著者 和田秀樹
発行所 新講社
発行年月日 2010.05.06
価格(税別) 1,300円
● その人の幸不幸を決めるもの。それは学歴でもなければ,職業や収入の多寡でもない。いつにかかって人間関係による。
これで人は苦労する。したがって,人生論とはつまるところ人間関係論だといっても過言ではない。
● ぼくなんぞは,何はともあれ人と直接係わるのは避けたい方だ。そのかわり,3日間誰とも口をきかなくてもぜんぜん平気だ。こういうのを「人間失格」という。
そうした人間失格者でも,生きていれば人と係わらないわけにはいかない。
● どうやれば上手くいくか。多くの人が多くのことを述べているが,その中の代表的なものが,人をほめるということだろう。
本書もそのひとつ。
● 以下にいくつか転載。
「ほめブーム」をご存じですか。西日本の職場を中心に起こっている現象です。ほめることで社員て店員にいままで以上の「やる気」が起こり,結果として会社なりお店なりの業績が目に見えて向上していくのです。(p3)
大阪商人は,小さいころから人をほめることを徹底的にたたきこまれるので,ちょっとしたお世辞をいって人を喜ばせるのに抵抗感がありません。関西の人間がおもしろいというのは,話がおもしろいということだけでなく,人に調子のいいことをいうのがうまいし,慣れているという要素もあるのでしょう。(p4)
「ほめる」のが苦手な人の気持ちが何となくわかってきませんか? ひと言でいうと,堅苦しく考えているのです。あるいは狭い意味でしか考えていないのです。他人をほめるとは,その人を評価することだというコチコチの頭があります。(p24)
ありのままの自分をほめてもらったときほど人間は嬉しいのです。結果を出したときに大げさにほめてもらうより,いまの自分や,自分の行動の中に「ほめてもらいたいな」と思うことがたくさんあるからです。(p28)
わたしたちには,他人に認めてもらいたいとか,受け入れてもらいたいというごく自然な欲求があります。その自然な欲求が満たされない状態というのは 心にとってはつらいことなのです。結果を出さないかぎり認めてもらえない人間関係は,ホッとする時間がありません。(p29)
人をほめるには,その人をちゃんと見ていることが前提になります。自分は見てもらってたと思えば,仕事にも意欲が湧いてきます。(p38)
人をほめることを特別なご褒美と考える人は,それだけでほめるチャンスが少なくなります。(中略)年に一度の大賛辞よりも小さなほめ言葉を毎日,かけてもらったほうがわたしたちは嬉しいのです。(p53)
人をほめるのが苦手というのは,ただのケチかもしれません。(p56)
うまくいったかどうかではなく,一歩踏み出した人をほめてあげる気持ちがあれば,ほめる場面はどんどん増えます。変化をほめることも,その一つです。(p78)
一人の社員が「こうしてみたい」とか「やればおもしろそうだ」と考えるときは,仕事に対して意欲的になっています。(中略)結果はどうなるかわかりませんが,とにかく挑戦してみようという気持ちなのですから,リーダーや周囲の人間が「やってみなさい」と後押しするだけでいいのです。それになんといっても,試してみることは楽しいです。(p81)
迷わず「やってみよう!」でいいはずです。なぜならすべて,失敗してもどうってことないからです。「やっぱり壁は厚かったなぁ」でおしまいです。けれどもわずかな可能性はあります。(p84)
小さな思いつきでも,まずほめてもらうとそこからアイデアがふくらんでいきます。(p86)
従業員に活気があるかどうかで料理やサービスに対する満足度はまったく違ってきます。不思議なことに,「ここ,いいな」と思う店はすべて,味も雰囲気も満足できます。味はいいけど雰囲気が悪いとか,雰囲気はいいけど味が悪いという店はまずありません。(p88)
ここは大きな気持ちになって考えてください。祝福してくれる人,喜んでくれる人がいたら,どんなときでも「みなさんのおかげです」とはっきり口に出してみてください。決して白々しい気持ちにはなりません。そこからしか,チームの一体感は生まれてこないからです。(p93)
ほめることはもともと,「人を立てる」ことです。それでいいはずです。ほめてもらえばお世辞とわかっていても嬉しくなるのがわたしたちです。(中略)そして,嬉しくなればこんどはほめ返したくなります。(p105)
どんな職場でもチームワークのしっかりしているところには,かならずこの「ありがとう」の言葉があります。(中略)逆にいえば,こんなかんたんなほめ言葉すら口にできない職場は,チームワークの保ちようがないということなのです。(p108)
若々しい職場とうのは,社員の年齢が若いのではなく,どんな人でも自分の考えや意見を自由に発表できる雰囲気があります。キャリアの浅い社員が萎縮している職場はそういう意味では古めかしいのです。(p120)
上司にとって好感の持てる部下でなければいけません。嫌われたら欠点探しをされるだけです。(p132)
上司に媚びなくても上司から注目される記述を身につけましょう。ポイントは,アドバイスを求めることです。(p133)
会社の中には,能力もあり努力も怠らないのに,なぜか上司に認められないタイプというのがいるものです。その人たちに共通する真理として,「他人に頼るのは甘え」という考え方があります。そこを,少しだけ見直してもらえば,ずいぶん違ってくるはずです。(p134)
教えることを仕事としている人間でも「教えてください」といわれると嬉しいのです。自分が初めて,教える人間として認めてもらったような気がするからです。これは,実感の問題です。(p136)
自分より目上の人に「教えて」といわれるのも嬉しいものです。(中略)と同時に,その上司の態度を尊敬する気持ちになります。「立場にこだわらない人なんだな」と思うからです。(p137)
その人に自分から近寄って声をかけてあげるのは,とても大事なことになってきます。(p166)
どんなに厳しくても,何か起こったときには部下や相手を案じてくれるような人なら,わたちたちは信頼感を失うことはありません。(p170)
人をほめることは「みんなでよくなろう」という気持ちがあれば実行できます。「自分だけよくなろう」と思うと,なかなか実行できません。人をほめも自分の得にならないと考えるからです。(188)
ほめ言葉はかならず「こだま」になって返ってきます。(p189)
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