著者 永江 朗
発行所 ポプラ社
発行年月日 2007.10.15
価格(税別) 1,500円
● 「狭くて楽しい家の中」が副題。衣食住の質,中身について考えようというもの。
何でもいいなら考える必要はない。喰えればいい,着られりゃいい,寝られりゃいい,というんだったら,その先はない。
● 著者は次のような人だ。
便利だけどダサいものを持つよりも,不便を我慢したほうがマシだ。(p23)
手入れしながら使う。これは包丁に限らず,道具と付き合う基本である。(p76)
我が家の場合(というよりも正確には妻は)メニューに合わせて食器もテーブルクロスも変える。(p83)
私はスリッポンの靴も嫌いだ。(中略)嫌いな理由はかかとが安定しないから。(p89)
筆記具としての機能と品質,そして造形物としての美しさは,値段に置き換えられない。こういう部分で妥協したくはない。(p259)● 35の読み切りのエッセイ。どこから読んでもOKだ。どれも面白いし,腑に落ちるから。
最初に双眼鏡で夜空の星を見る話が出てくる。空が星で埋まっているのがわかって世界観が変わる,と。
星を見るなら天体望遠鏡と短絡するのは,道理を知らない素人なんだね。7~8倍の双眼鏡がいいらしい。新星を発見しようってんなら別だけど。
双眼鏡が欲しくなった。ぼくは3倍率のオペラグラスしか持ってないので。そのオペラグラスで星空を眺めてみたんだけど,さすがにもの足りなかった。
● この種の話題では,松浦弥太郎さんを逸することはできない。最後に,その松浦さんとの対談(インタビューか)も掲載されている。
● ただ,同時に思う。喰えればいい,着られりゃいい,寝られりゃいい,というのも,それを徹底できれば相当大したものだ。徹底できれば。
で,そんな人はおそらくいないのだろうね。
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