2020年1月14日火曜日

2020.01.14 出口治明 『50歳からの出直し大作戦』

書名 50歳からの出直し大作戦
著者 出口治明
発行所 講談社+α新書
発行年月日 2016.09.20
価格(税別) 840円

● 50歳を過ぎてから起業した人たちと出口さんの対談集。これなら自分にもできるかもと思う人は,どのくらいいるんだろう。ぼくは自分にはとても無理だと思った。
 正しいはずだ。サラリーマンもまともにできたかどうか,かなり疑わしい人間が起業して上手くいくわけがない。

● 以下に転載。
 「今が人生で一番いい時期だ」僕はつねにそう考えています。(中略)過去が変えられるなら,いくらでも頑張りますが,変えられない以上は無駄なことはしたくない。それが僕のモットーです。加えて,今が一番若い。明日になれば一日歳を取ってしまう。(p3)
 若い人の中には,時代はどんどん変わっているから過去の経験など価値がないという人もいますが,けっしてそのようなことはありません。むしろ今のように世の中が激変している時こそ,豊富な経験が大きな武器になります。(p18)
 生きのいい連中と親しくなるためには,あなた自身にも魅力が必要です。あのおじさんと話をすると面白いと思ってもらわないと,誘っても誰もついてきてくれません。そのためには,つねに自分に付加価値をつける努力を怠らないこと。たくさん本を読んで知識を増やし,いろいろな現場をこの目で見て知見を深め,さまざまな人と積極的に会って刺激を受け続けましょう。(p25)
 (ハローワークで)ふと周りを見ると,気軽に会社を辞めて失業保険で海外旅行にでも行こうと思っているような若者か,私から見てもこの様子では再就職は難しいだろうと思うような人たちばかり。それを見た瞬間,「ここは自分が来るところではない」と感じ,話しんお途中で席を立ってしまいました。(中村勝 p37)
 長く続くいい会社のトップは質素で倹約家が多い気がします。(中村勝 p40)
 部下に信頼されるかどうかは,君自身のフィロソフィーで,そこに魅力がなければ,どんなにドラッカーの本を読んでマネジメントの勉強をしても意味がないよ,と。(中村勝 p42)
 好奇心が強いということは,知りたがり屋ということでもあり,それは裏を返せば自分は何も知らないことをわかっておられるということです。そうした気持ちはとても大切です。(p48)
 サービス業とは突き詰めればお掃除と土下座だ,というのが私の解釈です。(大嶋翼 p57)
 諦めて別の世界に移れば,それはつねに素人からのスタートになることを覚悟する必要があるのでしょうね。(p63)
 経済が成熟している国内で急拡大を目指すとどこかに歪みが出ますが,国自体が急成長している今の中国では,のんびりしていたらすぐに手遅れになりますね。(p66)
 自分が心からそうだと思うことしか話さず,やらなければ,ノーストレスです。かっこつけてみたり,反対に卑下してみたりすると,とたんにストレスがたまる。(p69)
 ハローワークの職員に尋ねられるのは,なにか資格を持っていますか? です。いくら営業を一〇年やっていますと言ってもダメで,信用されるためには資格を取るしかないとわかりました。(牧野克彦 p80)
 うちも近所の商店で売っているものは必ずそこから買うようにしています。中には,もっと安い店がありますよと言う社員もいるのですが,それはダメだと言ってします。近所に可愛がられない会社は,たとえ世界に進出するグローバル企業であったとしても,地域に受け入れられるはずがありませんよ。(牧野克彦 p84)
 グローバル企業のトップは,なんでもできて社内で一番業務に詳しい。だからこそトップの機能を果たせるのであり,高い給与をもらえるのも,それがあるからなのです。これに対して,日本の大企業の社長では,こういうタイプはむしろ稀です。講演やパーティーでの挨拶台本も社員が書く場合がほとんどでしょう。(p90)
 どんな商売でも一生懸命やれば食えないことはない。なぜかと言えば,ほとんどの人は真剣にやっていないだけ。実際,そういう人が多すぎる気がします。(石塚眞一郎 p99)
 古いお札の注文が増えたかと思うと二~三年でピタッと止まる。すると今度は寛永通宝などの穴銭が人気になる。科学的には説明できないのですが,示し合わせたように好みが変化するのは,本当に不思議です。(石塚眞一郎 p108)
 集めるならいいものが欲しいんですよ。多少質は落ちても安いもののほうがいいというコレクターは長続きしませんね。(石塚眞一郎 p111)
 相手の気持ちを察知できない人は独立すべきじゃないでしょう。(石塚眞一郎 p112)
 コレクターをやめれば,いいものから売れる。お客さまが喜んでくださるからです。そして,それがお店に対する信頼につながり,顧客増に結びつく。すべてが理にかなっていると思いました。およそ合理的でないものはビジネスではないのです。(p115)
 人生は強い目的意識をもって努力していくことも大切だけど,流れに任せるのも意外にいいことがあるな,と。(鈴木哲也 p127)
 なかには一個一五〇円の商品にそこまで求めるか? ということをおっしゃる方もいます。でもそこでそんなことできるはずがないと切り捨てるか,そのままでは難しいけれど別の方法があるかもしれないと追求するか。その差は大きいと思います。(鈴木哲也 p132)
 規模とか,ましてや利益の拡大を目指すとなると,お客さまからどうしても離れて,「ニーズは作るものだ」などと傲慢なことを言い出す。(鈴井哲也 p134)
 お客さんはどんな常連の方も永遠ではありません。今日が最後かもしれませんが,そこまでの責任は絶対に取らないといけない。万が一でもお客さまに満足していただけない危険があることは,やるべきではない。(鈴木哲也 p135)
 信頼関係を築くのは長い時間が必要ですが,失うのは一瞬です。時間をかけて築いた信頼関係ほど価値のあるものはありません。(p136)
 五〇過ぎの転職ではストライクは一球しか来ないという覚悟が必要だと感じましたね。(寺田淳 p149)
 うまくいっていない事務所は「待ちの商売」に終止していると感じました。(中略)決まった時間しか営業しない。お客のほうが自分に合わせろというスタンスです。これは商売として普通ではない。それをお客さん本位に変えれば,それだけでお客さんは必ず集まるはずだと確信しました。(寺田淳 p156)
 しかし私は絶対に断りません。とりあえず受けて,そのあとで勉強すればいいんです。どうにも手に負えない時はその分野に明るい先輩を頼ればいい。(寺田淳 p157)
 ダーウィンの「進化論」で語られる,「適当な時に適当な場所にいること」が運だと僕は解釈しています。(p168)
 トップが決断する段階まで来た案件は,どちらを選んでも大差がないのです。明らかな優劣があれば,もっと下の段階で決まっているに違いないからです。(p173)

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