2022年4月16日土曜日

2022.04.16 野口悠紀雄 『「超」メモ革命』

書名 「超」メモ革命
著者 野口悠紀雄
発行所 中公新書ラクレ
発行年月日 2021.05.10
価格(税別) 880円

● 副題は「個人用クラウドで,仕事と生活を一変させる」。著者の言う超メモ,超アーカイブとは何なのか。じつはよくわからなかった。
 が,紙にペンで書くのではなく,パソコンやスマートフォンを使ってデジタル化しておくことと,それを端末のハードディスクやSSDに保存するのではなく,クラウドに置いておくこと。この2つを満たしているものを超メモと呼んでいいんだろうか。

● であれば,研究者や文章を書くことを職業にしている人は格別,普通の人ならSNSやnote,ブログにあげておけば自動的に超メモ,超アーカイブになるのではないか。すでにあるプラットフォームを使う方が簡便だと思うが。
 絶対に人目に触れさせてはいけないものは別の形にしておく必要があるが,そういうものはそんなに多くはないだろう。

● 以下に転載。
 頭の中で考えているだけでは,アイディアは成長しません。バラバラでとりとめもなく,体系もないからです。しかし,それを音声入力でテキスト化すれば,目に見える形になります。(p48)
 問題は,最終的なプロダクトに至るまでの,情報の加工過程なのです。この過程において,紙よりデジタルが圧倒的に優れているのは,論じるまでもなく明らかなことです。(p67)
 検索ができないのは,情報の処理手段としては致命的な欠陥です。検索ができるとできないとでは,情報の利用に大きな差が生じます。(p68)
 考えついたアイディアを保存しいつでも取り出せる態勢を作ることは,アイディアを考えつくのと同じように重要なことです。(p70)
 モノでも情報でも,「要らないモノを捨てる」ためのコストは,決してゼロではありません。(中略)そこで,「捨てるという努力をすること」を捨てることにします。データ保存料の成約がなくなったので,「要らないものを捨てる」という考えを捨て,「必要なものを後から見い出す」という考えに転換すべきなのです。すると,大きな可能性が開けます。(p81)
 頻繁に使うものについては,箱を作っておいてそれを固定し,その中身を変えていくようにしたほうがいいのです。(p118)
 押し出しファイリングは使い続けることによって機能する仕組みなのですが,「超」メモも同じです。逆に,使い続けていないと,錆びてしまいます。(中略)維持し続けるとは,使い続けることです。(p119)
 Googleドキュメントにはコメント機能があり,これをうまく利用すると,リンクの代用とすることができます。ファイル内の任意の文字列に対して,コメントを書き込むことができます。(中略)本文に関連して思いついたアイディアなどをそこに書き込んでおけばよいのです。(中略)このシステムは,断片的なメモを見失わないために便利です。(p131)
 自分が持っている資料やデータをクラウドに上げるということは,書斎や研究室そのものを常時持ち歩いているようなものです。これまで思いもよらなかったことができるようになっても,不思議はありません。(p208)
 一つの仕事は,完成するまでそれにかかりきりになるのが望ましい進め方です。途中で中断してしまうと,その仕事の細部に関する記憶が失われてしまうからです。(p225)
 「数日後の自分は別の人間なのだ」と自覚し,「別の人間である将来の自分」に,親切な引継ぎメモを作っておく必要があります。(p225)
 写真をいくら撮っても,ほとんど無料で,事実上いくらでも保存できるようになったのです。これは,写真に対する基本的条件の大転換です。(中略)いまや,メモを取るための最も簡単な方法は,「写真を撮る」ことになりました。新聞記事,紙に書いたメモ,紙で送られてきた通知などは,写真に撮って保存するのが最も簡単です。(p228)
 自分の頭の中にあることのメモであれば,最も簡単な方法は,音声入力です。(p229)
 新聞社が提供している新聞記事のデータベースでは,非常に大量のデータが手に入ります。しかし,あまりにも大量であるために,そこから必要なものを探し出すのが困難です。(中略)結局,自分用のデータベースを作らなければ役に立たないということになります。(p245)
 人類が他の動物とは違って進歩できたのは,すべてのことを覚えているのではなく,その大部分をメモや記録の形で脳の外に記録してきたからです。(p262)
 記録は紙のメモ用紙に書いただけ。どこにいったかわからない,といった状態では,AIといえども利用することはできません。最低限,情報がデジタル化されている必要があります。そして,次の段階として,クラウドに上がっている必要があります。(中略)ここで蓄積された情報は,将来の世界において,大きな価値を持つことになります。いま「超」アーカイブの形で個人情報を蓄積している人は,将来の世界において技術進歩の恩恵を享受することができるのです。(p268)

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