発行所 洋泉社
発行年月日 2014.11.28
価格(税別) 1,200円
● 表紙と巻頭のインタビューは壇蜜。この種のムックを飾る女優として欠けるところがない。知的な雰囲気を漂わす。実際に読書家でもあるらしい。
一方で,独特の色香を発散してやむところがない。その分野でも独特の立ち位置を確保している。
● 知性と色香を統合した女優って,かつてなかったのではないか。いや,そういう女優さんはいたはずだけれども,その双方が表に出て,自然に統合されている女優っていうのは,彼女が初めてかもしれないと思う。
去年はNHKのEテレで中国語講座のナビゲーターを務めた。見事な反射神経で,番組終了時にはかなり話せる程度に上達していたはずだ。
● オリオンパピルスという本屋。立川市にある。
立川は駅前を歩いたことがあるくらいなんだけど,荒っぽい気風というのか,建て前を排して本音で生きてる人たちの街という印象を持っていた。
本? んなものがナンボのもんじゃい,という街かなぁ,と。駅ビルには本屋はないようだったしね。そういう街なんだなと思っていた。
しかし。ちょっと見で決めつけてはいけなかった。オリオン書店が何店舗も立川市内に展開しているのだった。
● 以下にいくつか転載。
本屋さんに通っていると,書店員という仕事をされている人を尊敬します。本屋に来るお客さんってあまり表情を見せないじゃないですか。だけど,探している本が見つからないと不機嫌になりますよね。当たられることもあるでしょうしね。人のゼロかマイナスの感情に,自我を殺して向き合う仕事なので凄いなと思います。(壇蜜 p5)
アマゾンよりもリアル書店がいいのは,そのジャンルの全貌が見えることですね。(高野秀行 p7)
日本のように本屋が大衆的な国のほうが珍しい。(高野秀行 p7)
日本の本屋に行くとすごくアジアを感じます。アジアから帰ってきたのに,日本の本屋のほうがずっとアジア。(高野秀行 p7)
(本を読むのは)最近の議員なら,与謝野馨さん,森山眞弓さん,鈴木宗男さんとかかな。でもまぁ,今のセンセイたちは・・・・・・,六法全書を持ってない人もいるくらいだからねぇ(p43)
日本人の料理人も本を読んで自分で勉強する人は伸びるよね。小僧の頃から先輩につれられてウチに来て,有名になった子も何人もいる。今じゃあミシュランの星獲って,とても高くて行けないけどさ(p53)
最近は本が売れなくなり,雑貨も並べる本屋が増えてきた。(中略)ところが「混在」させる勇気のある本屋は少ない。「混在」にこそ意味があるのに。(永江朗 p64)
菊地敬一はヴィレヴァンでいくつか画期的なことをやったが,そのひとつが「新刊やベストセラーを追いかけない」だ。中小の書店が「話題の新刊」やベストセラーを仕入れようとすると膨大なエネルギーが必要になる。それよりも,入手しやすい既刊を掘り下げたほうがずっとおもしろい品揃えができる。(永江朗 p65)
「人が何か大変なものに襲われる小説」というフェアをツイッターで告知したときは,1200回ぐらいリツイートされましたが,売上げにはあまり影響しませんでしたね。(中略)ネットよりも半径30メートルにどう届けるかですね。(p110)
ひとつ気掛かりなのは,本屋は本屋同士で仲良くするのに,隣近所の他業態とあまりつながろうとしないことです。(p111)

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