書名 自分のことだけ考える。
著者 堀江貴文
発行所 ポプラ新書
発行年月日 2018.03.27
価格(税別) 800円
● 小さい本なのに意外に時間を要してしまったのは,ライターさんの文章があまり良くないからだと勝手に決めつけている。
自分のことだけ考えるというのは,自分がコントロールできないことを考えても時間のムダだから。それ自体は昔から言われていることなんだよね。禅の世界でも莫妄想という言葉がある。
いや,それはもっと深い意味だよと言われるかもしれないけれども,つまるところは,考えてもしようがないことは考えるな,ってことでしょ。
● 以下に転載。
つまるところ,僕らは「自分のことだけ考えて」生きるしかないのだ。(中略)だってそうだろう。他人の心や行動を,コントロールできる人なんていない。(p4)
現代を生きていると,本当に「無駄なもの」が多い。無駄なものは,僕たちから時間や気力などの大事な資源を奪っていく。(p7)
「炎上しない者」なんて,この世に存在しないのと同じ。「炎上」どころか,「無風」の状態にさらされるほうが,よっぽど恐ろしいし,人として悲しいことだと思う。(p9)
金持ちを貧乏にしても,貧乏な人は金持ちにならない(マーガレット・サッチャー)(p31)
何かが流行しているときに,斜に構える人は結構多い。(中略)斜に構えた段階で,その人はもう「負け」。(p33)
ブラック企業に不満を抱いている場合,真正面から戦って職場を改善していくという建設的な姿勢は,無駄。「損切り」するのが正解だ。(p42)
炎上の効用として「コスパのよさ」が挙げられる。炎上すると,情報がとにかく拡散するのだ。(p67)
どんな分野でも秀でた結果を出したいと思ったら,突出したものを持っていなければならない。バランスのいい人間は「ほどほどのもの」はつくれるかもしれないが,「ほどほどのもの」が市場で生き残れるほどビジネスの世界は甘くない。突出したところがあれば欠落したところもあるだろう。バランスがいいとは言えないが,壁を突破するには必要なことだ。(p81)
僕を叩いてくる人間は心のネルギーを無駄遣いしているな,と感じる。人の発言の揚げ足取りをするのは,自分のやりたいことに熱中していない証拠だ。自分が熱中していたら,そんな暇などないはずだ。(p95)
未来を予測するという行為そのものが未来に影響を与えるのだから,予測などできるはずがないのだ。(中略)だから,僕は未来については考えず,流れに身を任す。(中略)その時々で自分ができることに集中するのだ。(p119)
無心になって没頭することは,人からも評価されやすいのでお得だ。(p121)
人間はルールに縛られると,作業がルーティン化してしまう。だが,ルーティン化した作業からはクリエイティブな結果は出せない。(p125)
自分の心のバリアを外せば,皆が心を開いてくれるわけではないが,仮に相手が心を開いてくれなくても別に損をするわけではないからガッカリしてはいけない。(p128)
コミュニケーションのスキルは実は存在しない。必要なのは,「熱意と関心」である。(p150)
どうしたら,失敗に対する耐性を強くすることができるだろうか? 一番の対処法は「忘れる」ことだ。(p164)
人は,社会性の中でした生きられないように設計されている。つまり「人に頼ることなし」では生きられないのだ。(p179)
書名 脳を使った休息術
著者 茂木健一郎
発行所 総合法令出版
発行年月日 2017.12.01
価格(税別) 1,300円
● 脳を休ませることは創造につながるというんだけどね。どうすれば脳が休まるのかといえば,同じことをダラダラと続けない,1人の時間を大切にする,散歩やジョギングをしてみる,・・・・・・。ふぅぅ・・・・・・
● 以下に転載。
どんなに強くどんなに速い馬でも,頑張りというのは一生のうちにごくわずかしか使うことができないんです。(p27)
ストレスのまったくない環境では,意欲の低下が生じてしまう(p62)
たとえば,「努力するのが苦手」という人は意外に句読点のつくり方がわからないので,「努力がずっと続く」というイメージを持っていることが多いのです。(p72)
私が大学院生のときに,ある有名な研究室で「1年で364日実験して,1日で考えろ」というモットーがありました。今考えると非常に理にかなっていると感じます。悩んでいる時間と行動している時間とでは,ほとんどの人は,おそらく悩んでいる時間のほうが長いはずです。(p83)
天才と秀才を比べると,天才のほうがはるかに努力していることが多いからです。ただ天才は,それを表に見せていないだけなのです。(p93)
ここでご紹介したお二方(隈研吾,所ジョージ)には,ある共通点があります。それは,「手ぶら感がすごい」ということです。(p103)
脳を休めるというのは,どちらかといえば,脳を普段と違う使い方をすることによって「脳をマッサージする」ということに近いのです。(p127)
より効果的に脳を休めるためには,一体どんな工夫が必要になってくるのでしょうか。ここでも実践的な提案をするのであれば,「現場を離れる」ということです。これがとても大事になってきます。(p141)
私自身も,都内の移動くらいであれば,なるべく公共の交通機関を使わずに歩くように心がけています。ここで重要なのは,「ストレスをリセットするんだ」という認識のもとで,歩き出したらボーッと何も考えない時間を確保するということです。(p146)
脳を休ませるには,「一人でやる」という基本姿勢が大事になってくるのです。(p164)
私はよく,「これから10分間仕事をするとしたら,自分の尊敬する人だったらこの10分間でどれだけの仕事ができるのだろうか」ということを考えて仕事に取り組むようにしています。(p175)
自分自身の考え方をしっかり整理できている人というのは,何が重要なものであるかということが,しっかり理解できている人といえます。逆に,自分自身の考え方を整理できていない人というのは,どうしても小さいことに捉われてしまったり,ついつい他人に流されてしまいます。(p180)
書名 60歳からをどう生きるか
著者 弘兼憲史
発行所 新講社
発行年月日 2013.08.26
価格(税別) 1,300円
● 「過去に呼んだ本を読み返す,前に見た映画を見直す」という勧めがある。それができる人は勝ち組かもしれない。若いときから読書と映画に親しんできたわけだから。それが可能な人が,さて全国の60歳に何割いるか。
● 「何気ないことを20代,30代,40代,50代というふうに思いだし,記録しておきましょう。きっとこれからの人生を勇気づけてくれるよ」ともある。60になってから思いだす作業をするところに妙味があるのだろうが,まだ若い人がそうした記録を残そうとすれば,Twitterを使うのが最も簡便だと思う。
● 以下に転載。
わたしは「黄昏流星群」がこれほど長く続くとは思っていませんでした。描くネタは尽きません。団塊の世代には多様な姿,スタイルがあり,活力に満ちているからです。(p29)
お金がかからないことのほうが,ぜいたくするより落ち着きます。(中略)わたしたちの世代はやはり「ぜいたく」を否定したい意識が心の底にあります。(p41)
若さに秘訣があるとすれば,それは「やりたいことがあるかどうか」です。(p49)
わたしの経験で申し訳ありませんが,完璧な準備などできたことはありません。(中略)見切り発車ではありませんが,まず始めてみることだと思います。(p51)
誰かに好かれたいというのは,とてもエネルギーを使います。エネルギーがない人間は,やはり異性からモテません。(p67)
よく年寄りが怒鳴っていたのは,わからない,あるいは面倒くさいからだったんだということが,自分がこの年齢になってみてよくわかりました。(p72)
アクティブというと,バイクに乗ったり,スキーや登山をしたりと,体を動かすというイメージですが,わたしは,頭を使う会に参加することも,アクティブに加えてもいいと思います。(p107)
高齢者になったら「ありがとう」を口癖にしましょう。静かに穏やかに日に何度もこの言葉が口から出れば,きっとすばらしい後半生が待っていると思います。(p121)
生活習慣で重要になるのが,運動です。「運動が嫌いだから薬を飲んでいる」という高齢者がいます。その話を聞いて,すでに軽度な寝たきりと同じではないかと思いました。(中略)「血糖値が高いから薬で抑える」「血圧を下げる薬を常用している」という前に,運動と食事で改善してみましょう。薬に頼るのは80歳からだとわたしは自分に言い聞かせています。(p126)
わたしは必ず下調べを十分にします。調べすぎると現地を訪れたときに新鮮な発見や驚きがないと思われるかもしれませんが,下調べをすることで,興味のアンテナが間違いなく大きく広がるはずです。(p132)
(「タイタニック」に)こんなワンシーンがあります。主人公役のディカプリオが,船底の客室からセレブたちが乗る特等席にタキシード姿で現れます。あの労働者の移民が,たちまちセレブな人種に見えるから不思議です。それこそが着るものの力。(p158)
書名 ミセス・シンデレラ
著者 梅津有希子
発行所 幻冬舎
発行年月日 2014.08.25
価格(税別) 1,200円
● 副題は「夢を叶える発信力の磨き方」。具体的な方法論が説かれているのだが,それを全部やったからといって,読んでもらえるブログやSNSになるとも思えない。
要は,面白くて誰かの役に立つことを,継続して発信する以外にないんでしょ。妙な夢を持たないこと。
● 途中から斜め読みになってしまったが,以下にいくつか転載。
世に出るチャンスはある日突然やってきます。確実にものにするためにも,連絡先は忘れずに明記しておくのが鉄則です。(p141)
ブログやSNSで書籍化のオファーが来るコンテンツを発信している人は,ほとんどといっていいほど写真が上手です。(中略)室内で撮影する場合,簡単にきれいに撮れるのが,「自然光で撮る」。これだけです。(p194)
「もう二度とお願いしたくない」という人も残念ながらいます。具体的にいうと,スケジュールを守ってくれない人と,なかなか連絡がつかない人です。(p234)
どんなジャンルの職業でも「繰り返しオファーが来る人」には共通点があります。仕事ができることは大前提として,対応が早いことと,腰が低いこと。(p235)
わたしが考えるプロとアマの違いとは,続けるのがプロ,続けなくてもいいのがアマということです。何事も,細く長く続けることが大事だと思います。(p239)
書名 知的生活の設計
著者 堀 正岳
発行所 KADOKAWA
発行年月日 2018.11.24
価格(税別) 1,500円
● ボリュームに負けた。途中から本文を読むことは諦めて,見出しだけを見ていった。
● 以下にいくつか転載。
知的生活とは,(中略)私たちの情報との向き合い方です。それは本を読むことでも,映画を観ることでも,趣味を追求することでもかまいません。そこに新しい情報の積み上げがあるならば,それは「知的生活」なのです。(p3)
「気になって仕方がない言葉やフレーズ」「違和感を覚えさせるなにかとの出会い」を記録し,積み上げることで,やがてそうした情報との一期一会はネットワークのようにつながりはじめます。(p16)
そうした鍵を集めはじめるために今日から実践できる習慣として「二度出会ったらメモをする。三度出会ったものは記録しはじめる」をおすすめします。(p17)
情報量そのものよりも,むしろ,適切な場面で適切な情報を引き出すこおtができる「情報の編集能力」にこそ価値がある(p19)
私たちの知的生活においても,触れる情報を私たちの個性によって編集して,他人と違うものを追うほうが,より活用しやすく,大きなメリットがあるといえます。そして知的生活の積み上げを行うことは,そうした個性につながる近道でもあります。(p20)
ウェブにおけるコンテンツの多くは無料で,読者を得る機会という意味では公平性があります。だからこそギブ&テイクを考えすぎて出し惜しみをしていては,他の出し惜しみをしない人に機会を奪われてしまいます。(p23)
情報は誰かに発見されることによって価値が生まれる(中略)サーバー上に寂しく存在するデータのままではそれは存在しないも同然で,誰かがそれを発見し,他の誰かにシェアすることによって情報の価値は後付けで決まってゆく(p23)
大切なのは「量が質に転化する」決定的な境目があるということです。(p32)
未来にどこまで到達したいかを意識して今日の活動量を決めることが「知的生活を設計する」ということなのです。(p34)
新しいインスピレーションに出会うためにも,様々な情報の検討を繰り返し,可能な組み合わせを追求し尽くさなければいけません。それには天才的なひらめきを待つよりも,情報のインプットとアウトプットを継続したほうが結果的に近道になります。(p36)
数多くの著名なバイオリニストを育て上げた名教師レオポルト・アウアーは,最後の弟子の一人だったナタン・ミルシテインに「どれだけ練習をすればいいのか」と問われ,次のように答えたといわれています。「指先で練習しているだけなら,いくら時間があっても足りない。しかし頭脳を働かせるならば,2~3時間あれば十分だ」と。(p58)
なかには「ブログは死んだ」と宣言する人もいるほどです。(中略)ですが,だからといって発信ツールとしてのブログの有用性が失われたわけではありません。むしろ知的生活の発信には,ブログ以外に選択肢はないといっていいほどなのです。(中略)ブログがもっている最大のメリットは日々の発信というフロー情報が,記事がゆっくりと蓄積してゆくことによって自然にストック情報に変わってゆくところです。(中略)活字を読むことが人間の情報取得の手段である限りブログは存続し続けると予想できます。(p154)
書名 仕事人生のリセットボタン 転機のレッスン
著者 為末 大
中原 淳
発行所 ちくま新書
発行年月日 2017.07.10
価格(税別) 820円
● 為末さんの頭の良さに驚く。いや,良さといっては正確ではない。頭の清廉さ,と言い直そうか。
脳ミソにも脂肪は全く付いていない。だから,小気味よく動く。
● 以下に転載。
リソースがこれくらいだとわかれば,それを最適化させるための議論が生まれます。それなのに,戦略に整合性がなくなったとき,リソースのほうを根性で変化させてしまおうとする。たとえば,「一日二六時間にしろ」って話にいきがちです。そうすると戦略を建てる時に全く緻密でなくなってしまう。(中略)僕らの世界では,最強の言葉は「気持ちの問題だ」というものです。(p44)
僕は,以前は自分のことを天才だと思い込んでいたのですが,本当の天才に出会った時に「あ,僕は天才じゃないんだ」というのをはじめて理解して,そして導いた答えが「天才と真っ向勝負しない」「天才が天才であることがうまく活かされないステージを選ぶ」ということでした。(p86)
世の中には誰もが速くなる「魔法の練習」があるんじゃないかと思ってた。僕は,「魔法の杖」を夢見ていた。でも,実際にはそんなものはないんだとわかった。そうか,魔法の杖は,外にはない。内にしかないんだな,だから,外に求めちゃいけないんだなと。その時,強烈に学習しましたね。(p101)
本当に緊張感がゼロになってしまうということは,もうあがっているひとです。「緊張するのは現役のサイン」です。(p110)
あとから振り返るとあの一瞬が人生を分けたなと思いますね。その一瞬のタイミングに,すぐに飛び込めるかどうかというのは,とても大事なことだと今にして思います。(p116)
アスリートの苦しみの多くが,実は“なりふり構わない自分に戻れない”ということから生まれると思うのです。(p128)
スポーツは,実力が一旦堕ちると,人気もつるべ落としです。そして,それがわかりやすい。(p144)
宗教心の比較的強いアメリカ人は,協議の最後の最後には神に祈る選手が多い。しかし,日本では祈る対象がない人が結構いる。選手が「コーチ,私は大丈夫でしょうか」と聞くと,コーチは「大丈夫だ。俺を信じて行ってこい」と言う。そこでつっと「憑き物」が落ちて,戦いに向かっていける。日本では,そういうパターンが多いですね。(p167)
僕にも「勝者バイアス」がかかっているんでしょうね。僕はうまくいったという前提で説明しているけど,本当はただ運が良かっただけなのかもしれない。(p204)
日本人は引き際が悪い。次に,引くからには,全部いっぺんに引いてしまうことがよしとされる傾向がある気がします。(p218)
人間の能力は,伸びている事業のなかで,圧倒的に伸びるからです。伸びている事業には,挑戦があり,新しいポストが生まれます。そうしたところに身をおいていくことのほうが重要ですね。(中原 p222)
世の中では,ゲームやルールが作り替えられるスピードがどんどんと早くなっているんです。(中原 p228)
スポーツ選手にはノルマが決まった営業マンが一番親和性が高いと思います。営業の場合,たくさんやることで成果が出るわけですが,彼らは仕事をやりつつ,そのゲームを支配している法則について考えることが苦手。(p230)
僕は個人競技でコーチがいなかったので,自由と裁量を与えることが最も良い環境を提供することだと信じていたのですが,それをいきなり提供しても,どうしていいかわからなくて苦しんでしまっている人や,そもそも自由が好ましくない人もいることを知りました。(p237)
マネジメントはマネジメントするなかでしか学べない。(p238)
メディアで拡散すれば他人の頭の中に理念が伝達できるという発想自体がおこがましいんです。具体的な事例でディスカッションを重ねていくしかないんだなと。(中略)焦点がしぼられた指導しか,効かないんだなとまなびました。(中略)僕はいまワンメッセージだけ伝えるようにしています。昔は,いろいろな情報を投げれば輪郭がうかびあがって同じものを共有できるかなと思っていました。いま九割は伝わらなくても,一割伝えることが大事だと考えています。(p240)
年をとっても素敵な人って,他の人を手助けしながら生きている人ですよね。そして,それは,年をとってからいきなりやるんじゃなくて,かなり前からなだれていることの方が多い。(p246)