2021年4月13日火曜日

2021.04.13 和氣正幸 『日本の小さな本屋さん』

書名 日本の小さな本屋さん
著者 和氣正幸
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2018.07.23
価格(税別) 1,800円

● 紹介されているのは,次の23の本屋。
 SNOW SHOVELING(東京都世田谷区)
 ハナメガネ商会(栃木県益子町)
 ROUTE BOOKS(東京都台東区)
 Readin'Writin'(東京都台東区)
 Cat's Meow Books(東京都世田谷区)

 栞日(長野県松本市)
 NABO(長野県上田市)
 コトバヤ(長野県上田市)
 遊歴書房(長野県長野市)

 恵文社一乗寺店(京都市左京区)
 LVDB BOOKS(大阪市東住吉区)
 1003(神戸市中央区)
 books+kotobanoie(兵庫県川西市)

 蟲文庫(岡山県倉敷市)
 451BOOKS(岡山県玉野市)
 紙片(広島県尾道市)
 弐拾dB(広島県尾道市)
 READAN DEAT(広島市中区)

 ブックスキューブリック箱崎店(福岡市東区)
 MINOU(福岡県うきは市)
 カモシカ書店(大分県大分市)
 長崎次郎書店(熊本県熊本市)
 ひなた文庫(熊本県南阿蘇村)

● インスタ映えするというか絵になるところが多い。古民家を改造していたり。いきおい,古本屋が多くなる。
 あと,本を売るだけではなくて,コーヒーやカレーを出していたり,ギャラリーを併設していたり,雑貨も売っていたり。実際問題として本を売るだけで生き残るのは難しい時代になった。
 そうまでしても,今の時点で,この23の本屋がすべて生き残っているとは思えない。

● ここに登場する人たちは,多数派が乗っかるレールに乗らなかった人たちだ。それを潔しとしなかったのか馴染めなかったのかはわからないが,とにかくレールのないところを進んできた人たちだ。
 そういう人たちはリベラルに行く傾向があるっぽい。自民党を支持するとか安倍政権はよくやったと言う人はいないのではないかと思える。
 現状がどうでもそれに批判的になる。それはなぜなのだろうと,少し引っかかる。

● 以下にいくつか転載。
 あまりこだわりを持たず,自分自身が硬くならないようにしています。計画を建てたり,こだわりを持ったりするよりも,やってくる出来事に対して,正面から受け止めて考えたほうが自分には向いていると思うんです。(ハナメガネ商会 p15)
 人が集まるためにはReadin'Writin'に行ったら何か面白いことが起こると思ってもらわなければいけません。そのためにはこちらからたくさんのことを仕掛けているんです。(中略)止まらずに動き続けているからこそ次に進める。(Readin'Writin' p31)
 旅をテーマにした本屋は日本にいくつかあるが,遊歴書房はそのどれとも違う。それは店の目的が,旅をしてほしいということではないからだろう。旅は遊歴書房のなかにいればできるのだ。(遊歴書房 p63)
 選書の基準は,いつか自分が読みたい本だ。「壮大な積読本の集まりみたいなものですね。どこかの本棚で見かけてずっと気になっていた本が自然と集まってきた。そんな棚になっています」(1003 p85)
 本当は個性をもって豊かな生活を探求しなければいけないのに,誰もそのことに気づいていない。(中略)そういった大事なことを問いかける場,立ち止まって考える場に本屋はなれると思うんです。(ブックスキューブリック p131)
 息苦しい社会を冷静に捉えなおすための余裕を持てる場所を,カモシカ書店は目指している。「本屋というものは,そういう批評的な態度がなければいけないと思っています」(カモシカ書店 p143)

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