著者 酒井雄哉
茂木健一郎
発行所 朝日新書
発行年月日 2010.02.28
価格(税別) 700円
● 意外だったのは,比叡山で千日回峰行を二度満行した酒井さんが,仏門を叩いたのは40歳に近かったということ。30代で失業者の経験も味わっていた。僧侶のサラブレッドではなかったのだ。
● 滋味あふれる教えのいくつかを,以下に転載。
ひとつ,なんかうまいこと見つけたとしたら,全部,うまくなるんじゃないの。いろいろなことがみんなつながって,うまくいくと思うな。(p41)
縁を生かすということは,実行することですよね。そのままにしていたら,すべては通り過ぎていってしまうんですよ。(p56)
失業しているから偉くない,行をしたから偉いっていうものじゃない。仏さんはもっともっと大きなところから見ているからね。頭を空っぽにして目の前のことをやるだけなんだな。(p112)
やっぱり無心っていうのは,一つのことに集中していったその先のところにあるんじゃないかと思うがな。歩くなら歩くことに集中していれば,必ず何か見つけることができるんじゃないかな。(p136)
ぼくらの世界では,あることをしたら,元に戻るにはかけた時間の三倍かかるといわれているんだよ。(p177)
茂木 ぜひおうかがいしたいと思っているのが,幸せとは何かということなんです。どうしたら人間は幸せになれるのでしょうか。 酒井 簡単ですよ。今いるところが一番の幸せだなと思っていればいいんだと思います。 茂木 どんなところでも? 酒井 ええ,どこでも。(p184)
茂木 酒井先生がやられてきた修行の場というものは,言葉だけでは意味がないわけですね。やらないと意味がない。 酒井 そう。言いわけなしなの。やるか,やらないか。やらないのだったら,何も言わないで知らん顔してなさいと。(p197)
三〇点しか取れないなら,三〇点でなんとかものになるようにやってやろうって,あきらめずに勉強を続けたとする。ただひたすらに三〇点の道をずっと歩いていく。 一〇年たったら,必ず,自分の道ができているよ。(p200)
0 件のコメント:
コメントを投稿