著者 成毛 眞
発行所 宝島社
発行年月日 2019.08.09
価格(税別) 1,400円
● 5章で構成されているが,最後(第5章)の六角精児と著者の対談を最初に読んで,第1章から読んでいくのがいい。第5章さえ読んでおけば,あとはどこでやめても構わない。
● 以下に転載。
話題の映画を観ることや,流行りの音楽を聴くことは,遊びとは言えない。遊びは意図的にやらなければ,遊びではない。(p10)
人々が最高に楽しんでいる場所では,必ず未来が見つかるのだ。未来を発明するのはいつだって,うまく遊んでいる人間たちなのである。(p11)
実益を考えず,ただ単純に遊ぶことを提案したい。間違っても,「遊び」でやっていたものを本業にしようとは思わないことだ、趣味はひとりで極めるものだが,遊びは誰かを巻き込んでやろう。(p16)
遊びでプロを目指してはいけない。プロになるなら,仕事と同じだ。(中略)中途半端なままで終わらせることができるのも,また遊びの醍醐味だ、(p17)
目的があるようでない,何かを達成するものではない,というのが遊びの定義だとすると,日本人には「遊び上手」の素質があるように思える。それに比べると,アメリカ人は遊びが下手な人が多いかもしれない。彼らはその気になると,遊びではなくて,本格的な趣味にしてしまうのだ。(p19)
どうせ遊ぶなら人がやらないようなことをやったほうがいい。みんながやっていることは,あえてやらないことだ。何をして遊ぶかを考えるときに,みんながやっていないことは何かを探すことが,すでに面白い。(p20)
3000時間もやればプロ級になってくるが,そうなると面白いことばかりでもないだろう。(中略)遊びであれば1000時間ほどやって,他に面白そうなものがあれば,すぐに移るのをオススメする。無理に苦しい思いをすることはないのだ。(p30)
ピカソやダヴィンチの作品など,アートにはある種のいかがわしさがある。アートは,現在の価値と違うものを提示しなければ売れないのだ。(中略)美術史のなかで,従来の価値観に対するアンチテーゼを描くことで評価を得る。(中略)時代に合わせつつ,いかに時代をリードするか,ということはビジネスでも同じである。よって,ビジネスマンはアーティストを見ておかなければならない。アートが極端に変化するときは,ビジネスも変化する。(p37)
自分にとんでもない才能があるかもしれないのに,やらないからわからないのだ。今の若い世代の人たちは,やってみないとわからない,ということを理解している。(p38)
真面目な人に多いのが,基本に忠実でありたい,最初から本格的でなければならないと,思い込むことだ。そんなことはない。あくまで遊びであるから,楽しみ優先でいいのだ。(p39)
今あることの積み重ねでイノベーションは起こらない。大きなジャンプをするためには,奇想天外な発想が要るのだ。広い視野を持って,大きく考えることが必要になる。壮大な空想を描く力は,天賦の才ではない。空想力を高める上でSFは実に役立つ。だから頭の柔らかい10代,20代のうちに読んでおきたい。(p48)
仕事でも遊びでも,「やらないこと」を決めるのが楽しむためのコツだ。ボクが遊びでやらないと決めていることは,銀座のクラブなど,女性が席につくようなお店に行かないことだ。お金ありきで寄ってくる女性に囲まれて,何が楽しいのかわからない。(p72)
今では公私ともみ必要のない選択を極力減らしている。例えば,サラリーマンを辞めてから20年間,毎日ほぼ同じ服を着て,ほぼ同じ昼飯を食べている。(p76)
スティーブ・ジョブズなども発達障害があって服や食事などにさほど興味を持つことのない子どものまま大人いなったがゆえに,子どものような発想ができ,それを我々はクリエイティブだと思い込んでいるのかもしれないのだ。(p78)
ある程度の資産を持っている仲間と飲んでいて,全員が同意した共通点がひとつあった。若い頃から毎日1回,寝る前の数分間などに,次のふたつを無双する習慣があるというのだ。 ・どうやって資産を増やそうか(どうやって少しでも稼ごうか) ・どうやって資産を減らさないか(無駄遣いしないか) しかも,その夢想はほとんど実行されない。ふと夢想するだけなのだ。大したことではないが,意外とその積み重ねが重要なのかもしれない。(p82)
巨大企業を困らせるのは,実はそれほど困難ではない。彼らの収入源をピンポイントに,最少コストで狙うだけだ。戦国時代とはそういうものだ。(p85)
天才と呼ばれる人たちは,得意なことが飛び抜けてでき,普通の人なら当たり前にできることができなかったりする。(p124)
通常のキャンプを見ていると,コーヒー一杯,沸かして飲むのに火をつけて水を沸かしたり,豆にこだわったりと,あくせくしている。(中略)キャンプを楽しむ違う形があってもいい。コーヒーを飲むなら,ネスカフェのアンバサダーであってもいいわけだ。(p176)
ギャンブルを真剣に勝たなきゃいけないと思ってやっていると,不思議とどんどん負けていくんですよ。だから真剣にやらないほうがいいですよ。(中略)やっぱりギャンブルは軽い気持ちでやったほうがいい。そうでないと,大人の嗜みとは言えませんね。(六角精児 p193)
自分の金の9割くらい賭けて,勝った負けたなんてやっていると,勝ったときの高揚感と負けたときの虚脱感は,とどのつまりどちらも同じなんです。どちらも快感なんですよ。(中略)真剣にやるんではなく,いい加減にやらないとダメです,あんなもんは。全部,運なんですから。(六角精児 p194)
芝居の世界には芝居だけっていう人がいるし,ギャンブルの世界にはギャンブル一本槍っていう人がいる。そこでしか生きられない人がいっぱいいる。あれが面白いんですよね。(中略)その世界でしか生きられないっていう人をはた目で見たり,話を聞いたりするのが僕の大好物なんですよ。(六角精児 p196)
尿酸値も,尿結石も,糖尿も全部,当てはまるんですけど,僕は。でもいいんです。そんなものは,なんとかなる限りは薬で適当に対処していれば。(中略)医者の言うことをちょっと小馬鹿にしながら聞いているヤツのほうが,ずっとそのまま元気なんじゃないかな。(六角精児 p209)
みんなからモテたってろくなことないでしょう。100人いたら,実際は2人か3人とかの人から本当に愛された方が世の中,絶対,幸せですよ。(六角精児 p211)

0 件のコメント:
コメントを投稿