著者 まど・みちお
発行所 新潮社
発行年月日 2003.11.16
価格(税別) 3,200円
● まど・みちおさんの絵と詩。絵は抽象画。
巻末に,谷川俊太郎,江國香織,河合隼雄,神沢利子,長新太,阪田寛夫の6人が解説を寄せているが,それを読んでもなお,抽象画ってのはピンと来ない。
● 頭をゆっくり通して鑑賞するものじゃないんだと思うんだけど,見た瞬間にピンと来ないからそれで終わりってものでもないんでしょ。
何度も見てれば,自分なりのイメージや解釈が飛び出してくるんだろうか。
● 著者自身の「わたしと絵画」と題するエッセイも巻末に収録されている。
ことばによって命名されたり,ねじ曲げられたり,端折られたり,曖昧にされたりする以前の世界が,そのまま純粋に視覚的な構築を得たものが抽象画であって,それは私には,この世で視覚が「名前」と「読み」と「意味」から自由になれる唯一の世界のように思える。 そして耳が最も耳らしくなれる時は,会話ではなくて音楽という抽象を聴く時であるように,目もほんとうに目らしくなれる時は,「読み」から解放されて絵という抽象を見る時ではあるまいか。(p134)
0 件のコメント:
コメントを投稿