著者 ロバート・ハリス
発行所 講談社
発行年月日 2004.03.06
価格(税別) 1,800円
● 著者が若い頃に作った「やりたいことリスト」の大半は現実になったという。
一度強く願ったものは往々にして叶ってしまうものである。なぜそうなるのかはぼくにもはっきりとは分からない。(中略)ぼくがリストにに手を加え続け,新しい夢を書き足し続けるのも,心のどこかで,この思い願うことの持つ力を信じているからなのだと思う。(p385)● 本書はそれを紹介しつつ,自らの半生を振り返る自伝のような体裁になっている。自伝としては,後半から面白くなってくる。
● 以下にいくつか転載。
つまり人生楽しんだ者勝ち,ということである。(p32)
一時間に一回,大きく勝てばいい。あとは小さく負けて小さく勝つ。悪い手はすぐ捨てて,危ない勝負は極力避ける。それだけのことだが,これでよく勝った。熱くなったりバカな勝負をする奴が多かったからだ。(p41)
いつの時代でも,今を生きることが我々の最重要課題だとぼくは思っている。(p85)
「ええ,俳優業は肉体労働です」 永瀬君は静かな口調でそんなことを言ったが,この言葉のおかげで自分の中の疑念のようなものが吹っ切れた気がした。ぼくがこの世で一番苦手とするのが,この肉体労働である。重い物を運んだり,薪を割ったりするのはもちろんのこと,無駄に体を動かすのも嫌いな人間なのだ。自然の中でテントを張ってキャンプするぐらいなら,味も素っ気もないモーテルに泊まるほうがよっぽどましだと考えている。(p121)
もちろん飛び込みはしなかったが,この思いはひとつのよりどころとなった。これ以上我慢できなくなったら死ねばいいのだ。そう思うと幾分楽になった。(p175)
自分の意識に責め苛まれることがこれほど苦しいことだとは思ってもいなかった。未来の夢も,日々の喜びも,明日へ向かって突き進んでいくエネルギーもすべて消え,ただただ憂鬱で不安に満ちた時間だけが過ぎていった。(p194)
(オーストラリアは)そんな健康的な解放感,ユーモアのセンス溢れるところなのだ。(中略)ここは日本のような「頑張り」を美徳とするのではなく,「TAKE IT EASY・・・・・・楽しく,呑気にやっていこうぜ」の精神を重んじるところである。この緩み加減,いい加減さがぼくにはピッタリ合っていた。(p345)
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