書名 そろそろからだにいいことを考えてみよう
著者 伊藤まさこ
発行所 朝日新聞出版
発行年月日 2019.07.30
価格(税別) 1,500円
伊藤まさこさんの著書は見つけ次第読むと決めている。そういう著者は他にも何人かいるが,若い頃と違って “読む” を徹底できなくなっている。そもそも本を買わないようになった。
● 本の書き手には,書かずにはいられないから書くという人と,書くことしかできないから書くという人の2つの類型があると思うのだが,作家と呼ばれる人たちは後者が多いのかもしれないと思っている。
だいたいが,俗世とうまく折り合いをつけていける人では,読んでもらえる作品は書けないものだと思う。古くから森鴎外などの例外はいないわけではないが,鴎外とてギリギリで折り合っていたのではないかと思う。
伊藤さんは前者。書かなくても彼女の人生は成立する。が,折り合いをつけるのが上手い方ではなかったと思う。であればこそ,今があるのだろう。
● 以下にいくつか転載。
炒めものは,食材をあれこれと入れないシンプルなものが一番と思っている(p21)
豚ばら肉は,大きめのブロックで買い,用途に合わせて切りながら使います。ミンチにしてあるものより食べ応えがあるし,なによりこのほうがおいしい。(p27)
トマトは完熟のおいしいものを,卵は新鮮なものを。シンプルな料理は,素材のよさが決め手になります。(p31)
でも,ひとつ続けていることがあって,それは時々,食べない日をもうけるってこと。(中略)バカンスの語源は「VACANT」つまり「空き」。気持ちがいっぱいいっぱいだと,心の余裕がなくなってしまうし,いいアイディアも出てこない。(中略)からだに空きができると循環もよくなり快適になる。(p48)
これが食べたい! そう思ったら,すぐに食べないと気が済まない。(中略)そんな時は,ちょっとジャンクなものでも,気にせず食べます。きっと食べたい理由が,からだや気持ちにあるはずだから。(p52)
買いものからはじまり,後片づけまでと考えると,料理って手間と時間のかかる大変な家事。それに器えらびまで? と思う方もいるかもしれませんが,ちょっと気にしてえらんでみると,テーブルの上は見ちがえるもの。ひと手間で変わるなら,惜しみなくやりたいと私は思うのです。(p118)
家の中の散らかりようは,自分の心の中の散らかり具合と比例するものです。(中略)では,そうならないためにはどうすればいいかと考えて,自分の中で決めごとをつくりました。すごく簡単,出したらしまう,です。食器に本,コードやクリップなどの細かいもの・・・・・・ありとあらゆるものの定位置を決め,そこから出したら元の場所にしまう。(p122)

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