2022年5月21日土曜日

2022.05.21 百田尚樹 『百田尚樹の新・相対性理論』

書名 百田尚樹の新・相対性理論
著者 百田尚樹
発行所 新潮社
発行年月日 2021.10.25
価格(税別) 1,250円

● 副題は「人生を変える時間論」。得に面白くもなかったし,斬新さもなかったと思うのだけど,最後まで読んでしまった。
 何が書いてあるかといえば,以下の転載のとおり。特に人生を変えるようなものでもない。

● 以下に転載。
 人間は人生の中で感動したり驚いたりすると,その出来事が強く心に残ります。喜んだり泣いたり怒ったりしても同様です。人生を振り返った時,そうした出来事が多かった時代は,「長い時間」に感じるのではないかというものです。(中略)中年以降の人生が短いと感じるのは,感動や驚きが減るからにすぎません。(中略)もう一つ大事なことは,喜怒哀楽の感情を大切にすることです。感情の鈍麻は,人生を短くします。(p39)
 つまらない時間は感動や驚きは少なく,あれほど長く感じたのに,振り返ると記憶にも残らず,逆に短い時間となっています。(p43)
 「才能とは,同じことをするのに,他人よりも短い時間でやれる能力」と定義できます。(p83)
 「天才は多作する」という言葉があります。優れた発想を作品という形にする作業において,普通の人よりもはるかに短時間で行う能力があったのです。(p89)
 人類は相変わらず戦争を続けています。これはなぜなのでしょうか。経験と知識を積み重ねているのに,なぜ同じ失敗を繰り返すのでしょうか。それは人の寿命が短すぎるからです。(中略)私たちは知識に関しては数万年分の進歩の地点からスタートすることができるのです。ところが,心の成長は常にゼロからのスタートです。(中略)人類が完璧な人格を作るのには,八十年の寿命では足りなかったのです。(p122)
 囚人に本やテレビを見せるのは絶対に反対です。刑務所の中で,囚人にそんな娯楽を与える意味がわかりません。(p149)
 時間は日常生活にあるほとんどのものに交換が可能です。金,物,楽しみ,感動,評価,成果等々--。しかし,それらを再び時間に交換することはできません。(中略)たとえ百億円を積んでも,一時間の時間さえ買うことはできません。(p157)
 歌手の千昌夫さんはバブル崩壊で一生かかっても返せない三千億円の借金を背負いましたが,今も元気に生きています。一度お会いしたことがありますが,よく笑う明るい人で,暗さなどは微塵もありませんでした。(p172)
 もし映画館で感動的な映画を観たとしても,観客があなたひとりだった時と,満員の観客が全員涙を流して拍手をしている時では,同じ映画の感動でも何倍も後者の方が大きくなるでしょう。(中略)これはなぜでしょうか。私は,「時間」を共有することで,「楽しみ」が増加していくと考えています。これが「時間」の不思議なところで,同じ「時間」を,複数の人々が「楽しい」と感じると,その「時間」は濃くなるのです。(p178)
 現状に対する馴化が早い人ほど,エネルギッシュに行動する面があります。(中略)ただ,それがあまりに早すぎると,逆に永遠に幸せを得られないというのも人生の矛盾です。(p186)
 社会的に「成功者」と言われている人には共通点があります。それは「時間を無駄にしない」生き方をしているということです。これは別の言い方をすると,「やることの優先順位を間違えない」といことです。
 「今やるべきことを,今やる」 人生の成功の秘訣は,実はこんな簡単なことの繰り返しなのです。(p204)
 なぜ,仕事は与えられた時間いっぱいに膨らむのでしょう。これは私たちが時間を支配していなくて,時間に支配されているからなのです。(中略)そしてその時間は,実は第三者が設定したものなのです。(中略)私たちは誰かが決めた時間に合わせて生きているということなのです。(p205)

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