著者 佐藤ねじ
発行所 日経BP社
発行年月日 2016.10.18
価格(税別) 1,400円
● ノート術というよりは発想術の本。ノート術に関しては,著者が言いたいことは次の一点に尽きていると思う。
選りすぐりのメモだけを特別なノート(1軍ノート)に書き写す(p22)
これは,嶋浩一郎さんに学んだことだという。古くは,外山滋比古さんも説いていた。
● 以下にいくつか転載。
打ち合わせがいいのは,それがライブだからだと思います。自分の発言から相手が何かを発想し,また相手の発言から自分も何かを考えるという繰り返しのなかで,意外な発見が生まれます。(p50)
紙のノートが持つ最大のメリットは,やはり「モノとしての存在感」だと思います。(中略)デジタルで作成したメモとうのは,あとから何度も読みかえそうとはなかなか思わないものです。(p82)
「○○はこういうもの」という思い込みが覆されると,人は驚き,感心します。そして,ほかの人にそれを伝えたくなるのです。(p85)
直感的な言い方をすると,1軍ノートに入れるかどうかは「自分がときめくかどうか」です。(p91)
自分が何をアウトプットしたいのか,そしてどうすれば何度も見返したくなるノートになるか,という2つのポイントから,1軍ノートの形式がおのずと決まってきます。重要なのは,必ず「同じフォーマット」の繰り返しにするということです。(p93)
アウトプットの回数を増やすことの重要性は,いくら強調してもしすぎることはないと思っています。なぜなら,人間は失敗から学ぶ生き物だからです。(p105)
「もっとアウトプットしよう。打席に立つ回数を増やそう」というアドバイスに素直に従える人というのは,意外と少ないかもしれません。能動的に動ける人,自分から行動を起こせる人というのは,そんなに多くないからです。(p130)
要素の組み合わせが意外だと驚きが生まれるのではなく,組み合わせの接着点にひねりがあることで,アイデアとしてぐんと面白さが増すのです。(p149)
アナログとデジタルとでどのように使い分けるのがよいのかは,人によって変わってきます。ポイントは,アウトプットのためにどんなプロセスがキモとなるのかでしょう。僕の場合,メモをそのまま使うことがなく,アイデアとして「転がす」ことで面白い企画に成長させていきます。そのプロセスは紙のノートでしかできないので,紙が中心となるような運用になります。(p174)
デジタルのメモだけでは,72dpiの荒い情報解像度でしか保存できません。きれいなフォントで,ある程度整理された情報にまとまってしまいます。でも,紙のノートにはたくさんの余分な情報が残ります。その余分な情報こそ,あとで見返すと最高に面白いのです。(p196)
0 件のコメント:
コメントを投稿