書名 落合陽一34歳,「老い」と向き合う
著者 落合陽一
発行所 中央法規
発行年月日 2021.12.14
価格(税別) 1,400円
● 副題は「超高齢社会における新しい経済成長」。少子高齢化を踏み越えていく策はあるという確信,デジタルテクノロジーへの信頼が基盤にある。
ぼくも世の中を変えるものは政治や外交や教育ではなく,テクノロジーだと思っている。テクノロジーを生むのは少数の天才であるから,天才が夜の中を変えるのだと考えている。
● 以下に転載。
やっていることや周囲に切実な関心がないと,時間が無駄に過ぎていってしまいますよね。(養老孟司 p54)
僕はジムでトレーニングしてダイエットするのが好きじゃないんです。(中略)身体運動は,自分のなすべき行為の中で行われるべきだと思っていまして。たとえば,日常の中でものを探し回ったり,電車ではなく自転車で移動したりすれば,それが運動になる。こうした手触り感覚を日常のコンビニエントな中でも探していくことで,世界から切り離されずにいられるのではないでしょうか。(p53)
生死の問題,人生の問題には一般解がないことを,みんなが理解すべきです。具体的なその人,その都度,その場所の問題です。(養老 p74)
老いや死がきちんと機能しないと,次の世代にバトンが渡されず,社会が硬直化しやすくなるとも思うのです。(p82)
世界全体の中央年齢が30.9歳であるのに比べて,日本の中央年齢は48.7歳。つまり,「若者」の定義が,世界全体と20歳近くずれているのです。(中略)見方を変えれば,日本は40代前半でもまだまだ「若者」ととらえられる,珍しい国だともいえます。(p109)
一般的に,介護職は高齢者と家族のような関係を築くことが望ましいといわれがちです。この要請こそが介護職の過重労働につながっているのではないでしょうか。(p134)
人口減少はあくまで問題の要素の一つであり,わたしたちが「何を目指すのか」さえはっきりしていれば,対処は可能なはずです。イノベーションの多くは「負」を解消するために生み出されてきました。少子高齢化を乗り越える解決策は,必ず存在するはずです。(p166)
中国が我々と同じような超高齢社会に突入するのは2035年以降だろうといわれています。超高齢社会であるいまの日本が,経済成長のできるビジネススキームやロボティクス,AI技術を先んじて開発しておく。すると,数十年後に大きなビジネスチャンスがやってくる。(p168)
「法規制のせいで,できなかった」と泣き寝入りするクリエイターやエンジニア,そして研究者をこれ以上生み出せるほど,僕たちに残された時間は多くありません。(p173)
良質な土壌があれば良質な森ができるように,土壌となるエコシステムが良質であれば,テクノロジーやサイエンス,コミュニティも良質なものになるのです。(p178)
人の能力は高く,たいていの場合は人の自助努力で解決されてしまい,テクノロジーが不要になってしまうことが多いことも学びました。(p182)
僕は導入時に余計なタスク(作業)を増やさないことが,使いやすさの条件を満たすために絶対必要だと思っています。(中略)余計な機能をつけてユーザーのタスクを増やすのではなく,従来の業務をよりスムーズにすることこそが,現場で受け入れられるテクノロジーの要諦です。(p185)
介護職と利用者の間で忌憚のないコミュニケーションがとれればいいのに,わざわざ現場の最前線にいない経営者が介在してしまうことも多い。それにより,ケアのPDCAサイクルの効率が上がらず,介護職のやりがいも生まれにくい構造が生じているケースも散見されます。(p197)
これからはローカルに,それぞれの場所で創意工夫されつつ作られる「民藝」的なものが,新たな価値提供の基盤になると思われます。(p212)
介護における「スーパースター」が増えることも,僕は介護職の社会的地位を向上させるために重要だと思っています。(中略)たとえば歴再総理の看取りを行った介護職の人がいれば,それはスタープレーヤーといえます。(p228)
コロナ禍において,社会から多くのものが失われましたが,その最たるものの一つが「祝祭」でしょう。(中略)リモートで飲み会を開いてみても,身体性がないから “祝祭性” や “共時性” が足りない。(中略)ライブをオンライン配信するアーティストも増えましたが,現場で起きていることをそのまま中継しているだけだと,尺が間延びしてしまい,観るのがしんどくなってしまうと感じます。祝祭がなくなると,社会に対する帰属意識やお互いにとっての共通基盤,コミュニティに属しているという感覚がなくなります。(p238)
クリエイションとは「生きること」です。クリエイティブであるということは,常に何かを生み出そうと試行錯誤しながら,時間と空間に存在するということ。健全な精神と肉体を育むために,動物的な狩猟性は不可欠です。そして,それは(中略)クリエイションというかたちで発露されるべきだと考えています。(p247)
多くの地域において,あらゆるモノがインターネットで買えて,Zoomを介して世界中のどことでもつながれる。これにより,遊牧民的な生き方を実現できるようになったのです。(p248)
ポジティブに老いていく,もっといえばよりよく生きていくために大切なのは,「豊かさ」だと思うのです。(中略)好きなことや好きなものを持ち続けて,それに取り組んでいきながら老いていくのは,とても豊かなことだなと。(中略)そして,テクノロジーの発展は,より多様な「豊かさ」を可能にしてくれると思います。(中略)家にいながらにして手に入る「豊かさ」の選択肢が広がっていることは,明らかにデジタル化による恩恵だと思うのです。(p253)
個々がスーパーマーケットを往復するよりも,配達員が一台のバイクで個々の家に届けたほうが,炭素消費も少なく済む場合も多いです。(p258)

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