編者 濱島雄一郎
発行所 枻出版社
発行年月日 2015.08.20
価格(税別) 1,500円
● ポルシェって,この辺で見かけることはまずない。ポルシェのオーナーだって人もぼくの周りにはいない。ベンツとかBMWとかレクサスとかは,よく探せばいるのかもしれないけど。
でも,ポルシェとなると,それらとは世界が別だ。
● で,どんな人が乗っているんだろうと思って,このムックを見てみましたよ,と。
結果からいうと,行っちゃってる人だね。堅気ではない人。絶対的なお金持ちというわけではないし,仕事も誠実にやっていそうな人たちなんだけど(その仕事もポルシェ絡みの仕事だったりする),まぁ何というのか行っちゃってる感じだよね。
● 行っちゃえるというのは,男の子の特権なのかもしれないね。こういう実利のない遊びに没頭できるのは男の領域というか。
女性のコレクターってあんまり見かけない。あっても,洋服とかバッグとか靴とか,なんらかの実用性をまとっている場合がほとんどではないか。
● でも,女がしっかりと地に足をつけているから,男は遊んでいられる(男の子でいられる)わけで,どっちが偉いのかといえば女のほうが偉いや。
男の場合,いくつになっても子どもでいることが許される度合が女よりもずっと大きくて,ときに“少年の心を持った人”なんて称揚されることもあったりする。だけど,少年の心しか持っていない男なんて,相当に迷惑な存在だろうよ。
● このムックに登場する人たちは,しかし,少年の心しか持っていない人たちではない。しっかり大人もやっている。
以下に,オーナーたちの発言をいくつか転載。
ポルシェは90%の完成品としてデリバリされ,あとの10%はオーナーが創るものだと思います。(p53)
ムダ遣いが一番大事だよね。真顔じゃないもの。ムダがわからないと,ポルシェで遊ぶなんて無理だと思うよ。(p59)
趣味だから走れるんです。大人げないというか幼稚というか,性懲りもなくなりたいなって思う。これが仕事ならそうはいかない。(p71)
まるで子供でしょ。でも大人にはムダに見えても幼児には意味があるのです。(p75)
ポルシェに乗るには,それに相応しい自分を造り上げなければならないと思います。逆に言うとポルシェに似合う男になりたいと常に思っているのです。なにより,ワクワクする気持ちを続けたい。(p83)
僕は資金的な意味でも,あるいは似合うとか乗りこなすという意味であっても,“クルマについていけないのなら,それはみっともないから乗るべきではない”と考えていた。(p86)
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