著者 増田明子
発行所 日経BP社
発行年月日 2016.11.21
価格(税別) 1,500円
● 副題は「世界で愛されるマーケティング」。無印は国内でデザイン,生産し,それをローカライズしないで世界で売る。で,世界で売れる。それはなぜか。その答が本書にある。ただし,その答に納得するかどうかは別の話。
日本発がそのまま世界で通用するのは,無印良品のほかには,神奈川の大和研究所が開発するLenovoのThinkPadしか知らない。
● 以下に転載。
無印良品というのは,日本国内はもちろん,世界中のあらゆる情報を吸収することが商品開発の原点にある。たとえば,世界のどこかで昔から使われている道具や衣料品などには,ずっと使い続けられている理由がある。(p1)
国や地域によって,人々の生活の文化には違いがある。しかし,生活習慣や文化という,人間が作り出したものの前にある,人間が生物として「快適だ」「心地よい」「不快だ」と感じる生理的な快・不快は,世界中どこでもだいたい共通する。(p15)
MUJIは,日本で決定したデザインや香りなどの商品仕様をそのまま海外へ展開しており,海外市場での個別のローカルな嗜好にほとんど合わせていない。(p21)
MUJIの商品が世界的な普遍性を持つ大きな理由はシンプルさにある。そのシンプルさとは,使い勝手の良い「一番普通」の形を目指したデザインである。(p23)
一般のブランドは,他社とは異なる自分の特徴をデザインしていく。その中でMUJIは,「それ以外」というポジションにある。(p24)
MUJIの商品開発の基本姿勢は,最大公約数的に多くの人が「良い」と思う商品を作っていくことだ。個々の人や,個々の文化に合わせすぎない。(p34)
「これ『で』いい」という考え方は,別の言い方をすると,「個性の一歩手前」で止めるということだ。(p40)
用の美という考え方は,日本だけでなく,世界中で見つけられるのだ。(p86)
MUJIの商品は,誰がデザインしたかということを明らかにしていない。これは商品にブランド・ロゴを付けないのと同じ意味がある。(中略)MUJIは,ブランド名やデザイナー名ではんくて,商品そのものの本質である使い勝手で選んでもらうことを大切にしているからだ。(p102)
なるべくデザインの個性を取り払ったシンプルな商品というのを,商品づくりのルールにしている。(p103)
製造を委託して商品を調達するからこそ,品そろえの多様化が可能になっている。(p106)
MUJIの開発時に学んだことは,ゼロからは何も生まれないということである。何か課題があったり,何か疑問に思うことがあったりすると,何かを考える。既にあるアイデアとアイデアを結びつけたらどうなるか,と考える。(中略)そして誰かに伝えることで,何か別の良い情報が伝わってくることもある。そのような人との出会いは大事である。(p163)
関心がない場合は直感的に対象を知ろうとするが,関心がある場合には,システマティックに分析的に知ろうとするため,説明は文章のほうが適しているという。(p179)
従来,中国の消費者は,金や赤など派手な色のついたものを好むといわれていたため,MUJIの商品は支持されないのではないかと懸念する声もあった。しかし中国人の生活スタイルも先進国のスタイルに似てきた。(p190)
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