読書で人生が変わるなどということは,まずもってないものでしょう。読書が人を賢くすることも,たぶん,ないと思います。 読書は安価でお手軽な娯楽であり,時間消費の手段です。それでいいというより,娯楽でない読書は可能な限り避けたいものです。 娯楽としての読書があれば,老後もなんとかしのげるのではないでしょうか。というか,しのげると思いたいわけですが。
2013年5月2日木曜日
2013.05.02 池波正太郎 『正太郎名画館』
書名 正太郎名画館
著者 池波正太郎
発行所 河出書房新社
発行年月日 2013.04.30
価格(税別) 1,600円
● 初出は1977~84年。当然,本書に登場する映画たちは,40年近くも昔のものってことになる。数は少ないけれども,ぼくも見た映画も出てくる。
のだが,正直,懐かしいという感じはしない。さほど映画が好きじゃなかったのだろうな。
● 名画座で3本立てを見続けた数年間があるにはあったんだけど,鮮烈に記憶に残っている映画ってない。当時の流行スタイルに乗ろうとしてただけなんだろう。映画を見る自分ってどうよ,かっこ良くない,ってね。
● しかし,池波さんは,当然ながら,そうではない。夥しい量の映画を見続ける。主には配給会社の試写室で。
これだけ見てるんだから,玉石混淆だったに違いないのだが,池波さんは貶しっぱなしにはしない。どんな映画でもどこか一箇所はほめている。
芝居の演出も手がけていた人だから,映画もまた演出に注目する度合いが高かったようだ。もちろん,脚本への目配りも。
● 職業ゆえ,細部をキチッと捉えていると思われる。それをギュッと凝縮して,簡素な文章に反映させているのはさすがというべきでしょう。短い文章の積み重ねなんだけど,盛られている情報量はとんでもなく多い。
問題は読み手であるこちら側が,その情報量のどこまでをキャッチできているか,ってこと。
● ちなみに,「エマニエル夫人」。シルビア・クリステルが主演したやつ。ぼくも見たんですけどね,つまらなかった記憶しかないんですよね。たんなるポルノとしか思えなかった。
いまどきのAVの方が,よっぽど鑑賞に耐えると思うんだけど,今,見直せば印象が変わるのかなぁ。見直す気にもなれないけれど。
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