読書で人生が変わるなどということは,まずもってないものでしょう。読書が人を賢くすることも,たぶん,ないと思います。 読書は安価でお手軽な娯楽であり,時間消費の手段です。それでいいというより,娯楽でない読書は可能な限り避けたいものです。 娯楽としての読書があれば,老後もなんとかしのげるのではないでしょうか。というか,しのげると思いたいわけですが。
2012年10月30日火曜日
2012.10.29 開高 健・青柳陽一 『河は眠らない』
書名 河は眠らない
著者 開高 健
青柳陽一(写真)
発行所 文藝春秋
発行年月日 2009.02.25
価格(税別) 1,714円
● 昔,開高さんの愛読者だった。「風に訊け」という人生相談を週刊プレイボーイ誌で連載していたときは,雑誌を置いてある喫茶店に行って,コーヒーを飲みながらその連載を読むのが,無上の楽しみでしたね。
『オーパ!』シリーズはワクワクしながらページを繰ったものだ。が,どこかに紛れこんでしまって,探しても見つからなかった。
本って,一度読んだらそれっきりで,再読するものはそんなに多くはない。が,『オーパ!』はちょっと残念。
● この本は青柳さんの写真に開高さんの名言を散らしたもの。風倒木をナースログと呼ぶ話とかね。「無駄をおそれてはいけないし,無駄を軽蔑してはいけない」という教訓になるわけですね。
● でも,本書の白眉は写真の方でしょう。アラスカの河の清冽さ,雄大さ。言葉にしてしまうと平凡になるんだけど,実際にそこに身を置いたら自分の眼にどう映るのか。
名人が撮った写真に自分の想像力を加えて,現地に行く以上のイメージを自分の中に作れればと思うんですけどね。
● 一番印象に残ったのは,ウィスキーをラッパ呑みしている開高さんの傍らに現地のガイドが写っている写真。ガイドは開高さんの方を見てはいない。自分の仕事をするんだという感じの佇まいがいいんですね。
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