2023年4月1日土曜日

2023.04.01 帯津良一 『不養生訓 ときめきのススメ』

書名 不養生訓 ときめきのススメ
著者 帯津良一
発行所 山と溪谷社
発行年月日 2017.10.30
価格(税別) 1,200円

● 健康診断の結果に一喜一憂するな。人間は一人ひとり違うのだから,平均値に意味はない。好きなものを食べてよし。楽しいことをしてればそれが一番。
 といった,こちらに都合のいいことを言ってくれるので,著者が書いたものはいくつも読んでいる。何もしなくていいような気がして楽なのでね。

● 退職する年の人間ドッグで糖尿病と肝硬変の疑いを指摘されたが,病院に行き始めたところでコロナになった。感染予防には三密を避けるよりも何よりも病院に行かないことだと思って,それを機に病院通いを止めた。
 まぁ,やめる時点で肝硬変の疑いは晴れていたのだけど,糖尿の方は後回しにされて,薬も何も処方されていなかったのはたぶん幸いだった。
 ほかに血圧もかなり高い。脂肪肝やら尿酸値やら,色々と悪い。が,退職後はもちろん健康診断など受けたことはない。糖尿病も何もしないで放ってある。

● まぁ,酒は飲まなくなった。努力して飲まなくしたのではなくて,自然に飲みたくなくなった。旅行に出た折りは旅先のホテルなどで飲んでいるが,酒量は退職前の1割以下になっているだろう。
 他には,特に節制はしていない。食べたいだけ食べている感じ。起床が遅いので1日2食。

●  本書にあることは,だいたい,すでに著者の別の著書で読んでいる。のだけれども,以下に転載。
 身体を労って病を未然に防ぎ天寿を全うするといった身体を対象とした養生は真の養生ではなく,日々生命のエネルギーを高め続けて,死ぬ日を最高に,その勢いを駆って死後の世界に突入するといった攻めの養生こそ真の養生なのである。(p2)
 まず自分の好きなことを楽しもう。酒も良し,美食も良し,女も良し,不養生も歓喜を伴えば,最大の養生となるのだ。(p3)
 貝原益軒の『養生訓』では,“飲食” について,それなりに十分な枚数を費やしているが,その要諦はたった一行。「好きなものを少しだけ食べる!」。その理由として,好きなものは命が要求しているのだから,“薬にあたるべし” といい,だからといってたくさん食べたのでは胃の “気” を損なうという。(p14)
 私は肉食反対論者ではない。肉食好みで長命な人をたくさん見てきているからである。(p18)
 私自身はタバコは一切吸わない。学生時代に,知人からライターをいただいたので,バーのママさんから一本もらって吸ってみたが,なんの魅力もないのでやめてしまった。それ以降,まったく縁がない。(p27)
 60歳を超えたら,世阿弥のいう「能に,体・用の事を知るべし。体は花,用は匂いのごとしで,きちんとした服装をして,できればそれなりの風情を醸し出していたいものである。(p39)
 その大好きな女性たちのなかに人妻がいてもいいではないか。要は付き合い方なのだ。作家の半村良さんも言っているではないか。男は謎めいていたほうがよいと。(p45)
 最前線の目的は言うまでもなく,戦いに勝利を収めることである。そのためには優れた戦術をたくさん持てばよいというものではない。最前線という “場” を制した者にのみ勝利は訪れる。場を制するものは(中略)複数の戦術を統合した戦略である。(p48)
 エビデンス・ベイスト・メディスンをいうことが高らかに語られ,エビデンス! エビデンス!と実に喧しい時期があった。エビデンスすなわち科学的根拠というものは(中略),あるとすれば医学についてであるのに,医療現場で声高に叫ばれるので,なんとなく馬鹿の一つ覚えのように思えてならなかった。(p54)
 ラクナ梗塞が認められなかったのは,(中略)ナットウキナーゼを成分とするサプリメントを数年来服用していたためであり,前立腺が小さいのは,50年来,春夏秋冬,晩酌の友としてきた湯豆腐のイソフラボンに起因することは明らかである。(p59)
 これも以前に読んだ著書で触れられていた。が,本書を読んだのを機に,ぼくもナットウキナーゼのサプリを飲み始めた。父親も何度か脳溢血で入院しているので,注意しておくにこしたことはない。
 サプリはヤフオクで買うのが吉。ドラッグストアで買うよりずっと安く買える。メーカーも販売店も相当美味しいマージンが取れる製品のはずだから,言い値で買うのはバカバカしい。
 メタボリックシンドロームは,大いに働き,大いに道を楽しんでいれば,ごく当然の帰結であって,殊更これをあげつらうのは余計なお世話というものだ。(p59)
 少しぐらい年齢より若く見えても,所詮は徒花(中略)人生の本当の味わいは後半にある。いたずらに若さを誇るよりは “老化” という偉大な流れに従って,年齢に応じた味わいを噛みしめていくことのほうがずっと大事なのではなかろうか。(p73)
 手術上手といわれる人は,(中略)多少手振りが派手なのと,メス捌きや糸結びが幾分速いというだけなのではないだろうか。外科医になりたての頃は器用な人とそうでない人の間で,技量の差が目につかなくはないが,誠実に仕事をしたとして,10年たてば10年の外科医,20年たてば20年に外科医と大体同じレベルになってくるものだ。(p74)
 世の中には,薬をできるだけ使用せずに生活環境を整えることによって慢性疾患をコントロールすることを是とする人が少なくはないが,これはまったくの誤解である。(p76)
 喫煙は内臓脂肪の蓄積を促進するといわれている。(p105)
 脳はその70%が脂肪からできている。(中略)脂肪の中には当然コレステロールが多く含まれているので,コレステロールの低下は,さまざまな脳機能の低下を引き起こす。(中略)次に大事なのは,多くのホルモンの原料がコレステロールだということである。(p108)
 色っぽい人を眺めているだけでも心が豊かになるものだ。(p159)
 ある臓器のある病期の余命を統計学的に示した数字はあるとしても,その後のライフスタイルやら物の考え方は皆違うのだから,余命告知なんて土台無理な話で,先のことなどわかるわけがないのだ。(p169)
 あくまでも一瞥であって,分析的に見てはいけないのだ。一瞥だからこそ閃くのである。(p175)
 色気の始まりは生命のあふれ出ること。いつも躍動する心を抱いて事に臨むことだ。(p183)

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