読書で人生が変わるなどということは,まずもってないものでしょう。読書が人を賢くすることも,たぶん,ないと思います。 読書は安価でお手軽な娯楽であり,時間消費の手段です。それでいいというより,娯楽でない読書は可能な限り避けたいものです。 娯楽としての読書があれば,老後もなんとかしのげるのではないでしょうか。というか,しのげると思いたいわけですが。
2012年9月26日水曜日
2012.09.23 石原壮一郎 『大人の超ネットマナー講座』
書名 大人の超ネットマナー講座
著者 石原壮一郎
発行所 ダイヤモンド社
発行年月日 2010.12.09
価格(税別) 1,100円
● ネットに発信する方法が多様化した。この本は,ツイッター,ブログ,mixi,メールを取りあげ,書くときのマナーやはまっている人への接し方を説いたもの。
ただし,正面切って能書きをたれるんじゃなくて,舞台袖からそっと顔をだし,笑いをかぶせたうえで,ここがツボですよと客席に差しだす。
要するに,知的な装いをまとっているわけで,それあればこそ,面白い読みものになっているんですね。
● そうだよなぁと肯かされることばかりだ。ここで説かれていることは,リアルの人間関係でももちろん通用する。著者は頭のいい苦労人なのでしょう。
● 123ページから132ページは,他とはトーンが異なる。自身のブログが炎上したことを例にあげて話しているからで,あ,この人でもそんな経験をしているのか,と思うことが,こちら側にとっては慰めになるっていうかね。
あるいは,他の部分の説得力を高めるっていうか。
● ぼくもこんな具合にブログをたれ流しているので,ブログについての著者の教えは拳々服膺しなきゃと思った。
たとえば,「世の中のほとんどのブログは,書いている本人以外にとっては,たいした存在感は持っていません」(p90)なんてのは,やっぱり言ってもらう必要がある。
ブログと無縁でいたときには自明の理だったものが,自分がブログを書きだすと見えなくなってしまうってことがあるから。
● 「ここ数年で社会人になった方たちには信じられないとは思いますが,20世紀のメールマナーでは「メールのタイトルを変えずに頭に「Re:」がついたまま出すのは失礼」というのが常識でした。せっかく「○○の件です」というわかりやすいタイトルがついているのに,わざわざ「ありがとうございます」といった曖昧なタイトルに変えてしまうのが「気が利いている配慮」とされていたのです」(p138)
そうだったのかぁ,初めて知ったよ。「20世紀のメールマナー」がまだ生きているのかと思っていた。救いなのは,ぼくは交友関係がないに等しいくらいに少ないので,そもそもメールのやりとりってあまりしていないのと,仕事でのメールではマナーもくそもあるかいというわけで,遠慮なく「Re:」でやっていたってこと。
しかし,こんなことも知らなかったんだなぁ,オレ。
● というわけで,蒙を啓いてもらったところもあって,読んでよかったと思える1冊でした。
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