2018年5月4日金曜日

2018.05.04 軽部謙介 『官僚たちのアベノミクス』

書名 官僚たちのアベノミクス
著者 軽部謙介
発行所 岩波新書
発行年月日 2018.02.20
価格(税別) 860円

● アベノミクスは誰が発案し(安倍首相をその気にさせ),誰が政策に落とし込んだのか。そこを精緻に追いかけている。これは傑出したノンフィクションといっていいだろう。

● 以下にいくつか転載。
 国民の支持も高く,選挙に圧勝したばかりの安倍の意向は,よほどのことがない限り,政策として検討・立案されていった。(p140)
 国際交渉に携わる者としては当然だったが,英語の一語,一表現をめぐる戦いは,なかなかに厳しいものがある。わずかな表現の違いに,交渉者たちは国益をかける。(p200)
 「権力の監視」というメディアの役割を軽視する風潮が一部新聞人の間にまで生まれている。ジャーナリズムの劣化は民主主義の危機に直結する。(p249)
 「権力の監視」がメディアの仕事だというのは,メディアの思いあがりだという意見もあるけどね。メディアの仕事は事実を報道すること。評価は要らない。それは国民が行う。事実を評価できる国民は数からいえば少数派だろうけれども,だからといってメディアがやっていいわけじゃない。
 メディアを第4の権力にしちゃってるのは,国民が愚鈍だからだ。が,年寄りはしょうがないとして,若者には期待が持てる。

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