書名 格差固定
著者 三浦 展
発行所 光文社
発行年月日 2015.07.20
価格(税別) 1,500円
著者 三浦 展
発行所 光文社
発行年月日 2015.07.20
価格(税別) 1,500円
● 「下流社会10年後調査から見える実態」とある。こういうものは真面目に受け止めるべきなのか,面白半分に読むものなのか。ま,後者的な態度でよろしいのだと思うが。
階層と支持政党を分析しているところは特にそうで,ここは絶滅危惧種になった週刊誌を読むような気分で読めばよいと思う。ちなみに,著者は安倍首相や自民党政権がお嫌いなようだ。
あと,公務員の待遇が良すぎると叩いているのだが,著者の両親は小学校の教員だった。つまり,公務員だ。公務員が嫌いになった理由でもあるのだろうか。
階層と支持政党を分析しているところは特にそうで,ここは絶滅危惧種になった週刊誌を読むような気分で読めばよいと思う。ちなみに,著者は安倍首相や自民党政権がお嫌いなようだ。
あと,公務員の待遇が良すぎると叩いているのだが,著者の両親は小学校の教員だった。つまり,公務員だ。公務員が嫌いになった理由でもあるのだろうか。
● 以下に転載。
人工の9%が,全員の金融資産総額の59%を保有しているということになるのだ。逆に,300万円未満の人の構成比は49%あるが,彼らの金融資産総額に占める割合はたった4%に過ぎないのである。(p30)
そもそも社会全体で正社員の数はずっと増えていないのだから,学歴を上げても正社員になれるとは限らないのである。それでも高卒よりは良い就職ができるだろうと大学に進み,今や大学進学率は5割を超える。(中略)こうなると大学では,大学らしい教育をすることは不可能である(p52)
そもそも大学進学率が上がったのは,少子化で学生が減るのを恐れた大学が,学力のない学生でも合格させたからである。それは,大学をつぶしたくない大学経営者と,失業を恐れる大学職員の都合に過ぎない。(p53)
階層が低下するほと地理的移動は少ない。引っ越し貧乏という言葉があるが,本当に貧乏な人は引っ越すお金もないのである。(p71)
階層の固定化は,雇用形態の固定,年収の固定,居住地の固定という幾重もの固定化と連動していると言える。(p72)
下流層ほどテレビを見ていない。特に20-34歳の下流層は44%が見ていない。10年前よりずっと増えている。これはテレビ業界にはショッキングな数字ではないか。(p147)
新聞を長時間読む人は,かつてのいわゆる「革新」系の人たちである。他方,若い人を動かすのはオールドメディアの新聞ではなく,もちろん雑誌でもなく,インターネットメディアなのだ。(p156)
単なる消費ではなく,プレゼントという理由づけが消費に必要な時代なのであろう。(p166)
物を新たに買わなくても所有者を移転するだけで消費者のニーズに応えられる時代が来ている。要するにすべての物のストックが増えたために中古品で間に合うのである。クルマも住宅も衣料品も日用品もそうなったのだ。(p167)
これから10年ほどして,団塊世代の女性が次第に亡くなると,何百万個ものウェッジウッドやロイヤルコペンハーゲンやジノリの食器が日本中に溢れるだろうと私は予想している。娘や息子の趣味には合わない。希少価値もないから古道具屋も買わない。それがゴミとして大量に捨てられ,それを,お金のない人たちが拾って使う。(中略)そんな「拾う時代」が来るだろう。(中略)近年若い世代で人気の建築家に坂口恭平がいる。彼は(中略)ホームレスの人たちのライフスタイルに学んで,物を買わず,拾い集めて暮らすライフスタイルを提案している。そういう提案が,貧乏くさくなく,むしろエコロジカルでエシカル(倫理的)な行為として評価されている。(p167)
もはや日本のクルマ市場は軽自動車中心であり,一部の富裕層が超高級外車を買っているという状況だ。(p182)
若い人,特に上流層,大都市居住者にとってSNSは非常に重要な情報源となっている。そしてこのことが,若い世代が都心や繁華街に行かない理由になっていると私は考えている。(p201)
昔ならば,休日の午後2時に,渋谷のどこかの商業施設に5万人の若い女性が集まったとする。それが今は,SNSで50人ずつ1000ヵ所にバラバラに集まっているのだ。(p202)
主婦というのは,なぜだか将来展望が明るめな人たちである。(p219)
面接法だと世間体,恥ずかしさなどの意識から階層を上めに答えがちである。(中略)他方,インターネット調査は実態よりも社会に対して否定的に回答する傾向があるのではないかと,かねてから調査専門家などの間で言われている。無職者,ひきこもり気味の人でも回答しやすいので,下流が増えやすいのである。(p249)

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