著者 岡田斗司夫
発行所 ダイヤモンド社
発行年月日 2000.04.21
価格(税別) 1,500円
● 世上の自己啓発本や宗教書,人生論を説いた本は役に立たない。素の自分を変えようとしたって変えられるものじゃない。そうではなくて,素の自分に合わせた方法論があるのだ。
宗教なんて単なる人生訓の体系化です。心理学は「精神構造の解明」が目的であって,「あなたの幸福」なんて知ったこっちゃありません。書店に多数並んでいる自己啓発本なんてのは,成功者が高みから語り倒す,オッサンの根性論そのものです。
女性向けに書かれている「素敵な恋愛が,あなたを綺麗にする」なんてのは,書いているほうも出版しているほうも,そんなこと信じちゃいません。ああいうのは「幸福のペンダントで奇跡が!」と同じ,坦あるコンプレックス産業です。(p2)
素のままの自分,本来の欲求を押さえつけるためには,大変なエネルギーが必要なのです。しかしそこまで時間とエネルギーを投資しても,無理矢理デッチあげた人格にはたいした幸福感もやってこないのです。そんな効率の悪い方法が長続きするはずがありません。大切なのは,素のままの自分を我慢することではなく,その自分に合わせて,なりたい自分像や,行動そのものをかえることです。● そこで人間を4つのタイプに分ける。王様,軍人,学者,職人。タイプごとの相性や,どう対処すればいいかが縷々説かれる。
言い換えれば,素のままの自分が喜ぶように行動することだけが,あなた自身を根底から幸せにする方法なのです。(p33)
で,これが面白い。ここまで面白くできるのは,相当人生に元手をかけているんだろうなと思わせる。
● ただ,では自分はどのタイプに属するのかというのが分明にならない。ぼくの場合だと,学者4割,王様3割,軍人3割のような感じ。
そんなものがハッキリしなくても,本書を楽しむのに支障はないんだけれどもね。
● あとひとつだけ転載。
この世は自分を幸せにするためにのみ,存在する。人類や歴史に意味はなく,あなた自身の幸福がこの世界を意味づける。
大丈夫,思い切ってここまで決めつけてしまいましょう。「自分以外の一人一人も,こう考える権利がある」という部分さえ忘れなければ,この解釈で突っ走ってもOKです。(p219)
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