著者 渡邉哲也
発行所 ビジネス社
発行年月日 2015.01.01
価格(税別) 1,000円
● 台湾,まだ行ったことがない。香港には何度も行っているのと対照的。これはね,うちの奥様が中国がお好きじゃなくて,香港とシンガポールは許せるけど台湾はってところがあったのが第1の理由ね。
最近はその見方を変えているようなんだけど,今度は人気があるのでマイルで取れるチケットが出てこない。
● 目下のところ,ぼくの旅先はもっぱら東京なんだけども,台湾には必ず行く。台湾を見ないで死ぬのはちょっとという思いがある。
ので,それまで本書のようなガイドブックを読んで行きたい欲をかきたてる。
● 以下にいくつか転載。
ちょっと前までの台湾では,国内旅行をするという習慣がほとんどありませんでした。島の面積がたいして広くないせいもあってか,「旅行といえば海外旅行」という風潮がどちらかというと強かったのです。(p34)
日本をよく知るようになった人たちには,国民党が当時教えてた反日教育は嘘である,と気づいた人も多くいます。(中略)なかなかそれを認めるわけにはいかないのです。自分たちが信じていたものを完全に否定すると,ある種の自己否定につながりますから,それを認めない人たちもいます。それが反日と言われる人たちの本音ではないでしょうか。(p80)
台湾人の言語は基本的に中国語です。中国語圏であるがゆえに,ビジネス上のプラットフォームが日本より大陸のほうが向いているんですよね。(p81)
グローバル企業の多くは,実は台湾人でない客家を中心として国際的なビジネスネットワークで動いています。民進党の蔡英文さんがその典型で,実は彼女は客家であって本省人でも外省人でもないんです。(p84)
日本でもいま路線バスの旅が流行っていますが,世界のなかでもその感覚が味わえる数少ない街が台北だと思います。(p90)
世界的に見ても,約束の時間を正確に守る習慣があるのは日本とスイスぐらいだと言われています。(中略)つまり日本人が特殊なのですから,他の国の人たちは「時間を守れない」と思ったほうがいいわけです。台湾の人たちは,約束をした場合にはそれほど時間にルーズでなく,きちんと行動しますから日本人としては付き合いやすい面があります。(p145)
韓国は選択と集中の結果,多様性を失いました。台湾へ行くと分かりますが,昔の日本の商店街のように小さな個人商店や町工場がたくさんあります。世界的に見ても小さな町工場が生き残れる国というのは日本と台湾,ドイツなど限られた国しか存在しません。(p146)
(台湾は)日本以上にリアリストでマーケット中心主義であることが感じられます。(p160)
1999年9月21日,台湾時間の1時47分18秒に台湾中部の南投県集集鎮付近を震源としたマグニチュード7.6の大地震が発生しました。(中略)このとき日本側は,政党間外交という建前の下に支援を決め,大地震の発生当日の夜,合計125名の緊急救助隊を送りました。ファイバースコープや生存者の呼吸を電磁波で探知するハイテク機器,赤外線探知機,さらに大型の切断器具などの最新鋭設備を携えて日本が一番乗りしたことを台湾の地元マスコミは称賛し,発見された遺体に敬礼を捧げる救助隊員の姿勢が好感を持って報道されました。(中略)日本の支援を恩義に感じていた台湾の人たちが,東日本大震災に対して200億円を超える巨額な義援金を贈ってくれました。金銭感覚で言うと,台湾の物価水準は日本の3分の1程度,人口は5分の1ぐらいですから,単純計算で200億円の10倍に相当する2000億円近い金額になります。(p163)
外交って本当に難しいですよね。組織とか国同士が付き合うよりも,そのなかにいる人と人とがつながっていないと物事がスムーズに進まないという話をいろいろなところで耳にします。(p175)

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