発売所 金沢倶楽部
発行年月日 2004.12.01
価格(税別) 762円
● これだけ質の高いビジュアル。多彩な登場人物と取材先。168ページのボリューム。これで762円。そうとうな数が捌けないと赤字になるのではないか。
実際,10年前に登場して,3年もったかどうかといったあたりで消えていった。
● 当然,版元もそのあたりは折りこみ済みだったろう。長く続けられる雑誌ではない。取材対象の主なところは,ホテルとレストランだ。しかも,しっかりしたホテルとレストラン。
いかにしっかりしていても,これまた浮沈はある。が,いかに浮沈があろうと,年6回発行される雑誌の取材先がなくならないほどには激しくない。
● 巻頭のインタビューは,中村吉右衛門,戸田恵子,山本益博,稲葉賀惠,佐藤可士和の5人。佐藤さんの発言からひとつ転載。
高級ブランドを身に着けて百円ショップで買い物することがヘンでも何でもない。だから少しぐらい振り切ったことをやっても吸収して馴染ませてくれる。そんな場所は世界中のどこを探しても東京以外にはない(p15)● 特集は「東京プチホテル」。次の8つのホテルが取りあげられている。
アグネス ホテル アンド アパートメンツ 東京(神楽坂)
山の上ホテル(神田)
フォーシーズンズホテル丸の内 東京
クラスカ(目黒)
ホテル西洋 銀座
アリマックスホテル渋谷
アリエッタ ホテル&トラットリア(五反田)
東京ステーションホテル
雑誌はウソをつく。行ってみたら何これって感じだったよ,ってのはまぁ普通にあるとしても,まぁ魅力的なホテル群には違いない。
違いないとしても,そうしたとことに泊まりたいという気持ちはなくなっている。ただ,「朝食という誘惑」はまだ自分をとらえているかも。朝ご飯をたまにホテルに食べに行く。
でも,そのためだけに東京に出るというのはありえないもんな。
● 次の特集は「今宵,カウンター席で」。進藤晶子,高橋睦郎のインタビューと次の13店の取材。
パリアッチョ(イタリア料理 中目黒)
Le Gaulois(フランス料理 表参道)
OZAWA(フランス料理 白金台)
トゥリオ(イタリア料理 渋谷)
レディタン ザ・トトキ(フランス料理 銀座)
SASAO(フランス料理 本郷)
ahill(鉄板フレンチ 西麻布)
コム・シェ・ヴ(フランス料理 代々木上原)
うち山(銀座)
鮨 かねさか(銀座)
左京ひがしやま(銀座)
てんぷら 深町(京橋)
馳走 喜多おか(外苑前)
● 編集人である林俊介さんの連載「ホテルに泊まるといふこと」。この号では伊豆の「あさば」を取りあげている。
“グラビアインタビュー”で草刈民代さんを取りあげ,“東京料理人百撰”で「きよ田」の木村正さんを取りあげ,“立木義浩の会いたい人”には渡辺貞夫さんが登場している。
● “東京ウォッチング”で市井の人たちに「今,何にワクワクどきどきしてますか?」と訊いている。ゴルフだの娘の成長だのラーメン屋めぐりだのといった,普通の話がやっと出てくる。
最後は編集人の「茫々酒中日誌」で締められる。斜に構えるのはいいとして,斜の勾配がやや急すぎないかと突っこみながら読める。
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