著者 末広栄二
発行所 日経BP社
発行年月日 2010.09.06
価格(税別) 1,400円
● ツイッターにはその世界独自の言い回しがあるんでしょう。「2ちゃんねる」でも符牒まじりの言い回しが次々に生まれて,そのいくつかは定着しているしね。
最初に使った人はいるんだろうけど,それがバッと広まって,あたかも自然発生的に生まれたような感じになる。面白いものだと思う。
著者はそこに「だじゃれ」を持ちこんで,流行語?を作っていく。その過程が面白かった。
● なんだこの日本語はと目くじらを立てる人は,さすがに死に絶えていると思うんだけど,こういうのは目くじらを立てようが,髪を逆上させようが,生まれてくるものなんですな。
● 著者は(たぶん生まれつきだと思うんだけど)ホスピタリティをたくさん保有している人のようだ。会社に内緒で社名を使ってツイートを発することにしたのも,会社への貢献意欲もさることながら,自分がやってみたかったからのようなんだけど,いくら好きでやってみたかったからとはいえ,ここまで献身できるのは,持って生まれた性格だろう。
そのノウハウというか,方法論というか,それを他社に出し惜しみすることも考えていない。本書で包み隠さず公開している。
● 本書の後半で,自身の生いたちを紹介している。こういう人って,たぶん若い女性社員にもモテマクリだろうなぁ。
私がツイッターでコミュニティを作ろうとか,メディアを作りたいとか言い出し,(中略)たりしている根底には,私の人生自体が何でもやってみようという姿勢だったこと,それでも何とかなってきたということがあります。(p146)
後に温泉旅館で布団敷きのアルバイトをして中古ドラムを購入しましたが,演奏方法がよくわからないので,カセットで曲を何回も何回も聞いて耳コピーするという自己流でした。考えてみれば,ツイッターもそうですが,これまでの人生すべてが自己流です。(p147)
いわゆる歓楽街を営業して,塩を撒かれたこともありました。おめでたい性格なのか悲壮感はなく,「こういうことって本当にあるんだなぁ」と驚いた半面,なんだかおかしくなってしまいました。(p151)
結局は新しいモノが好きという部分も非常に大きいように思います。(中略) こうした新しいモノ好きが高じて,ツイッターはもちろん,iPhone,iPad,ユーチューブ,ユーストリーム,フェイスブックなどの新しいサービスにいち早く飛び付いて,コミュニティ作りやメディア化への道に突き進んでいるのかもしれません。(p160)● こうした背景を持たない人が,会社をPRしようと同じことを始めても,消費者からそっぽを向かれてしまう。
大半は宣伝が見え見えなのじゃないか。これだとマイナスになる。下手にやるんだったらやらない方がましだ。やらなければ,少なくともゼロをキープしているわけだから。
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