著者 坪田信貴
発行所 幻冬舎
発行年月日 2018.10.10
価格(税別) 1,500円
● 才能の正体は何? となると,それは本書でも明らかにはなっていないと思った。
が,才能の正体は何? なんて考えないで,努力を継続できることが才能であり,努力を継続するためには,陽気というか明るい気分が必要。というのが本書の要諦だと解してよろしいか。
● 以下に多すぎるかもしれない転載。
どうやら人とうのは,“才能の有無”を,安易に断定したがるようです。(p4)
自分に合っていない,ふさわしくない場所でいくら頑張っても,物事は身につきません。(p27)
人間というのは「これなら自分にできそう」で,しかも「これはきっと人生の役に立つに違いない」と思えたら,行動に移すものなのです。(p44)
僕は,遺伝が人の“成功”を左右することはない,と言えます。(p59)
東大に入った人が,全員成功していますか? 全員憧れの生活をしていますか? そんなことないですよね。主教科のお勉強ができるだけで成功者になれるほど,社会はカンタンではないのです。(p62)
こうした「○歳からの□□教育」みたいなものが“才能を殺している”と,僕は思うのです。こうした誤った教育観を信じてしまうせいで,「○歳だとおもう遅い」という考えになってしまうのです。(p69)
これは面白いくらいに,すべての世代の人が,同じように思うことなのです。とにかく人は,ひたすら後悔しながら生きているものなのです。これはもはや「“いつでももう遅い”後悔教育観」と言っても過言ではないでしょう。(p70)
子どもでも,70代の人でも,始めようと思えばいつだって始められます。「すごくやりたい」とおもえることがあるのなら,まずはやってみたらいい。やってみて興味がなかったら,やめればいい。やらない理由を探している時間はもったいない。(p72)
そもそも「仕事を選ぶ」のではなく,「仕事を創る」ことが,これからの“人生百年時代”“AIやロボットの時代”に求められることです。もし,あなたが自分の能力の“尖り”を見つけつつあるのであれば,わざわざ抑え込んで,それを丸くすることに意味なんてありません。どんどん尖らせることです。(p76)
アインシュタインは言っています。「誰もが天才だ。しかし,魚の能力を木登りで測ったら,魚は一生,自分はダメだと信じて生きることになるだろう」。(p79)
「人のせい=他責」にしたとき,つまり「自分のせいじゃない」と言ってしまった瞬間に,才能の芽はたちまち枯れ果ててしまいます。(中略)才能は,本質的に自分の中にあるものです。(p81)
私が言いたいのは,「生まれつきの能力は,誰もが持っている」ということです。(p95)
僕がいつも言うのは,「頭のいい人を完コピしろ」ということです。(中略)完コピにあたって,大切なポイントがあります。完コピをするときは,その人の「考え方」だとか,言っていること」ではなく,「行動」を完コピすること,です。人間が唯一,他人を完コピできるのが「行動」です。(p98)
完コピを徹底的にやると,必然的にオリジナリティが出てきます。僕に言わせれば,それが「個性」です。(p101)
ちゃんと学校へ行って,授業を聞いて,ノートを取って,宿題もやって,大学まで行く人が,もちろんいるでしょう。(中略)でも,何の疑問も持たずにそうしてきた人たちが大人になっている姿をよく見てください。「才能」と言えるほどには尖りがない。(p121)
親や教師,上司などが「こうしたらうまくいく」と言っていることを聞いても,うまくいくわけありません。なぜか? それは「その人固有の成功体験」だからです。(p127)
「一般道場生」と「後継者」は学ぶ体型が違うのだそうです。(中略)一般道場生は,ひたすら「技の練習」をします。しかし後継者候補には,早々に「術を教える」のだそうです。(中略)柔道における「術」は,“相手が崩れた瞬間に技をかける”という「崩し」にあります。後継者候補の人たちは,達人たちからこれを教え込まれるわけです。(p129)
壁にぶつかってしまうと,伸びが鈍化します。そういうときに必ず抱くのは「もうこれ以上は無理なんじゃないか」という気持ち。しかし,その壁を突き抜けないと,あなたの“尖り”にならず,才能として結実しません。(中略)もし,才能の「壁」にぶつかったらどうするか? もう“本当の基礎の基礎”からやり直すことです。これしかありません。(p140)
大学受験までの学問というのは,しょせん答えがある“例題集”にすぎません。(中略)だから,本質的なことを言うと,大学受験に才能なんか関係ないのです。才能が必要になってくるのは,大学入学から先を生きていくとき。(p152)
社会的に有名な成功者だって,みんな“成功する前”があったはずです。もし,君が言うように『成功体験がある→自信が持てる→頑張れる』ってことなら,“成功体験以前”にはどうやって頑張ったらいいのかな? (中略)結果をまだ出していない,これから出すんだ,というときに,信じないといけないのは自分です。(p157)
人は,議論の対象に具体性がないときほど,批判的な意見を言いがちなのです。一方で,具体的なイメージを最初に提示すると,そこをゴールとして,そこまでの道筋を見つけ出そうと考え始めます。(中略)スタッフに与えるビジョンとしては,その意味の通り「目に見えている」ということが重要です。(p184)
単なる「目的」を超えた「大義」を持つことで,人は動き方が変わります。その「大義」をその人の中に植えつけるためには,この「感情の幅」「感情が動くこと」がすごく重要なんです。(p186)
人の脳は,接触回数を増やしさえすれば,記憶に定着しやすくなり,仲間だと思いやすくなるのです。(p193)
先にタイトルを言っておくと,聞き手はクライマックスがどのあたりかの予測がつくので,「ここはまだ導入だな」とか「これは布石かな?」といった具合に,推測しながら話を聞ける。タイトルというのは,すごく重要なのです。(p204)
世の中で最も“フィードバックしてくるもの”って,何だかわかりますか? それは,鏡です。(中略)どうして人は鏡を見るのでしょうか? よりきれいになるため,よりカッコよくなるためでしょう。(中略)これが何を意味しているか。人間は,フィードバックを受けると,より良くなろうとする生き物だ,ということです。(p216)
プラスの意図もなく,マイナスの意図もなく,ただ事実のみを言うのです。(中略)フィードバックにあたって,自分の価値観を挟まないことです。自分の価値観を入れずにフィードバックを続けると,部下がもともと持っている「自分が正しいと信じている価値観」の通りの姿になっていきます。部下自身が抱いている理想の姿です。(p219)
自分で自分を動かすためには,何でも自分で自分の実況中継をしてください。(中略)不思議に思うかもしれませんが,自分の実況中継ができるようになると,人はポジティブな方向へ思考が変わるようになります。(p230)
実は私たちの脳は,自分が言っていることの「主語」について,あまり認識していないのです。(中略)そんなわけですから,人に対しては基本的にポジティブな言葉だけを口にした方がいい。そうすると自分も相手もストレスを感じなくなる。他人を傷つけないようにすると,自分のことも傷つけなくなるものです。(p234)
教育・指導・改善を受けると,教育・指導・改善をしてきた相手に対して「悪感情」が芽生えるのです。(中略)だから部下が「あの上司,ムカつく」という感情を抱くのは,社会的に見たらデフォルトです。(p236)
コミュニケーションというのは,「“自分が何を言ったか”ではなく,“相手にどう伝わったか”がすべて」です。(p245)
これからの日本は,人口が減っていく時代です。たくさんの人をふるいにかけて,優秀な人材だけを残そうという考え方は時代遅れです。(p250)
日本には引き分けの文化がない。実はイタリアなどは,「もう失点しないと決めたら,鍵をかける」と言われるぐらい,「点を取らず,同時に,絶対失点しない」という組織力を発揮します。(中略)美学にとらわれるあまりに予選で敗退するなんて,勝負の仕方を間違っています。(中略)今振り返ってみて,今回のさっかー日本代表が選択すべきは,「無責任な外野の,結果論での批判」を全員が無視することだったのではないかと思うのです。(p257)
そのようなおばあさんに出会う「運」を,どうやったら,引き寄せられるのでしょうか。そして,そういうおばあさんに出会ったときに気に入られるには,どうしたら良いのでしょうか。それは,「出会ったすべての人に優しくすること」です。(p284)
これは僕の個人的な意見ですが,一流の人ほど,どんなときでも「できる」と言います。著名な人でも,成功しているように見える人でも,「ダメだ」「無理だ」と言いがちな人は,二流,三流の人だと思います。(中略)超一流の人の言葉には,シンプルに能力を加速させる「何か」があります。実際に触れてみれば,わかります。(p293)
本当の天才というのは,一般には理解されないものです。市井の大勢の人が,あの人は天才だ! とわかるような天才は,本当の天才ではないのでしょう。そういった意味で言うと,僕は,ピカソは天才ではないと思います。(p295)
「失敗」を「失敗」と思わない能力・・・・・・。(中略)どんなときも,どんなものからでも「成功の種」を見つけることのできる人を,「才能のある人」と言っていいのかなと思います。(p301)
つい人は,自分の「今」と「周囲」に視線が集まりがちです。しかし,人生には“その先”があり,世界はあなたが知っているよりずっと広い。成功を信じた人のところに,成功はやってきます。(p301)
ルールが明確にあるものは,それに即していないと,成功するのが難しいのです。しかし,ビジネスや学問には,基本的にルールはありません。何をどうしたっていいのです。(中略)これには没頭できる,これなら絶対に他人に負けない,というものを大事にしてください。そういうことに取り組む能力を磨いて磨いて磨き抜いて,才能として発揮させてください。(p305)
「才能」は気分が9割。少し乱暴な言い方かもしれませんが,僕はときどきこう言います。(中略)「才能はある」と信じること。「才能はすばらしいものだ」と信じること。そうすれば,世界の見え方が変わってきます。(中略)人生も気分が9割。あなたの未来を明るくするのも,暗くするのも,あなたの気分次第なんだと思うのです。(p306)
「才能」「天才」「地アタマ」「運」,僕はこれを「4大思考停止ワード」と呼んでいます。というのも,多くの人はこれらを結構たやすく使うんですよね。(中略)僕はいつも思うんです。「その4つが本当にわかるのは神様だけでは?」と。(p309)


