるある』を読んじまった。栃木をネタにクスリと笑える軽い読みものね。
 各県版が出ているでしょ。東京も北海道も笑いのネタに満ちているはず。

● 
かつて「ケンミンショー」という日本テレビのバラエティー番組があった。現在も「秘密のケンミンSHOW極」と名を変えて継続しているらしいけど。
 各県の県民性や方言や食べ物などをいじるのが流行った時期があった。

● 著者は地元のさくら市出身。表紙は大島優子。懐かしい。ついこの間だけれども,そういう時代があったよね,と。