著者 アンブローズ・ビアス
訳者 筒井康隆
発行所 講談社
発行年月日 2002.10.08
価格(税別) 2,000円
● 「悪魔の辞典」は有名だから,名前だけはずっと昔から知っていたけれども,やっと実際に読むことができた。
死ぬまでに一度は読んでおきたいと思っているのは「聖書」なんだけど,これは読まずに終わりそうな気配。
● ビアスについては,ウィキペディアを読んだだけで,あまりよく知らない。のだが,この「悪魔の辞典」はかなりの粘着質を思わせる。ビアスに限らず,欧米人はこの種のしつこさを持っている人が多いのかもしれないけど。
日本人がこれを書くのはちょっと想定できない。ぼくが知らないだけで,実際にはあるのかもしれないけどさ。
● 「聖書」の文言をはじめ,当時多くの人が知っていた言葉遊びや地口を前提にしているようだ。作者自身の新語創作もあるから,現代の日本人が読んでわかるように訳すのも容易じゃないに違いない。
● 当然,面白い言い回しが頻出するわけだけれども,さほどの新味はないようにも思われた。すでに言い古されているものが多いような印象。
というか,本書がそれらの嚆矢なのかもしれないけれども。ひとつだけあげておく。
女性の美と,男性の名誉には共通点がある。ものごとをよく考えない人に信用されるという点である。(p112)
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